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-高校恋愛物語-

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2022年06月22日

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隼人

なあ

明莉

何?

隼人

俺らって幼馴染みなんだよな?

明莉

逆にそれ以外の関係なんて無いでしょw

目の前の少女 明莉はそう言って笑った 彼女とは小学生以来の友人で今でも仲が良い 俺たちの親もとても仲が良い

隼人

よかった安心したわ

明莉

…?

明莉

何かあったの?

隼人

いや

隼人

気にしないでくれ

昨日友人からメールが来た お前ら実は付き合っているんだろうという旨のしょうもないメールだった

さっきも言った通り俺たちはただの幼馴染みだ 親友以上恋人未満の関係 これ以上後退することもなければ発展することもない

隼人

そういやさ

明莉

隼人

今日の小テストの範囲ってなんだっけ

明莉

あんた…今日のはとびきり難しいよ?

明莉

今から言って間に合うの?

隼人

聞いておくだけ聞いておきたいんだよ
数分で対策できるし

隼人

よしんば取れなくても赤点にはならないし

明莉

かー!これだから天才は!

明莉

仕方ない
その耳穴かっぽじって聞くんだぞ!

俺たちはそんな会話をしながら学校へと向かっていった

明莉

はぁ…なんで進展が無いのかな

明莉

友達にお願いして言ってもらったはずなのに

私は明莉 何もかもが普通の女子高生だ 他者より優れているところがあるとすれば交友関係だけだろう

明莉

くそぉ…あいつ本当に鈍いんだから…勉強はできるのに…

あいつとは隼人…今朝一緒に登校した幼馴染みだ 隼人と出会ったのは小学生の時だったが今でも友人関係が続くくらいには仲が良い

しかし最近隼人に対して変な感情が芽生えた 愛情である

勿論庇護欲とか母性を刺激されたわけでは断じてない むしろこちらが守られる側である

勿論恋愛感情である こんな感情を抱くとは思ってなかったし自分では気付かなかった ある日友人にからかわれた際に急に自覚をし始めたのである

明莉

…我ながら本当に突発的だなぁ

明莉

もっとこうロマンチックな感じになれば良いんだけどな…

一人で机に突っ伏しながら呟いた

晴樹

おっすおはよー

隼人

おおおはよう

晴樹

んでどうなんだ?お前の姫君は?

隼人

そんなわけ無いだろって一蹴されたよ

晴樹

おかしいな…確かにあいつから言ってくれって言われたんだが…

隼人

あいつって誰だよ

晴樹

う…いやお前なら大丈夫だな

晴樹

俺の彼女だよ
隣のクラスの優香

隼人

……お前に彼女????????????

晴樹

なんだお前その間は!
俺だって意外にもてるんだぞこれでも!

まさかこいつに彼女がいたなんて…

こいつは晴樹 俺の友人だ 話が合うからいつの間にか友人になっていた感じだ

隼人

しかしお前が彼女かぁ…あり得んわ

晴樹

そろそろ泣くぞお前!?

それでひとしきり笑った後に先生が来たから話を打ち止めて授業に集中した…出来るわけがなかった 告白しよう 俺は明莉の事が好きだ

残念ながら自分で気付くなんてロマンチックなことはなかったが きっかけは目の前に座ってる晴樹だ ある日帰りにジ○ンプを買いに一緒にコンビニに行っているときに明莉が来た

どうやらその時にやたらと嬉しそうな顔をしていたのか分からないが明莉がコンビニを出た後に後ろから晴樹がニヤニヤしながら近付いてきた

晴樹

お幸せそうですねぇ!

隼人

なんだお前

晴樹

正直に言えよ
明莉ちゃんのこと好きなんだろ!

隼人

違うわ
誰があんなちんちくりん好きになるかよ
最近髪の毛も切ったらしいし俺の好きな髪型じゃないし

晴樹

…え?明莉ちゃん髪切ってたの?
全く分からなかったんだが…

隼人

は?

晴樹

え?

とまあこんな感じだ

そんなことがあってからはどうも明莉の仕草とか芳香剤の香りとか髪型とか把握してる自分がいると気付いた 勿論さんざん晴樹にからかわれた

そのときは特に何も思わなかったが翌日明莉と一緒に登校してると、その日のことが頭からはなれずいつも以上に明莉を意識していた

それのせいで最近俺は自分を責め続けている 友人だと思っていたし今までそのように接してきた だけどいきなり彼女に対する見方を変えた自分に嫌気が差してしまうのだ

ただの友人なんだ それ以上じゃない 相手もきっとそうだろう 信頼を裏切ったのかもしれない そんな考えがずっと頭にめぐっていた

それでも明莉と話すとその気持ちが全部吹き飛んでとても楽しい気持ちになる 一緒に話す時…陳腐な日常の中にある幸せな時間…そんな時を待ち遠しく思ってる自分がいた

隼人

こんな感情要らねぇんだよ

そう小声で呟いた

午前午後の授業が全て終わり終業のチャイムがなった 俺たちのクラスは担任がズボラなお陰で就業のチャイムがなる前に帰れるため俺は明莉が来るまで校門で待っている

隼人

…あいつなんか今日遅くね?

隼人

言うていつもこの時間には校門に来てるだろ

脳裏で嫌な記憶を思い出した

明莉が最近嫌がらせの対象になってしまったと本人から告白された記憶だ そのときは本人は笑いながら話していた でも…でももし俺が気付けていないだけだったら?本当は深刻な事態に陥ってるんじゃないか?

