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ユーフォリア ー二人なら怖くないー

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ユーフォリア ー二人なら怖くないー

1 - ユーフォリア ー二人なら怖くないー

♥

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2022年02月09日

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葛葉

何度も転生した叶に出会って、救おうとして、
救えなくて、自己嫌悪になって。

葛葉

もう、疲れてしまった。

葛葉

仲を深めても深めても、転生後には叶は何も覚えてない。
俺の事を覚えていない叶を見るのは酷く辛かった。

葛葉

…もう、こんな事したくない。

葛葉

やめてしまおう。

ー現代ー

葛葉

「なぁ、叶。」

「なぁに、葛葉?」

葛葉

「俺、なんかやめたくなっちゃった。」

葛葉

「人生。」

「急にどしたん、そんな事言ってさ。」

葛葉

「いや、なんか、疲れたんだよ。」

「だから、何に疲れたのさ。
ホントにどしたの、病んだ?」

葛葉

そうだよな。叶は前世の事なんてなんにも覚えてない。
変に思われて当然だ。

「もしかして、僕を助けるのに疲れちゃった?」

葛葉

「…へ?」

葛葉

(叶が前世の事を覚えてる?!)

葛葉

「なんで、覚えてるんだよ。」

「なんでか分かんないけど、生まれた時から知ってたんだよね~。
葛葉が僕を助けようと頑張ってくれてた事、今まで気づかなくてごめんね。」

葛葉

「いや、それは仕方ないだろ…。
まさか前世の記憶があるなんて。」

「葛葉はもうやめたい?」

葛葉

「…やめたい。
もう叶が死ぬのを見たくないってのもそうだけど、
俺の事を何も覚えてない叶を見るのはもっと辛い。」

「そっか、葛葉は何回も見てきたんだもんね。」

「僕も、葛葉がこれ以上苦しむなら、
やめてもいいと思ってるよ。」

葛葉

「それ本気?」

「うん。二人なら死んでも怖くないでしょ?」

葛葉

あぁ、叶はどこまでも俺の事を思ってくれてるんだな。
そして、自分も叶の事が好きだなと実感した。

葛葉

「じゃあ、二人で死ぬか!」

「うん。二人共これで幸せだね。」

ー何処かの海ー

葛葉

「溺死ってありきたりだったかな?」

「まぁいいんじゃない?二人きりで静かな海に沈んでいくって、
雰囲気あって僕は好きだよ。」

葛葉

「そっか。」

「これから海に入るけど、死んでも僕ら一緒にいられるよね?」

葛葉

「そりゃそうだろ、その為に死ぬんだから。」

「ははっ、そうだった。」

葛葉

「忘れんなよw」

葛葉

あぁ、こうやって笑ってる時がやっぱり一番だな。
そう思いながら俺は叶の手を取った。

葛葉

「じゃ、行くか。」

「そーだね、行こっか。
…ねぇ葛葉。」

葛葉

「ん?」

「愛してる。」

葛葉

「…うわぁ、そんなん泣くじゃんか。」

葛葉

「うっ…。」

「ははっ、泣かないの!
ほら、涙拭いて。」

葛葉

「…叶。」

「うん。」

葛葉

「俺も愛してる。」

「知ってる。」

葛葉

「ははっ。」

葛葉

そして俺達は海に身を投げた。

葛葉

…なぁ叶。

葛葉

ユーフォリアって言葉あるじゃん。
俺らが歌ったGeminidsにも出てきたやつ。

葛葉

ユーフォリアって、
“幸福感”っていう意味らしいんだけど、その他にも

葛葉

“心酔”って意味があるらしいぜ。

葛葉

俺、何百年も叶を救おうと必死だったけどさ、
きっと叶が好きすぎたんだな。それこそ心酔してた気がする。

葛葉

でも、俺は叶に出会えてめちゃくちゃ幸せだった。

葛葉

ありがとう。

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コメント

1

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ぁええええぇえぉえぇおおえ??得?すきです!フォロー失礼します!

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