傑
ついた.ここが呪術高等専門学校だよ
悟
とりあえず俺らの同期に会うぞ
ガラガラ
硝子
あ、おかえり〜…って
硝子
え?なに、その子
硝子
お前らまさか誘拐…
悟
ちげぇよバカ
悟
誰がこんなガキ誘拐するかよ
傑
任務対象の女の子さ
悠蘭
…紗倉悠蘭です
硝子
は?紗倉って…!
悠蘭
…皆さん紗倉ってと言いますが、
悠蘭
何かあるんですか?
硝子
いや…それは
傑
なにもないよ
悟
は…?
悟
少なくともあれは言わなくちゃなんねぇだろ
傑
言わなくていいさ
悠蘭
…言ってください、前髪さん
硝子
前髪…w
傑
その名前で呼ばないでくれるかな
傑
夏油傑だ
悟
五条悟
硝子
家入硝子、よろ
悠蘭
では夏油さん、
悠蘭
なにを隠しているんですか?
傑
…
悠蘭
言ってください
傑
…紗倉家は
『全員、死んだんだ』
悠蘭
…!
傑
呪霊の仕業だ
傑
これから私たちはその任務に行く
傑
…君はどうする?
悠蘭
ついていきます
悟
は!?
悟
お前自分の立場わかってんのか!?
悟
お前はあそこに1人で住み着いてるただのガキだ!
悠蘭
でも私にだって術式はあります…!
悟
じゃあなんで捨てられるんだよ?なぁ?
悠蘭
っ…それは…
傑
悟、そこまでにしとけ
傑
悠蘭ちゃんも悪かったね、大きな声出させて
悠蘭
…いえ、
傑
悠蘭ちゃんが行きたかったらおいで
悟
っ…傑ッ!
傑
そのくらいはいいだろ
悟
…チッ
悟
ついてきていいけど
悟
…死ぬなよ
悠蘭
…!
悠蘭
はい
悟
ここからは歩いて行けっつーけど
悟
どうやって行くんだよ…
傑
ここじゃ携帯も圏外だしね
悠蘭
…
こいつ、連れてきてよかったのか?
俺はさっき なんで捨てられたって言ったけど
理由は単純
弱いからだろう
そういうやつを 今まで何度も見たことがある
悠蘭
…右
傑
え?
悠蘭
ここを右に、その次の信号を左に進んで、
悠蘭
そして路地裏を通ればつきます
傑
なんで
悠蘭
わかりません…けど、記憶が残ってたので
記憶、ね…
そんなもん、どうせ消されたんだろ
まぁ、俺にとっては関係ないけど
悟
うわ、きったね
傑
酷いにおいだな
悟
てか、こんなとこに準二級なんていんの────
呪霊
コンニチハ
全員
ッ…!
呪霊
安心シテクダサイ
呪霊
イマハナニモシマセン
傑
…紗倉家の人たちはお前がやったのか
呪霊
サクラ?嗚呼、紗倉デスカ
呪霊
エエ、ワタシガヤリマシタ
悠蘭
っ…!
呪霊
紗倉家ノ人間ハトテモオイシイ
呪霊
ダカラ、殺シタ
悠蘭
…腕に数珠をつけた男性と
悠蘭
薄い緑色の髪をした女性がいたはず
呪霊
エエ、イマシタネ
悠蘭
…最後、何を言ってた
呪霊
シリマセンヨ
呪霊
シカシアノ2人ハ弱カッタ
呪霊
オモシロカッタノデ
呪霊
ソコノ岩デ頭ヲ何度モ殴ッテ───
『堕ちろ』
その瞬間、全ての思考が停止した
何も考えることができなくなった
悟
…これがお前の力か
悠蘭
…
なんとか口を動かし尋ねると 悠蘭は俯いたままだった
悟
お前が捨てられたのは無力だからじゃないのか
傑
この術式を持つから
傑
そうだろう?
傑
本当は家族と一緒にいたかった
傑
この力を持つ自分を嫌った
傑
だから、その腕の傷を自分でつけた
悠蘭
…そうです
悠蘭
私は嫌いだった
悠蘭
こんな力が無くなれば、私はきっと家族といられた
悠蘭
…だけどもう無理だから
悟
諦めんのか?
