葵に会いに行く と言っても周りには見たこともない風景が広がっていてどこを歩けばいいのかすらもわからない
呆然と立ち尽くしていると
丁度人が通った
奏雨
(あの人に聞いて見ようかしら。なにかわかるかも)
奏雨
ちょっといいかしら?
通行人の肩を叩き、声をかける
その時何故か、自分の声が酷くしゃがれているかのように聞こえた
通行人は私を見るなり顔を顰めて
その後顔を真っ青にしながら走り去っていった
奏雨
あ、ちょっと!
奏雨
.........
ここで突っ立っていても仕方がないのでとりあえず歩くことにした
奏雨
な、なに、、これ、、
家が沢山建ち並んでいた道を抜けると
家とは言い難いような大きな建物が沢山建っていた
奏雨
私、、人形に戻ってしまったのかしら、、
そう思えるほどには大きかった
その場所にまた立ち尽くしていれば、人々が心底邪魔そうに私を避けて忙しなく歩いて行く
奏雨
私、そんなに酷い格好してるのかしら
立っていると邪魔になるので、人々の流れに流されるように足を進めた
すると
???
ねぇ、そこのお嬢さん
後ろから謎の青年に腕を引かれた
奏雨
え?私?
???
そうそう。ちょっとこっち来て
奏雨
あ、ちょっと!?
抗議する暇もなく、腕を引っ張られ静かな場所へと連れられた
"知らない人と男には気をつけなさい"
と葵の母が言っていた記憶がある
それを思い出したからかすこし身が強ばる
???
素敵な服だね
???
ちょっと僕に付いてきてくれないか?
奏雨
...服を褒められたことは嬉しいけれど
奏雨
貴方に付いていきたくはないわ
???
僕が怪しい人に見える?
奏雨
ええとても
???
ははっ、だよね〜
???
じゃあ自己紹介しようか
かなう
僕の名前はかなう
かなう
すぐそこでなんでも屋をしてるんだ
奏雨
なんでも屋って、、
奏雨
なんでもしてくれるの?
???
もちろん!
???
猫探しとかお悩み相談とか
???
法に触れることまで
???
なんでもしてあげる
奏雨
猫が探せるなら人も探せるの?
かなう
もちろん
奏雨
......
奏雨
わかった
奏雨
貴方に付いていくから、人探しを手伝って頂戴