「会長!おはようございます!」
「横山さん、おはようございます」
私は偽りの生徒会長だ。
本当は、こんなことしたくない。
______けど、
「かーいちょっ!」
「…犬山さん、おはようございます。」
君は私がいないと精神不安定になるから、
「離れてください、」
私はやらなきゃいけないんだよ_
_家
冷蔵庫から取り出したのは、クリームたっぷりのチョコケーキ。
駅前の美味しいケーキ屋のケーキだ。
彼処のケーキは本当に美味しい。
このケーキが私の癒しだった。
「ん…、おいし、…」
私は悲劇のヒロインだ。
チョコケーキのような、ふわふわして、甘い恋なんてないんだ。
私は、悪者扱いされる、悪女でもない。
学校一可愛い、天然なヒロインでもない。
踏み台、奴隷の悲劇のヒロインなんだ。
_学校
「かいちょーー!おはよう!」
相変わらず、イケメンで人気の犬山さんが何も知らず話しかけてくる。
私はあなたの為に身を削って生きているというのに。
「おはようございます、」
もう、貴方の名前すら呼ぶのが辛いよ…
私は、貴方の奴隷、なのだから______
_帰り道
「かいちょーー!!!」
また、犬山さんが近寄ってくる。
他の女子からは、睨まれ、陰口を言われ…
でも、もう慣れたものだ。
「なんですか?」
私は何事もなかったかのように返す。
「…ちょっと来てください!」
元気がいい、はずなのに
少し、悲しそうな瞳だった。
少し、どこか、なにかが違う_
私は犬山さんに着いて行った。
_路地裏
「もう…っ、ダメだ…」
犬山さんは、路地裏に着くなり泣き出した。
「…なにがあったの…?」
「…、覚えて、ない、?」
赤く、腫れあがった目で君は見てくる。
この目は君が_
…
あれ、っ?
「_なんで…?」
なんで、君の泣き顔が記憶にあるの_?
「…ねぇ、もう、むりだよ…僕には、むりなんだよ…」
肩を揺さぶりながら、切ない声で言ってくる。
いや、
訴えかけてくる。
「…なにが、なんなの…?」
「……君は、ここの住人じゃ、ないんだよ…」
なん、なの…?
普通なら信じれない、そんな話が
「…うそ、」
今なら本当に思えてしまうんだ_
「どういう、ことなの…?」
恐る恐る聞いてみる。
「…ここは、ゲームの世界だよ…」
「_そして、君の役が_」
「悲劇のヒロイン」
本当に、どういうこと、なの_?
「もう、分からないよ_!」
「…君は、君は…」
「…まだ、ここに来ちゃダメなんだよ_!」
ねぇ、
なんで…?
「…あれ、」
私はなんで、消えかけてるの_?
「…さよなら…」
君は、伏せて私に言う。
「、…またね、」
こう言わないと、君ともう会えない気がして_
「…ばいばい」
そう言っても君は、同じ言葉を言わない。
きっと、もう、
「…さよなら、」
君には会えないんだね_
_
「…ん、」
「、!起きました!」
目が覚めたのは、真っ白な消毒液の匂いの部屋。
そして、隣には_
「…!」
「…」
少し、笑顔で泣いた跡の残る君が寝ていた。
機会はもう、音を発さず、君は寝ていた。
「もっと、老けてから来なよ。」
きっと、あそこはゲームの世界じゃないんだ。
君は_
私の幼馴染であり、私の初恋の人。
END
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れもんのこと好きなん?
ん?
もしかしてさ、