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私が一番好きな時間
その時間は
ピアノを弾いてる時間。
いろんなメロディをいつも弾いている。
拓海
ピアノの音、綺麗！
夏帆
…へ？
夏帆
(急に誰…!？)
拓海
あー！俺のこと知らない！？
夏帆
(最初からため口…)
夏帆
知りま、せん…
拓海
そっかー！
拓海
俺は、拓海だよ！よろしくね！
夏帆
拓海、さん…
拓海
でさでさ！今の音、めっちゃ綺麗だったよ！
拓海
でも、聞いたことないメロディっていうか…なんだろ！
夏帆
あー…今私が弾いてた曲は、私が作った曲なんです。
拓海
え！君が作ったの！？すごい！
夏帆
いえ…
拓海
他にも作った曲あるの！？
夏帆
5曲くらい…なら…
拓海
5曲！？すごい！
拓海
いつもここで弾いてるの？
夏帆
(馴れ馴れしい人だな…)
夏帆
はい…
拓海
俺も、ピアノは弾くよ！
拓海
曲を作ったりはできないけど…!!
夏帆
そうなんですね。
拓海
うん！
拓海
あ、部活だから行くね！
夏帆
あ、はい…
拓海
また、ね！
夏帆
…………
拓海さんは去っていった。
夏帆
(もしかして…また来んの！？)
夏帆
(…なぜか嫌な気はしない、けど…)
そう思いながら、私はまたピアノを弾き始めた。
夏帆
ただいまー
弟
お姉ちゃん！おかえり！
夏帆
あ、悠太、もう帰ってたの？
弟
うん！
夏帆
お母さんは？
弟
今さっき買い物に行ったよ！
夏帆
OK
妹１
あ、ねいね！
夏帆
璃子！
妹2
今日、早かったね！
夏帆
結花！
夏帆
うん、今日は早く終わったの。
弟
俺、今から友達と遊びに行くから！
夏帆
え、お母さんに言ったの？
弟
うん！じゃあ、行ってきまーす！
夏帆
早く帰ってくるんだよー！
妹１
ねいねねいね！本読んで～
夏帆
んー？どの本？
妹１
これ！
夏帆
「人魚姫」だね。
妹１
人魚姫？
妹2
少し悲しいお話だよ！
妹１
へー！
夏帆
うん！読もっか？
妹１
うん！
お母さん
ただいま～
夏帆
あ、お母さん！
夏帆
おかえり！
妹１
まま！
妹2
おかえりー！
お母さん
あ、夏帆、勉強しなくていいの？
夏帆
あー…しないとだね。でも…璃子が…
妹１
本、読んでくれないの…？
お母さん
璃子。ママが読むよ。人魚姫を読んでほしいの？
妹１
うん！読んで読んで～！
夏帆
お母さん、ありがとう。
お母さん
ううん。
夏帆
よしっ
夏帆
勉強始めよーっと
次の日
ひまり
夏帆！おはよう！
夏帆
ひま！おはようー！
ひまり
テスト勉強どう？
夏帆
んー…まぁまぁかな！
ひまり
そっかー！今回、範囲広いもんね～
ひまり
私苦戦中
夏帆
だよねー！
ひまり
あ、今日勉強会しない！？
夏帆
勉強会？
ひまり
うん！苦手なとこ教えあおうよ！
夏帆
いいね！
夏帆
どこでやるー？
ひまり
図書館！
夏帆
OK！
拓海
ねーねー！俺も入っていーい？
夏帆
わ！
ひまり
え、拓海！？
ひまり
急に現れないでよーｗｗ
拓海
すまんすまんｗｗ
夏帆
えっと…二人、知り合い？
拓海
幼馴染！
ひまり
うん！
夏帆
え！そうだったんだ！
ひまり
拓海、夏帆と知り合いだったの？
拓海
あー…
拓海
昨日知り合った感じかな？
夏帆
あ、はい。そうですね・・・！！
ひまり
夏帆、拓海もいていい？
夏帆
え、あ、うん！もちろん！
拓海
おっしゃー！俺も勉強ヤバかったんだよなー！
夏帆
そうなんですね…!!
ひまり
あ、夏帆。拓海に敬語使わなくていいよ。
拓海
ああ、確かに！
夏帆
あ、分かった…!!
ひまり
じゃ。拓海。
拓海
おう！放課後な！
夏帆
りょーかい！(｀･ω･´)ゞ
放課後
夏帆
(二人ともまだ来てないな)
ひまり
あ！夏帆！
夏帆
ひま！やっほー！
ひまり
やほやほ
ひまり
拓海、まだっぽいね。
夏帆
あー…そうだね！先に勉強しとく？
ひまり
………夏帆。
夏帆
ん？
ひまり
拓海のこと…本当に知らないの？
夏帆
…え？拓海さん？
夏帆
昨日初めましてだったけど…？
ひまり
……そっか。
夏帆
何かあったの？
ひまり
拓海…は、
ひまり
夏帆の彼氏だったの。
夏帆
え？拓海さんが？
ひまり
うん…
夏帆
どういうこ…ーー
拓海
ひまり。
ひまり
っ……拓海。ごめん、つい…
拓海
夏帆、今の話は気にしないでいいから。
夏帆
…………
夏帆
教えてください。
拓海
…………
拓海
思い出したことがどんなにつらいことでもいいの？
夏帆
つらい、こと？？
拓海
うん。
夏帆
………………
夏帆
大丈夫です。教えてください。
拓海
…夏帆は、
拓海
記憶障害なんだ。
夏帆
記憶、障害…？
ひまり
拓海……
拓海
うん。その…記憶障害になる前の俺と夏帆の関係は
拓海
カップル、だったんだ。
夏帆
カップ、ル？
拓海
うん…
夏帆
そう、だったんだ…
ひまり
やっぱり、覚えて、ない…？
夏帆
……………
夏帆
うん
夏帆
ごめん。
拓海
ううん。誤らなくていいよ。
拓海
俺も…あの時、守れなくてごめん…
夏帆
……………
拓海さんは、すごく寂しそうな悲しい顔をした。
私もなぜか泣きそうになる。
拓海さんが、私のことをまだ思ってくれてるって感じて。
拓海
夏帆。ばいばい。
そう言って拓海さんは去っていった。
どうすればいいの？
何か言ったほうがいいの？
どうしよどうしよ…
「大丈夫。」
急に、心に響いた。
誰かの声が
「夏帆、大好きだよ。」
夏帆
拓海…の声！
どんどん記憶がよみがえる
拓海との、青い思い出が…ーー
夏帆
拓海っ！
夏帆
また、付き合ってくださいっ！
拓海は振り返った。
そして、昔言ったみたいに言った。
「夏帆、大好きだよ。」
って。
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