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拝啓◯◯殿
忍術学園を卒業して早5年
柄でもないが文を書きたくなったんだ
この文が◯◯に届く頃
俺はこの世にはいない
元会計委員長として計算には自信があったんだが
どうやらしくじったみたいだ
忍術学園にいた六年間
思い返せば俺はお前に迷惑をかけてばかりだった
鍛錬に付き合わせ,たまに会えたと思えば戦だ予算だという話ばっか
「もっと普通に笑い合えないの?」
とお前が困ったように笑っていたのを今さら思い出す
今からここに書く気持ちはお前に伝えるつもりはなかった
忍者の三禁を守っていた俺だが
最後ぐらい忍者の俺じゃなく
ただの潮江文次郎としてお前に伝えたかった
俺はお前に惚れていた
自分を強く持っていて,美しく笑うお前が
好きだった
嗚呼
声に出して伝えたかったな
なんて今更後悔しても遅いな
もし
来世があるのなら
俺はお前を見つけるまで
何回でも
何十回でも
何百回でも
輪廻してやる
そして見つける事ができたら
その世は今の戦乱の世ではなく
笑っているお前の隣にいられる世がいい
最後に一つだけ
前を向いて生きろ
俺の惚れた女はそういう女だ
潮江文次郎
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