テラーノベル
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「……一人、減ってる」 ぽつりと、誰かが言った。 「は?」 「昨日まで、全員いたよな」 「……いた」 空気が、少しだけ重くなる。 「じゃあ」 「誰がいない?」 名前が、出ない。 出せない。 「……おかしくない?」 視線が、 自然と、 周りをなぞる。 やなと。 らお。 ゆた。 だいきり。 にしき。 おさでい。 「……あれ」 違和感。 「……さっきまで、いたよな?」 誰に向けたのかも、 分からない言葉。 「でい〜」 いつも通りの声。 「……今それ言う?」 少しだけ、 笑いが混ざる。 でも、 誰も、 笑ってない。 「……なあ」 「本当に、全員いる?」 沈黙。 数秒。 その間に、 何かが、 ズレる。 「……数えればいいじゃん」 「……どうやって」 「だって」 「誰が足りないか、分かんないのに」 「……」 また、沈黙。 ふと、 視線が合う。 「……なに」 「いや、別に」 逸らされる。 「……ねえ」 「さっきさ」 「誰か、増えてなかった?」 「は?」 「いや、気のせいかもだけど」 その一言で、 空気が変わる。 「……増えてるって、何」 「……分かんない」 「でも」 「なんか、一人多い気がする」 息が、 少しだけ詰まる。 「……じゃあさ」 「今ここにいる中で」 「“最初からいたやつ”って、誰?」 誰も、 答えない。 答えられない。 「……ねえ」 「ほんとにさ」 「昨日まで、“この人数”だった?」 沈黙。 長い、沈黙。 その中で、 「でい〜」 また、 いつもの声。 「……なに」 「……なんでもない」 笑う。 いつも通りに。 それが、 一番、 おかしい。 「……なあ」 小さく、 誰かが呟く。 「……最初から」 一拍、 置いて。 「……一人、多かったんだよ」 その瞬間、 誰かが、 目を逸らした。
コメント
9件
たちばなくんが いないっ(´;ω;`)続き楽しみ!
続きわくわくー!
うわ、これめちゃくちゃ怖い……! "一人減ってる"ってところから始まって、途中で"一人多い"って反転する構成がすごく効いてる。会話の合間の「……」「一拍、置いて」みたいな間の取り方が、読んでるこっちの息も止める感じで。特に「でい〜」っていういつもの声だけが浮いてるのが不気味で、最後の"目を逸らした"で終わる余韻がたまらなかったです。続きが気になる…!
玲💚🍀 .🌳🩵
#らおくん