悟
ふざけんな
悟
お前に託された人生だろ
悟
お前が生き抜かないで、誰が生き抜くんだよ
悠蘭
っ…だけど…!
悠蘭
…だけど…こんな力じゃ人を殺しかねない…ッ
悠蘭
それに、私は…ッ
悠蘭
…もう、生きる意味なんてない…っ
悠蘭は苦しそうな顔をして言った
傑
それは違うよ
悠蘭
え…?
傑
私が私であるように,
傑
君も君を生きてきた
傑
生きるべきなんだ
傑
君は君のものだ
傑
決める権利は君にある、だけど
傑
家族が死んでしまったからこそ
傑
家族の分まで君は生きるんだ
悠蘭
…!
傑
君がどうしても生きたくないなら
傑
私達が君が君を生きていいと思うまで
傑
守り、導く
傑
約束する
悠蘭
…本当、に
悠蘭
私は…っ
傑
大丈夫
傑
生きていい
悠蘭
っ…ポロポロ
悟
…
悟
おいおい、今は泣いてる場合じゃねぇぞ
悟
とりあえずあいつを…
悟
って、もうやってんのかよ
悠蘭
ここに、入ったら対象はすぐに死にます
悠蘭
外に出ましょうか
悟
んじゃ、帰るか〜
呪霊
みぃつけた
悟
ッ…!
傑
な……
悠蘭
っ!
悠蘭
『堕ち──
呪霊
ニヤッ
グチョッ
悠蘭
ッ"…‼︎
悟
悠蘭ッ!
悠蘭
っ…大丈夫です…
こいつ明らかに特級だ…っ!
呪霊
紗倉悠蘭、ワタシについてきなさい
呪霊
そうすれば、この2人は見逃してやる
悠蘭
…!
悟
その必要はない
呪霊
…なに?
悟
こいつはもう自分で生きてく
悟
決まってんだよ
呪霊
そんなの関係ない
悟
なら…
悟
なおさら渡さねぇよッ!
悟
術式順転蒼
悟
出力最大ッ!
ドカンッ…
呪霊
効きませんよ
傑
呪霊操術…!
呪霊
『無効化』
傑
な…
呪霊
弱いなぁw
悠蘭
…
悠蘭が急に立ち上がった
そして前髪をかきあげ、言った
悠蘭
お二人ともありがとうございました
悠蘭
これで、準備完了です
悟
は…?
傑
何を言って…
悠蘭
『コピー』
悠蘭
呪霊操術、虹龍
悠蘭
術式順転蒼、出力最大
呪霊
なッ…!!
悟
俺らの…術式…!?
悠蘭
あなたでも、2つ同時は避けきれない
悠蘭
それに
悠蘭
私のコピーは元の術式の2倍の威力を出す
呪霊
ふざけるな…ッ!
悠蘭
ふざけてなんかないですよ
悠蘭
本気を出したら,このくらい普通
悠蘭
それだけですから
二つの術式は大きな音を立てて 特級にぶつかった
特級は悠蘭によって祓われた
傑
すご…
悠蘭
いえ、お二人の力が無ければここまでの力は出せませんでした
悠蘭
ありがとうございます
悟
…こいつの力って、凄いんだよな
傑
だね
悟
…なんか、捨てたのがわかる気がする
悠蘭
え、なんでですか
悟
お前の力に負ける気がする
傑
悠蘭ちゃん、悟は拗ねてるだけだからね
悟
は!?
悟
拗ねてねぇし!
傑
嘘だね
悟
はぁ!?
傑
悠蘭ちゃん、君は高専に入りたいかい?
悠蘭
…!
傑
無理にとは言わない
傑
君が決めていいよ
悠蘭
…入りたい,です
悟
…!
傑
…ふふっ、わかった
傑
じゃあこれからよろしくね,
悠蘭
はい!
悟
…お前,これは約束しろ
悟
1、タメで話すこと
悟
2、何かあるときは俺らを呼ぶこと
悟
そして3
悟
…これからは俺らを家族とすること
悠蘭
…!
悠蘭
…ありがとうございます…!
悟
だから敬語外せ!
傑
やっぱり悟はツンデレだなぁ
悟
だからさっきからお前はなんだよ!