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危険なお茶会

第1話 - 危険なお茶会

101

2022年12月27日

#第5人格

#第五人格

#読み切り

かしえら

エドガー

ここが荘園、とやらか。(招待状を手に持ち)

エドガー

僕のインスピレーションが捗ればいいけど。

－玄関前－

エドガー

サバイバーの館はここ、か。

エドガー

何だか重々しい雰囲気だ。(扉に手をかけて)

ｶﾞﾁｬ(扉が開き)

美智子

！あら〜、あんさんが新しい方なん？

美智子

話は聞いとるで、さぁ中へ入り。(手招きして)

エドガー

……！

エドガー

(この女の人…僕より身長が高い。)

エドガー

(確かに、色んな奴がいるとは書いてあったけど。)

エドガー

…気安く話しかけないでくれる？

エドガー

単刀直入に言う。

エドガー

自室に案内しろ。

美智子

そんな急がんでもええやろ？

美智子

これから皆とお茶会開くんやけど

美智子

良かったら来まへんか？

エドガー

断る。

エドガー

他人とお茶会なんて、時間の無駄だ。

エドガー

じゃあね、着いてこないでよ。(背を向けて去ろうとし)

エドガー

……。

エドガー

……はっ！

エドガー

(しまった、部屋がどこか聞いてなかった…。)

エドガー

……ﾁﾗ

美智子

ふふ、どうやらあんさん。

美智子

迷子みたいやねぇ？(扇子で口元を隠し)

美智子

お茶会に来てくれはったら、

美智子

教えてあげるのになぁ…。(いじわるそうに言い)

エドガー

…あぁ、もう！

エドガー

行けばいいんだろ？さっさと案内しろ！(観念して)

美智子

あら、来てくれはるん？

美智子

うち、嬉しいわぁ。(微笑み)

エドガー

そのかわり、ちゃんと教えてよね？

美智子

勿論や、ほな案内するなぁ〜。

マリー

美智子〜！遅いじゃない！

美智子

マリーはん遅れてごめんなぁ〜。

ガラテア

この人が新しく入った方…？

美智子

せやで、ガラテアはん。

エドガー

……。

エドガー

(この中で僕が1番身長が低い……。)

エドガー

(しかも全員女性の人だし…。)

美智子

あっ、そういや自己紹介してなかったんやねぇ。

美智子

うちは芸者の美智子って言うんよ。

マリー

私は女王マリー、様付けでもよろしくてよ？

ガラテア

彫刻師ガラテアよ、よろしく。

エドガー

……画家、エドガー・ワルデン。

エドガー

言っとくけど、仲良くしに来たんじゃないから。

エドガー

この人がどうしてもお茶会したいって言うから、

エドガー

それにわざわざ付き合っているだけだからね。

マリー

あら、聞いていれば。

マリー

せっかく美智子が誘ってくれたのに

マリー

随分あなた態度が大きいわね？

ガラテア

……。(彫刻を彫っており)

美智子

ええんよ、マリーはん。

美智子

うちが無理言って来てもらっただけやからね。

エドガー

……。

マリー

美智子がそう言うなら…仕方ないわね。

マリー

でも、私。

マリー

美智子のそういう所好きよ。(微笑み)

美智子

ん、急にどうしたん？マリーはん。

マリー

だって美智子は、

マリー

新しく来たハンターに優しく声をかけてくれるじゃない。

エドガー

(…ん、ハンター？)

マリー

私の時もそうだったし。(ふふっと笑い)

美智子

そんなの当たり前よ、困ったらお互い様やしな。

マリー

！美智子……。

マリー

もう、あなたって人は…。

マリー

美智子好きよ、結婚しましょ。

美智子

はいはい、マリーはん落ち着いて。

ガラテア

またいつものが始まったみたいね。(無関心)

美智子

あっ、せやエドガーはん。

エドガー

……何？

美智子

紅茶に砂糖何個いる？

エドガー

じゃあ4つ。

美智子

4個やねぇ…。(紅茶に砂糖を入れ)

ガラテア

よくそんなにいれるわね…。(彫刻を彫りながら)

美智子

エドガーはんは、甘い方が好きなんやねぇ。

エドガー

糖分は摂取すると集中力が上がるからね。

エドガー

…何か文句ある？

美智子

いや、別に文句はありまへんよ。(ふふっと笑い)

美智子

……はい、エドガーはんも飲みで。(紅茶を渡し)

エドガー

一体何なの…。

エドガー

……うん、普通だね。(紅茶を1口飲み)

美智子

ふふ、お茶請けも食べで。(テーブルに置いて)

