テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
クリオネ
クリオネ
クリオネ
そう言うとクリオネに手を差し伸べてきた、その男の笑顔は、優しかった。
そしてそっと手を取る──。
その、悪魔の手を。
グートリヒ
グートリヒ
勇者グートリヒ。ルックスの良さはもちろん、優しく勇敢で強いカリスマ性を持つ男である。
街中から支持は絶えず、多くのファンを抱えている。
クリオネ
グートリヒ
そしてクリオネは神からのメッセンジャー…天使としてこの地に舞い降りたとされている。
クリオネ
クリオネ
グートリヒ
が、クリオネには、世界や正義などというものへの関心がなかった。
クリオネ
ただ産まれたときから聖女としての才能を持っていただけの、ふつうの、
──どころか、ふつうよりも天使に向かない少女であった。
グートリヒ
グートリヒ
クリオネ
クリオネ
カッコいい勇者様にも、世間からの名誉にも、全くもって興味がない。
それでも目が合った勇者に笑いかける少女は、天使のような可愛らしさを持っていた。
グートリヒ
クリオネ
クリオネ
グートリヒ
グートリヒ
クリオネ
グートリヒ
勇者はいつもの優しい笑顔で笑った。
クリオネ
クリオネはただの聖女ではなかった。
クリオネ
クリオネ
クリオネ
クリオネ
聖女としてのヒーラーという役割に似合わないほどに───
鋭い戦闘才の刃を、隠していた。
クリオネ
ピリ。
脳に直接動きが伝わる。
『勇者を信じるな』
『次は会いに行く』
クリオネ
クリオネ
同時刻───魔王宮の外
ベーゼ
ベーゼ
ベーゼ
背後にいる数人の悪魔たちは、安堵の表情を浮かべていた。
ベーゼ
その瞬間、一言も発する余地はなく、その悪魔は灰になった。
萎縮した悪魔たちは頭を低く下げたまま動かない。
ベーゼ
ベーゼ
走り去る怪物を見て魔王は笑った。
ベーゼ
ベーゼ
───それから1週間。
クリオネ
クリオネ
クリオネ
今も2人は街の人々に手を振りながら、パトロールのようなことをしていた。
グートリヒ
クリオネ
クリオネ
グートリヒ
グートリヒ
クリオネ
それは勇者の初めて見る表情だった
皆に向ける優しい笑顔ではなく、ふつうの少年だったことを思い出させるイタズラっぽい笑みである。
グートリヒ
グートリヒ
クリオネ
並大抵の少女なら語尾にハートをつけて、ぶんぶんと振る尻尾が見えそうなくらい喜ぶだろう。
しかしやはり、クリオネは違った。
クリオネ
グートリヒ
クリオネ
クリオネ
警戒していたクリオネとは裏腹に、グートリヒはこの日、"ふつうの少年"であった。
クリオネ
クリオネ
グートリヒ
クリオネ
クリオネ
グートリヒ
グートリヒ
グートリヒ
クリオネ
グートリヒ
グートリヒ
グートリヒ
そう言って笑ったグートリヒに、クリオネは目を見開いていた。
クリオネ
クリオネ
グートリヒ
クリオネ
グートリヒ
グートリヒ
グートリヒ
グートリヒ
クリオネ
クリオネ
クリオネ
グートリヒ
グートリヒはクレープを手渡し、頭を傾けてクリオネに耳を寄せた
クリオネ
そうして握った手に、クリオネは少し魔力を込めた
それは──あのとき何かの魔術を跳ね返してしまったお返しだった
クリオネ
クリオネ
このとき、ふわりと揺れた髪に隠れて
グートリヒがどんな表情をしていたのか、彼女はまだ知らない。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!