からぴち短編集

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俺には好きな人がいる

そうこの子、etさんだ

etさんと俺は幼馴染で、昔っから一緒だった

でも俺を特別扱いする事なく、みんなと仲良くしている

そんなetさんが何か悩んでる気がする

見るからに動揺している

etさんは少し考えて口を開いた

思いもよらぬ言葉に焦りと動揺が隠せない

顔を少し赤らめて言う

複雑な気持ちだけど、etさんの思う“優しいhr”で いる為に…

ﾊﾞﾀﾝｯ

翌日

俺達の家は近い方だが、いつも学校へ行く時間が違うので登校中はあまり会わない

答えは聞きたくないけど、聞かずにはいられない

もう笑顔になった時点で答えは決まりだ

俺はetさんの笑顔が好きだ

まるで咲きたての花の様な笑顔

だけど今日は…

etさんが橋本と付き合ってから1週間もたった

そんなある日

etさんが怪我したらしい

etさんは活発で怪我は他の人より付きやすいけど、今日は１つだけ違和感があった

今は冬だが、今日はそこまで寒くない日だ

教室には勿論暖房が付いてる

そう思った2日後＿＿

ｶﾞﾀｯ

ﾀｯﾀｯﾀｯ

何故か俺を避ける様になった

というか、“男”を避ける様になったが正しい

ｶﾞｼｯ

久しぶりに俺に向けて声を放ってくれた

etさんが力を入れるが、俺の力には敵わない

少し声を荒げて言った

急にetさんの目から涙が溢れる

etさんの細い手首をパッと離した

目を隠す様にして泣いている

その言葉で少し落ち着いたetさんは、悩みを打ち明けてくれた

etさんが好きだった橋本は外面は優しいが、裏では暴力を振るうクズ野郎だった

しかも束縛が強く、男と少し話しただけで首を絞めてきたりしたそう

etさんは優しい…そんな事で謝ってくれる

落ち込んでる時にこんな事を言うのは少し気が引けるが、そんなetさんを放って置けない

少し沈黙が流れる

etさんが笑った瞬間、まるで花が溢れかえった様な感覚が走った

ｷﾞｭｯ

etさんが痛いと言わない程度に強く抱きしめた

いつもの明るいetさんに戻った

etさんは俺の事を何も知らない

相手にゆっくり近付いて話しかける

橋本は見るからにピリピリしている

噂の外面“だけ”優しい橋本はどこへやら

こっちを明らかに舐めている

橋本は大きく拳を振り翳すが、

ｽｯ

それを交わして＿＿

ﾄﾞｶｯ!!

まるでお手本かの様なパンチを顔面に喰らわす

鼻血が出ているがそんな事関係なく、もう一回相手の顔面にパンチをする

ﾄﾞｶｯ!!

ﾄﾞｻｯ

このパンチをモロに喰らったのか、気絶した

ｽﾞﾙｽﾞﾙ‥

相手の顔を覗き込むかの様に見る

腕には手錠、足には足枷が付いている

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

それを取ろうと踠いている姿が滑稽だ

相手は見るからに怯えている

少し考えてこう答えた

何か心当たりがあるのか、体を震わせている

“etさん”と聞くと少し豹変した

etさんの悪口を聞いて、俺は堪忍袋の尾が切れた

ﾄﾞｶｯ!!

先程のパンチをもっと力を込めて喰らわせた

橋本の背筋が凍る

ﾄﾞｶｯ!!

ﾄﾞｶｯ!!(足蹴)

ﾄﾞｶｯ!!(足蹴)

ﾊﾞｷｨ!!

ﾊﾞｷｨ!!

ﾄﾞｶｯ(足蹴)

ﾄﾞｻｯ

ごめんねぇ…etさん

俺はさ“優しいhr君”じゃぁ…無いんだ

“優しいhr君”を演じますかっ！