エドガー

この粉みたいなやつ、何？

美智子

それはわらび餅って言うんよ。

美智子

うちの故郷の食べ物なんや。食べてみ？

エドガー

……ﾊﾟｸ

エドガー

…変な食感。

エドガー

でも、意外にいける…。ﾓｸﾞﾓｸﾞ

美智子

お口に合って何よりよ。(にこりと微笑み)

エドガー

……。

エドガー

ちょ、ちょっと聞きたい事あるんだけど。

美智子

どないしたん？

エドガー

ここってもしかしてハンターの館…？

美智子

せやで？

エドガー

そ、そうか…。

エドガー

(どうしよう…、間違って敵の館に来てしまった。)

エドガー

(まだバレてなさそうだし、速やかにここから離れないと…。)

美智子

？(キョトンとして)

マリー

そういえばね、昨日の試合たくさん勝てたのよ！

美智子

あら、良かったねぇマリーはん！

美智子

昨日は確か、たくさん試合に行っとったもんねぇ。

マリー

そうなの！

マリー

あぁ、思い出しただけでもぞくぞくするわぁ…。

マリー

サバイバー達の苦痛に歪む顔、

マリー

1人残されたサバイバーの絶望的な表情。

マリー

狩る側で本当に良かったわ〜。

マリー

…ま、負けた時は面白くないけど。

美智子

マリーはんも程々にしないよぉ？

美智子

サバイバー何人脱落させたん？

マリー

そうねぇ…(ドレスをごそごそと触り)

マリー

あぁ、あったわ。

マリー

でも何人か忘れたわね。(引きちぎったボタン目を手に持ち)

エドガー

！？

エドガー

(こ、これは……！)

エドガー

(何だ、この焦りと不安感は。)

エドガー

(もしかしてバレて……。)

美智子

マリーはんまたサバイバーから取ったの？

マリー

えぇ、こうすると辺りが赤く染まって

マリー

きらきらするからやめられないのよねぇ。

マリー

あっ、そういえばあなた。

マリー

エドガーだったかしら？(向きを変えて)

マリー

よく見たらあなた……。

マリー

サバイバーと似た目をしているわね…？

エドガー

！

エドガー

は、はぁ？

エドガー

目が一体なんなのさ…？(冷や汗をかき)

美智子

…！

美智子

確かにイドーラはんの信徒はんと似てるし、

美智子

似た者同士かもしれんねぇ。

美智子

そういやマリーはん、

美智子

リッパーはんが協力狩りへ行こうって言ってたで？

マリー

あら、リッパーが？

マリー

…まぁいいかしら、本当は美智子と行きたかったのだけれど。

マリー

じゃあお先に失礼するわ。(試合へ向かい)

ガラテア

…マリーはよく試合へ出るのね。

美智子

あの子の性分やけん、仕方ないの所もあるけどねぇ。(苦笑)

ガラテア

私も最近試合に出ていないわね。

美智子

良かったら今度、うちらも協力狩り行くで？

ガラテア

…そうね、考えておくわ。

ガラテア

あ、そうだ…。エドガーだったかしら。

ガラテア

さっき彫ったから、あまり時間はなかったけど…。

ガラテア

欲しかったらあげるわよ。(手のひらサイズのエドガーの像を手に持ち)

エドガー

！

エドガー

(意外と上手い…。)

エドガー

…こんな短時間で作ったのか。

エドガー

む、なんか腹立つ…。

ガラテア

ふふ、他にもあるわよ。(色々な彫刻物を並べて)

美智子

(…どこから持ってきたんやろ。)

ガラテア

画家のあなたなら分かるんじゃなくて？

エドガー

す、凄い…実物みたいだ…。(彫刻物を眺めて)

エドガー

あっ。

エドガー

ふーん、まぁ悪くないんじゃない？

ガラテア

素直じゃないのね。(クスクスと笑い)

美智子

あら、意外とあんさん達仲が良さそうやね。

美智子

芸術仲間同士だからかねぇ？

ガラテア

私の芸術が分かってくれる人はあまりいないから、

ガラテア

何だか新鮮で心地いいわね。

エドガー

確かに、あんたの実力はそこらの一般人より

エドガー

上だと思うよ。

エドガー

だけど、僕以上ではないね。

ガラテア

言ってくれるわね、なら勝負する？(彫刻刀を手に持ち)

美智子

はいはい、熱くならんの。

美智子

2人とも紅茶が冷めるで？

ガラテア

…そうね、

ガラテア

紅茶は冷めたら美味しくないもの。(そう言い紅茶を飲み)

エドガー

もうおかわりはいいよ、ご馳走様。(空のティーカップを置いて)

