青心情
今日学校へ行くと、いつもと空気が違っていた
ピリピリしていて、怖かった
そして、先生が入ってきて、平坦な声で言った
彼は自✘しちゃったんだって
ずっといじめられていた、彼は
名前だって、今知ったはずなのに
『桃くん』って、なんだか懐かしくて
自✘したって聞いた時は
胸が苦しくなって
辛くて、泣きたかった
……なく"権利"なんて無いのに
彼のいじめを止められなかった…止めなかったのに
今更泣いたってもう遅いんだって
"苦しんで"いた彼を見放して
"居なくなって"から、"失ってから"大切だったなんて
本当に自分勝手過ぎない?
気がついたら僕は
教室を飛び出していた
僕を呼ぶ声を無視して、走る
もういられない
こんな所には、居られない
家に帰ると、部屋にこもった
親がいないことに、初めて感謝した
何もしていないと、この気持ちに耐えられない気がして
意味もなく引き出しを開ける
そこには見慣れた勉強道具が入っていて
数秒間ぼんやりと見つめる
……?
ふとあるものに気がついて手に取る
大切そうにしまわれた箱
見慣れない箱
罪悪感や不安感は、いつの間にか好奇心に変わっていて
そっと箱を開ける
青
青へ 自分勝手な事言ってるのは分かってるけど 青に、┈┈な人に┈┈欲しくないから ……考え直して欲しい 1人で考え込まないで 俺の事┈┈┈よ 俺は┈┈┈青が大好きだよ
俺は青にずっと┈┈いて欲しいし ┈┈┈┈欲しくない だから、「生きてる価値ない」なんて言わないで ┈┈は┈┈┈┈欲しかったんだよね ┈┈┈┈あげられなくて、ごめんな どうしても┈┈┈なら 俺に止める┈┈┈なんて無いし ……もう、いいよ 今まで頑張ってきたよね お疲れ様
差出人の名前はなく、ここで手紙は終わっていた
気づいたら僕の頬を
涙が濡らしていた
青
なんで泣いているんだろう…
涙を止めようとするが、泣いたことに気づいたら
また涙が溢れてきて、乾くことなく濡らしていく
この手紙を貰った記憶もないし、誰から貰ったかなんて分からない
でも僕はこの人の事を『知っている』と
どこかで訴えかけている
所々濡れて滲んでいるのは
この手紙を書いた「誰か」が人知れず流した涙なのか
それとも、僕の、涙なのか
もう、なにも分からない
しばらく、ひたすらに泣いていた
青
目を擦りながら起き上がる
青
そうだ、ここは僕が通っていた小学校だ
少し歩くと、「3ー3」の教室があり、立ち止まる
懐かしいドアを開けると、そこには前と変わらない風景が広がっていた
遠い昔だと思っていた記憶を遡る
そういえば友達と沢山遊んだな…
そんなことを考えていると、いつの間にか男の子が2人いた
2人は楽しそうに話していた
僕なんか、見えていないかのように
青
そこまで言って気がついた
「もう一人の子」の名前が分からない
青
誰だっけ…
そう思っていると当たりが真っ白になった
青
思わず目を瞑る
そして、恐る恐る目を開けると
青
そこには沢山の人がいて
みんな笑っていた
青
でも、ぼくは……弱かった僕は仲間はずれにされていた
…だけど、1人だけ
助けてくれる人がいた
いつも守ってくれて
「仲間」って「友達」だって言ってくれて
でも、気付いたら彼が仲間はずれに……いじめられるようになっていた
助けてもらったのに
大切だったはずなのに
僕は見て見ぬふりをして、彼を助けなかった
彼の手を、取らなかった
これは遠い過去だって分かってるのに
後悔が押し寄せてきて
涙がこぼれ落ちる
まるで涙腺が壊れたかのように
声をあげて泣いた
そうだ、なんで今まで忘れていたんだろう
彼のことを
___『桃くん』の事を
彼を助けなかった僕を
それでも「友達」と言ってくれて
こんな弱い僕と一緒にいてくれて
心配してくれて
あぁ、そうだ
あの手紙をくれたのは桃くんだ
たしか、あの時
中1の事だった
僕はあの日、自✘しようとしていた
最後に手紙でも書こうと思って、ペンをとる
でも、何を書けばいいか分からず、数分悩んだ末 今の気持ちを書くことにした
『桃くんへ もう------なんだ…ごめんね ------な人を巻き込みたくないの だから、さ---のことは----生きて ------のせいで------あってからじゃ、---から
-----からじゃ---から -----からじゃ、---から ----になって 最期に、---を見せてくれて----- じゃあね』
こんな感じでいい…かな…!
