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キーンコーンカーンコーン
斉藤 芭
長い1日が終わり、私のHPは0に近い。
あの後もテスト返しが続き、まあ結果は予想通り散々だったから。
野畑 苺
斉藤 芭
苺がまるでリュックサックのように背負った手持ちのスクールバッグには可愛らしいキーホルダーがいくつもつけられている。 苺が歩くとその子たちも一緒に揺れ、カチャカチャと音が鳴った。
野畑 苺
斉藤 芭
野畑 苺
私たちが一緒にいれるのは下駄箱まで。 近くに住んでいる苺とは違い、遠方から来た私は学園の敷地内にある寮に住まわせてもらっている。
徒歩10分すらも嫌らしく、寮が良かった、と苺は時折駄々を捏ねる。 でも決まって門限の話題を出すと真顔で拒否するのだ。
野畑 苺
深山 弦
彼のピアスがきらりと光る。 足を止めることなく、振り向きもせずに返事だけする深山弦に思わず舌打ちしそうになるのを堪えた。
斉藤 芭
野畑 苺
二瀬 世那
深山 弦
苺が視線を向ける先には深山 弦と仲良さげに話をする二瀬 世那(フタセ セナ)くんがいた。
二瀬くんは学力、体力、品行、その他諸々でトップの順位を誇る特進クラスの特待生。 この学園で彼の名前を知らない人はいないぐらいの人気者だ。
野畑 苺
斉藤 芭
野畑 苺
野畑 苺
斉藤 芭
彼女の足取りは軽く、今にもスキップしてしまいそうな勢いで去っていく。 あまりにも元気すぎて、自分だけ置いてけぼりを食らったような気分になる。
斉藤 芭
寮までのたった少しの時間も遠く感じ、自分の足音さえもだるく聞こえた。