美智子

あら、もうええの？

ガラテア

私もご馳走様。

ガラテア

じゃあ私は部屋に帰るわ。

美智子

また、ガラテアはんもお茶会に来てくれやす。

ガラテア

えぇ、時間が空いたら顔を出すわ。(車椅子を動かし廊下に向かい)

ガラテア

あ、あと…。

ガラテア

そこの小さなハンターさんも、

ガラテア

また会えたら仲良くしましょ？(ニタリと笑い)

エドガー

……！

エドガー

ﾌﾝ、そうだね。

エドガー

その時は、僕の描いた絵をたくさん見せてあげるよ。

ガラテア

ふふっ、期待しておくわ。(そう言い、部屋から出て行き)

エドガー

……。

エドガー

(あのハンター、僕の事に気がついたか…。)

エドガー

(しかし、何故襲わなかった？)

美智子

今日はガラテアはん、いつもより喋っとったなぁ。(にこにこと微笑み)

美智子

エドガーはんの事気に入ったみたいやね。

エドガー

いや、勘弁してよ。

エドガー

……。

エドガー

ねぇ、そろそろいいでしょ？

美智子

せやね、人も減ったし…

美智子

じゃあ案内したる。

美智子

こっちやで。(手招きして)

エドガー

もう、子どもじゃないんだから…。(呆れながらついて行き)

美智子

ほな、到着したで。

エドガー

ん、外…？

美智子

あれはサバイバーの館や。

美智子

あの中にエドガーはんの部屋が用意されとると思うで。

エドガー

サバイバー…。

エドガー

はっ！

エドガー

あんた騙してたのか！？

美智子

ごめんなぁ、悪気はなかったんよ。

美智子

と言っても、気付いたのは途中からよ。

美智子

あんさんがサバイバーだって事はね。

エドガー

なら、どうして襲わないんだ？

美智子

あら、エドガーはん勘違いせんといて。

美智子

うちは本当に仲良くしたかっただけよ。

美智子

ほら、女子会って楽しいやろ？

美智子

でも他の仲間は違うけんねぇ。

エドガー

ほ、本当だな？

美智子

せや、うちは女子を殴るなんて出来んからなぁ。

美智子

でも試合中は許してなぁ？

エドガー

言うの忘れてたんだけど。

エドガー

僕、男なんだけど。

美智子

え、

美智子

嘘やろ？ほなうち…。

美智子

めっちゃ失礼な事したかしら…。

エドガー

…いや、いい。

エドガー

本来なら怒るけど、相手はハンターだし。

エドガー

逆上されると敵わないからね。(呆れて)

美智子

ふふ、エドガーはんが優しい人でよかったわぁ。

美智子

でも、本当にごめんなぁ…。(申し訳なさそうに)

エドガー

あぁもう、いいから…！

エドガー

で、この道真っ直ぐ行けばいいの？(真っ直ぐ道をさして)

美智子

せやで、気を付けて帰りなはれよ？

エドガー

大丈夫だから、……あと。

エドガー

……ま、また…

美智子

？

エドガー

荘園で会ったらさ、お茶会に出てやってもいいよ…？

美智子

あらあら、ええの？

美智子

…ふふ、でもまぁたまにはええかもね。

美智子

次はわらび餅、たくさん作っておかなねぇ。

エドガー

ふーん、あんたが作ったんだ。

エドガー

って、何でわらび餅の話しになるの…。

美智子

ふふ。(相手の口元にきな粉が少しついているのを見て)

美智子

……ほな、はよ行きや。

美智子

あんさん達の仲間が出迎えてくれるかもよ？

エドガー

言われなくても行くよ。(背を向け)

エドガー

案内ご苦労様。(スタスタと館へ向かい)

美智子

……。(黙って見送り)

美智子

……面白いサバイバーが入ったなぁ。

美智子

しかし、新しいハンターが来るって聞いてたんやけど…。

美智子

一体誰やったんやろ？

ｽﾀｽﾀ…(軽い足音が聞こえて)

？？？

ねぇ、そこの着物のお姉ちゃん！

美智子

あら、見たことない人やねぇ。

美智子

あんさんはサバイバー陣営の人？

？？？

ううん、サバイバーじゃないよ。

？？？

背が低いけどね、僕はハンターなんだよ！

美智子

あら、驚いたわ！

美智子

じゃあうちと一緒やね。

美智子

ほな、新しいハンターはあんさんだったんやな。

美智子

しかし…

美智子

今日は何だか賑やかやねぇ…。(扇子で口元を隠して微笑み)

？？？

？お姉ちゃんどうしたの。

美智子

ん？何でもないで。

美智子

ほなおいで、迷子になったらあかんよ。

？？？

はーい！(美智子の後をついて行き)

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かしえら

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