書き終えると折りたたんで封筒に入れる
僕の名前は…書かなくてもいいよね…!
ポストに入れると、直ぐに帰ってきた
✘ぬ前の確認事項
ガスの元栓
戸締り…よし
もう、迷いなんて無かった
ロープを解けないようにきつく結ぶ
青
ピーンポーン
青
まぁ、出なくてもいっか
僕に関係なんて、ないんだから
ピーンポーン ピーンポーン
青
それも無視すると、乱暴にドアが叩かれた
まるで、なにか焦っているように
仕方なく玄関の方に行くことにした
今にもこじ開けられそうな勢いで叩かれているドアを見つめる
向こう側には誰がいるのだろう?
何がしたいのだろう?
そんなこと、僕には分からなかった
どれだけ待っても向こうの人は居なくならなくて
…もしかしたら、近所迷惑になっているかもしてない
そのせいで、誰かが来たらどうしよう?
…開けた方が…いい、のかな……?
いつもなら、そんな心配しなかったのに
もしかしから僕はどこかで
誰かに助けてもらいたかったのかもしてない
誰かに気づいてもらいたかったのかもしれない
小さく息を吐いて、決意を決める
ストッパーをかけると、震える手で鍵を開ける
それと同時にものすごい速さででドアが開く
その勢いで、ストッパーがガタンッと大きな音をあげる
青
青
青
僕は、思わず目を見開いた
ドアのうるさい音よりも
目の前に彼がいることの方が
驚きを隠せなかった
青
桃
そう言って彼は正面から思い切り抱きしめてきた
良かった……
その言葉を頭の中で繰り返す
そんなことを言って貰えて、僕は嬉しいのだろうか?
僕って単純だな、と我ながら呆れる
でも、それでも良かった
居なくなってしまいたかった
でも
それ以上に、彼が来てくれているということが
この上なく嬉しかった
桃
青
桃
少し息を荒らげながら、手紙らしき封筒を渡してくる
桃
青
僕の言葉も聞かずに、彼は踵を返して帰って行った
数秒間立ち尽くしていたが、はっと我に返って部屋に戻る
青
この時の手紙が
あの、手紙だった
「助けてあげられなくてごめん」
なんて、いつも助けて貰っていたのに
彼のせいで✘ねなくなった
✘のうとすると、いつも、彼の必死な姿が思い出されて
…彼のおかげで
✘ねなくなった
彼は僕のことをとめて、救ってくれたのに
僕は、止めることすら出来なかったのに…ッッ""
青
夢、だったんだ
あれは、全部
段々と頭が冴えてきて、ふと疑問が浮かぶ
なんで僕は彼を忘れていたんだろう
なんで彼が虐められていたんだろう
だって虐められていたのは
僕だったのに
なんで…だろう…
でも、そんなことよりも彼を止められなかったことの罪悪感の方がもっと大きくて
心を、僕の心を蝕んでいく
あぁ、もう、✘のう
あの日使わなかった…使えなかったロープを手に取る
もう、何もかもが無意味に思えて
さようなら
意味の無い、価値のない僕
さようなら
冷たかった、この世界
ある流星群の日
1人で空を見上げて、こう呟いていた
青
コメント
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青くん!?ダメだよ!!桃くんも天国で悲しむよ、、、😭