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第2話
火照る頬、焦る手
体が重い。 ぼんやりとした頭の奥で、何かがぐらぐらと揺れていた。
雪翔
目を開けると、天井がにじんで見える。 視界がゆらゆらと揺れていて、息をするのさえしんどい。
雪翔
喉が焼けるように熱くて、 腕も脚も自分のものじゃないみたい。 そのとき、バタバタッとドアが開いた。
龍樹
駆け込んできたのは龍樹。 普段は滅多に表情を崩さない彼が、 今は明らかに、取り乱していた。
龍樹
雪翔
龍樹
バタバタと部屋中を動き回る音がする。 タオルを水で濡らしながら、龍樹は明らかに焦っていた。
雪翔
僕の額に冷たい布が置かれた。 その手は少し震えていて、でも、優しくて。
龍樹
その声は、低くて掠れていた。 まるで、僕より僕の体調に苦しんでるみたいに。
雪翔
龍樹
タオルを替えながら、彼は眉を寄せたまま、 僕をじっと見つめる。 いつも強引で、どこか余裕があった その目が、今は揺れていた。
龍樹
雪翔
龍樹
ずるい
そんな顔を見せられたら。 そんな声をかけられたら。
きっともう、僕はこの檻から抜け出せない。
怖くて、優しくて、ずっと僕を見つめてくれる、 彼の腕の中で、僕は眠る
どうだったでしょうか?
次回:お前が笑えば、それでいい
お楽しみに