そんな考えが脳裏をよぎった瞬間、気付けば俺は校舎に向かって走り出していた

隼人

っはぁ…っはぁ…

隼人

すみません!
明莉見てませんか?

クラスの女子

明莉ちゃんならさっき乙葉達と一緒にどこかに行っていたけど…

隼人

ありがとうございます!

乙葉…最悪だ あいつは校内でも性悪と有名な女子で、いじめ等に必ずといって良いほど関わっている人物だ そんなやつと一緒にいるなんて…まさか そう考えると胸が締め付けられた

隼人

クソが…!

場所は大体想像が付く 乙葉のグループがよくたむろしてるのは校舎裏だ そこへ俺は全速力で走っていった 道中先生が俺を呼び止める声が聞こえた気がしたがそんなのは気にせず最速で校舎裏に走っていった

隼人

…ここか

校舎裏に着いた 奥から話し声…いやらしい笑い声が聞こえる

乙葉

ギャハハハハハ!

乙葉

みっともない姿さらしてんじゃねぇよ!

どうやら予想は的中していたようだ しかもより最悪な方向に

乙葉

あんたなんかに隼人くんがなびくわけがないっちゅうの!
隼人くんはあたしが狙ってるんだから

明莉はずぶ濡れだった 全身水浸し 目に光はなくテディベアのように力無く座っていた

隼人

…ッ

それを見た瞬間俺は走り出していた

隼人

なにしてんだお前ッッ!

いつの間にか乙葉に向かって拳が出ていた 俺の拳は乙葉の頬にクリーンヒット 乙葉は1メートルばかし吹き飛ばされた

殴られた乙葉は状況が飲み込めないかのように回りを見回したあとこちらの存在を認識した

乙葉

…隼人くん…?なんでここに?

隼人

明莉が来ないからおかしいと思った
お前のせいだったんだな

乙葉

な…私はなにも…明莉が私を…!

隼人

ごまかしきくわけねぇだろうが!
見てたんだよこの目でなぁ!

隼人

俺の好きな人は明莉なんだ
お前みたいな性悪女じゃねぇんだよ!

乙葉

…ひどい

そう言うと乙葉は立ち上がりよろけながら去っていった

俺はすぐさま明莉に駆け寄った

隼人

おい明莉!大丈夫か!?
意識はあるか!?

明莉

…隼人…

明莉

せっかく良いところだったのに…

よく見ると彼女の手にはボイスレコーダーが握られていた

明莉

この作戦考え付くの大変だったんだよ…?

明莉

でもうまく言ったと思ったら隼人が割り込んできて…ほんとになんで昔から肝心なときに割り来ん出来ちゃうのかな…

明莉

でも…怖かった…怖かったよぉ

隼人

…そうだよな…気付けなくてごめんな

俺は震える明莉の肩を抱き寄せた こんな感じでハグするのはいつぶりだろうか いつの間にこんなに小さく感じるようになったのだろうか でも今はそんな野暮なことを考えるべきじゃない 今は彼女の苦しみを正面から受け止める時だ

その後明莉が泣き止んだあと彼女の家までつれていき、事情説明をしようと思っていたが明莉が「自分で話せる」と言ったためその日は家に帰った

そして翌日 乙葉が諸事情により学校を止めると担任からお知らせがあった 噂によると昨日のボイスレコーダーが鍵となり他の生徒にしていたいじめも露見し退学に追い込まれたそうだ

晴樹

あいつ退学したのか
申し訳ないがせいせいするな

隼人

…本当だな

不思議なことに俺は昨日の件でおとがめ無しだった 明莉が秘密にしてくれていたのか先生がかばってくれたかは分からないが幸いだった

明莉

お疲れ~

隼人

ういお疲れ

隼人

…意外に平気そうなんだな

明莉

そんなことでへこたれはしないよ!
あたしは強いからね!

隼人

昨日あんなけ泣いてたやつがよく言うわ

明莉

むぅ…

隼人

…まあ怪我がなかったようで本当によかったよ

隼人

これで怪我があったなんてなったら顔向け出来なくなるからな

明莉

ふふっ

明莉

気にしすぎだよ~

そんなことを話しながら俺たちは帰路についた 道中なぜか昔の話をした 始めての出会いと今までの事 所々思い出せないところがあったもののそれらは全て向こう側が覚えていた

明莉

懐かしいね

明莉

私たちがであってからもう11年だよ

隼人

時の流れは早いな…
このまま年老いてしわくちゃになっちまうかもだぜ?

明莉

またそんなこと言って…
ロマンチックさが足りないよ!

などと駄弁りながら私たちは帰り道の途中にある公園の前を横切った ここは俺たちは最初にであった公園だ

明莉

ちょっとここの公園に行かない?

隼人

明日暇だし良いぞ

明莉

やったー!
久しぶりだね!

隼人

本当だな

そこから俺たちは1時間ほどブランコに乗ったりジャングルジムに登ったりしていた 子供の時を思い出すひとときだった

そして遊んだあとベンチで休憩しているときに俺はあることを明莉に向かって言った

隼人

明莉

明莉

ん?

風のなびく音が響いた 公園に植えられたマーガレットがゆらゆらと揺れる 木の葉が舞い俺たちの姿を隠す

5時を告げる時報が何処からか聞こえてきた

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