鬼の王が消滅し、 闇に包まれていた空が晴れ渡る。
葵は肩で息をしながら 剣を収めた。
葵
……終わった……?
静寂の中、 ふと気づく。
ーーー仲間たちの姿が、 まだそこにあった。
葵
お、お前たち……!
杏寿郎
ふっ、どうやら……俺たち
本当に戻ってこれたみたいだな!
本当に戻ってこれたみたいだな!
煉獄杏寿郎が力強く笑う。 その隣で、胡蝶しのぶや甘露寺蜜璃も 微笑んでいる。
真菰
……葵さんが、救ってくれたんですね
真菰が涙をこぼしながら微笑んだ。 葵はこみ上げる感情を抑えきれず叫んだ。
葵
良かった!!みんな、生きてる…!!
涙が次々と頬を伝う。 今度こそ、本当に……彼らを救えたのだ。 だが、その時ーーー
御館様
……この時代にいられる時間は限られている
静かに呟いたのは産屋敷耀哉だった。
葵
……え?
御館様
私たちは、過去の世界の存在……
このままでは、世界のバランスが崩れてしまう……
このままでは、世界のバランスが崩れてしまう……
葵の心がざわめいた。
葵
そんな……せっかく戻ってきたのに……!
無一郎
大丈夫
時透無一郎が静かに言った。
無一郎
僕たちが本当に生き返る道がある
葵
……生き返る……道?
時透有一郎が微笑む。
有一郎
そうさ。過去を変え、未来を紡ぐ……そのために、葵、君は”新たな時代”を歩むんだ
葵は唇を噛みしめた。 まだ、彼らを完全に救う方法があるというのかーーー?
葵
……わかった
葵は涙を拭い、前を向いた。
葵
私、やる!!
必ず、みんなを救う道を見つける!!
必ず、みんなを救う道を見つける!!
その瞬間ーーー 時が動き出した。
世界が光に包まれ、 葵の意識が遠のいていくーーー