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ぬし
ぬし
ぬし
ポケットの中に、ビー玉が五つ。
亮はときどきそれにさわる。
ビー玉は転がると、閉じ込められた色のかけらが代わる代わる現れて、あっという間に差し込む光にとけていく。
いま、むかし、いま、むかし。
亮の手の中で玉がふれ合い、カチカチ小さな音がする。
そのたびに亮はあのまちを思い出す。
亮が初めてビー玉と出会ったのは、放課後の学童クラブ。
指導員のおじさんが、遊び方を教えてくれた。
ビー玉は、模様も大きさいろいろ。
青みががった透明の玉、大理石みたいな白っぽい玉、赤や黄色のしま模様、閉じ込められた泡が光る玉…
亮の目は、小さなガラス玉に吸い寄せられた。
遊び方はいくつもあるけれど、単純。
自分の玉を相手の玉にぶつけ、ぶつかった玉を自分のものにして、数の多い方が勝ち。
亮
と、亮は思った。
亮
けれども、実際やってみると、ビー玉は亮の思いどうりには動いてくれなかった。
焦れば焦るほど、玉は勝手な方向に転がっていく。
おじさん
と、おじさんは笑った。
亮
亮はそれからおじさんの特訓を受け、腕を上げたが、少し上手になると直ぐに飽きた。
みんな下手すぎて、相手にならない。
亮
亮は直ぐにビー玉を忘れた。
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