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第二次能力大事変

第二次能力大事変

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6

第二次能力大事変 第六話 ─ロビー②─

2023年08月04日

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それと同時に分身が全て消えた。

北 紗友里

いっちゃん!……え?

北がメイドの方を見ると、メイドは明らかに疲れ果てていた

紫髪のメイド

北 紗友里

な、なんでこんなに疲れてんだ?このメイド…

紫髪のメイド

な…何を、したんですか…。この…

紫髪のメイド

メイドは力が入らないにも関わらず一ノ瀬を殴りかかろうとしたが、簡単に避けられてしまいそのままの勢いでメイドは転けてしまった

一ノ瀬 咲

何もしてないわよ。貴方が自分でそうなっただけ

紫髪のメイド

ど…どういうこと…?

起き上がる体力も無く、座り込んでいるメイドに近付き目線を同じくらいにするためにしゃがむ一ノ瀬は口を開いた

紫髪のメイド

一ノ瀬 咲

時を止めれるのは最大180秒。30秒でも意外と体力がもっていかれるのに、最大まで止めるもんだから疲れるに決まってるじゃない。それにプラス、最大人数も分身を500人召喚するんだもの。最大時間停止に最大人数召喚をしたらダブルで来るんだからそりゃあ疲れ果てるわ

紫髪のメイド

……この

紫髪のメイド

ふざけないでください……!!

意地でも殺そうと紫髪のメイドは一ノ瀬にナイフを投げようとすると、勢いが足りず床にことんと音をたてて落ち、ロビーに音を響かせた。

北 紗友里

諦めな? もう無理だって~

紫髪のメイド

嘘よ……。絶対……に……

一ノ瀬 咲

私は嘘なんかつかない

北 紗友里

よし、いっちゃん! トドメ、刺す?

一ノ瀬 咲

……ねぇ、あんた

紫髪のメイド

……何よ。トドメ、刺すなら刺したらどうなの?

一ノ瀬 咲

……私達の仲間にならない?

一ノ瀬はゆっくりと紫髪のメイドに歩み寄る

紫髪のメイド

……はい?

一ノ瀬 咲

あんたの能力、便利なの

北 紗友里

おいいっちゃん!正気か?!

一ノ瀬 咲

ええ。……で、どうするの?

紫髪のメイド

……いいわ。なってあげる

北 紗友里

おい! 嘘かもしんねぇぞ!

一ノ瀬 咲

その時はその時よ

北 紗友里

……何らかの考えがあるっつーんだな

一ノ瀬と北は目を合わせて口角をあげた。

紫髪のメイド

……何をどうすればいいのかしら。そもそも、貴方達の目的は?

北 紗友里

あたしらの目的はこの館をぶっ壊すこと、それだけだ!

一ノ瀬 咲

私の場合はマカロンだけど

北 紗友里

ったく、マカロンにつられてこんな大事付き合うとか、ちょろいやつだぜ

一ノ瀬 咲

マカロンにちょろいだけよ

紫髪のメイド

……とにかく、目的はそれだけなんですか?その目的に意味はあるのですか?

北 紗友里

んー、ない! ストレス発散的な?

北 紗友里

ははははっ!

一ノ瀬 咲

私はマカロンの為ね

紫髪のメイド

……その為だけのために…ここを?

北 紗友里

おう!それに邪魔だったしな~

一ノ瀬 咲

はぁ…。で、訊きたいことは終わり?もう早くマカロンが欲しいのだけれど

紫髪のメイド

……まぁ、終わりです

北 紗友里

じゃあこっちも訊きたいこと訊くか!

一ノ瀬 咲

そうね。まぁ、もうあんたに任せるわ

北 紗友里

あいよー、休憩してな、いっちゃんは

一ノ瀬 咲

どうも

一ノ瀬はロビーの壁にもたれて目を閉じて二人の会話を静かに聞くことにした

北 紗友里

この城の主について教えろ

紫髪のメイド

アリカ様。生年月日は98年6月2日。能力は霧操作。それだけだと思われているけど、それだけじゃない。実は──

紫髪のメイド

北 紗友里

……おい?

北 紗友里

おい、メイド?

紫髪のメイドは顔色が変わっていき、呼吸も浅くなっている

紫髪のメイド

ぁ……こ……ぇ……ぁ……

紫髪のメイドはだんだん呼吸をしなくなっていき、その場に倒れた

紫髪のメイド

北 紗友里

おい?! おいメイド!

一ノ瀬 咲

……誰かが、見てるのね

北 紗友里

……はっ?

