少しの間の後、間抜けな声を出す先生

スマホの画面を先生に見せる

送ったのは16時頃

覚悟なんかとっくに決めてる

予想外の反応に驚く

前屈みになっているから、先生が今どんな顔をしているの分からない

俺の顔を覗くように見上げる先生

覚悟は決めてる

けど

いざ目の前にすると多少の恐怖はある

でも

今はこの人と居たい

目に入ったソファに座る

緊張でソワソワする

自分から誘ってしまった手前後戻りも出来ない

するつもりもないけど

ぐるぐると考えていると突然先生が吹き出す

俺で遊ぶ先生に少しムッとする

先生と並んでソファに座る

同じ端末の画面を一緒に見る

数十分後、うーばーが運んできた寿司を食べて、また学校生活の話に花を咲かせた

先生の事もだいぶ知れた時間だった

時計の針は既に21時を回っている

先にお風呂を貰って、交代で今先生が入っている

手持ち無沙汰で何気なくテレビを付ける

何の変哲もないバラエティ番組

家でしか見たことの無い番組

「んなすぐには襲わんから」

「すぐには」って事は…

先生がお風呂から出たら…

顔に熱が集まるのを感じる

突然の声に驚いて意味のわからない事を言ってしまう

あがりたての髪の毛はぺしゃんとしていて、毛先からぽたぽたと水が垂れている

そう言う先生の手の中にはドライヤーがあって

ドライヤーをコンセントに挿し、俺に渡す

ソファに座っている俺の足の間に座る

ドライヤーを持っている俺の手を掴んで、

ドライヤーのスイッチを入れる

顔が熱くなったのは、きっとドライヤーの温風に当たったからだろう

さらさらになった先生の髪の毛を撫でる

染めていない、綺麗な黒髪

撫で続けても何も言わない先生

好きだなぁ、とか思ったり

無意識に口に出した瞬間、先生の頭に口付ける

自分でした事に驚く

立ち上がってドライヤーを洗面所まで持って行こうとする

後ろから先生が抱きつく

バクバクと心臓が波打つ

鼓膜に心臓が付いているのかと錯覚するぐらいハッキリ聞こえる

決めたから

あの日

この人に

全てを捧げる覚悟を

ふわりと体が浮く感覚

そのまま歩き出す先生

行先はひとつしかない