満月の夜に、月の下で出会った君は……

検査が終わった次の日

カーテンから漏れ出る朝日で

俺は目を覚ました

何故か心のどこかで寂しさを感じる

その理由は分からない

そんなか、何となく

テレビを付けた

📺、ーーー、

今日は満月らしい

綺麗な円の月が見える日

看護師さんが、朝食を持ってきてくれた

今日は洋食らしい

サラダのトマトを見ると何故か

俺の記憶がえぐられるように、

頭に痛みが走った

そして、俺の頭に何かが、

流れ込んできた

気分転換に、海に行こうと思ったけど、

さっきのことがあったから、

って言われた

だから俺は、今

こっそり病室を抜け出し、

海へ向かった

海は綺麗で、

水面が鏡のように、

綺麗な満月が映っていた

このまま…海に沈んでしまおうか…

と一瞬思った

その時、後ろから声が聞こえた

振り返ったその瞬間

俺の目に映ったのは

ひとりの幽霊だった

髪が緑と黄色のグラデーション、

背は俺より少しだけ低い

そう言って俺は、登ってくる朝日と君に

背を向けて

病室へ戻った