北 紗友里

どういうことだ……?

一ノ瀬は倒れている紫髪のメイドに歩み寄り、首に手を添えて脈を測った。 脈は、打っていなかった。

一ノ瀬 咲

……死んだわ、こいつ

北 紗友里

は?! なんで?!

一ノ瀬 咲

……多分、止められたのね

北 紗友里

は?! 何の話だよ!分かりやすく教えろ!

一ノ瀬 咲

こいつがこの館の主について話し、本当にある能力を話そうとした瞬間、こいつの呼吸が誰かの能力によって止められた

北 紗友里

……はっ?

一ノ瀬 咲

…………面倒くさいわね

北 紗友里

え、でも、なんで……

一ノ瀬 咲

都合が悪いんでしょ、そいつにとって。主の実の能力を知らされるのが

北 紗友里

なる……ほど

北 紗友里

……話の流れ的に、茶髪……じゃなくて、アリカ、の仕業か?

一ノ瀬 咲

茶髪だったら自分からここに登場してるわよ

一ノ瀬 咲

茶髪を守りたい誰かね……

北 紗友里

……そんな奴、ここに住んでる奴ら全員だろ

一ノ瀬 咲

いいや、その中でも茶髪を守りたそうな奴よ

一ノ瀬 咲

ここに住んでいる、奴

一ノ瀬 咲

住まわせてもらってる側も守りたいんだろうけど、より守りたい奴ってのは

一ノ瀬 咲

一ノ瀬 咲

赤髪と、金髪のどっちかかしら

北 紗友里

だ、だとしても、赤髪は天候操作、金髪は光操作能力だろ?!

北 紗友里

ならなんでこいつの呼吸を止めれんだよ……

一ノ瀬 咲

“見た目だけじゃ分からないもの能力もある”。……そうよ

北 紗友里

……はぁ?

一ノ瀬 咲

ねぇ、ここに監視カメラとかある?

2人は天井などの辺りを見渡す

見渡すも、監視カメラや隠しカメラなどはなかった

一ノ瀬 咲

……これは赤髪、金髪のどちらかの仕業ではない

北 紗友里

……は?

一ノ瀬 咲

2人で協力して、こいつの呼吸を止めたのよ。能力を使って協力よ

北 紗友里

……嘘…

一ノ瀬 咲

だから、どちらかは監視能力。どちらかは呼吸を止めれる能力って感じかしら

北 紗友里

えっげつねぇ……能力……じゃん……

一ノ瀬 咲

だから、今も、もしかしたら今までも、ずっと、見られてたのかもしれない

北 紗友里

やっ……ばぁ

一ノ瀬 咲

あくまで憶測なのだけれど、もし、これが本当ならば、こんな堂々と話なんてできないわね

北 紗友里

だな……

一ノ瀬 咲

とりあえず、次に向かいましょうか

北 紗友里

おう!

2人がロビーを出て廊下に向かおうとした瞬間、2人の背後に人が1人現れた

気配で分かったのか、北は振り向き、それに続いて一ノ瀬も振り向いた

北 紗友里

うわ!

一ノ瀬 咲

……

赤髪

いやー、すごい妄想だね

一ノ瀬 咲

お褒めの言葉、どうも

赤髪

褒めたわけじゃないんだけどね。だって、合ってるわけじゃないし

北 紗友里

じゃあ、合ってない訳でもないんだ

赤髪

1部は、ね

一ノ瀬 咲

でも、あなたの行動、もう合ってると言ってるようなものよ

赤髪

……は?

一ノ瀬 咲

どうして私達がここにいると、分かったのかしら

赤髪

……

一ノ瀬 咲

そしてどうして、私達の話してた内容が分かったのかしら

北 紗友里

あぁ!

北 紗友里

確かになー!

赤髪

……あー、お前って賢いんだな、意外と

北 紗友里

はっはっは!いっちゃんはこう見えて賢いんだよ!

北 紗友里

話の内容聞いてて分からなかったかー?

赤髪

あー、確かにな。……めんどくせぇわ、やっぱ。さすが、あの娘って感じ

一ノ瀬 咲

……。……てことは、金髪が、呼吸を止めれるのね

北 紗友里

あの娘……?

一ノ瀬 咲

黙って

赤髪

やっぱ、賢くないかもね

一ノ瀬 咲

……ヒント、どうも

一ノ瀬 咲

行くよ

北 紗友里

え、あ、え?こいつ始末しなくていいのかよ!

一ノ瀬 咲

……最後のご馳走よ

一ノ瀬と北は赤髪に背を向けてロビーを出た。

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