テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
私の世界にあるものは……
もの言わない星空に、遠くに見える都会の煌めき。
髪を撫でる冷たい夜風に、籠に囚われた鳥のさえずり。
変わり映えのないすべてが、
私の心を虚しくさせる。
このままひとりで生きていくんだ。
そう思っていた私の目の前に__。
__突然、キミは現れた 。
鳥籠の扉をこじ開けて
不敵に浮かべながら、私に手を差し伸べる。
「ここから連れ出してやる」
その背に浮かぶ月。
その瞳に映る強さ。
キミなら私をどこか遠い……
まだ見ぬ世界へと連れ去ってくれるって。
そう思えたんだ__。