記憶を残せない彼は

hyg side すぐ戻ると近くのコンビニにトイレに行ったあいつ

あいつが走ってって姿がちょうど見えなくなったのとほぼ同時に

激しい衝突音が耳に届くのと同時に変な胸騒ぎがした

俺はすっごい怖かった

いつもスマホ見ながら歩いて、不意に車道に出ちゃうこともあるし、前を見てないことも多々ある

だから、今度こそがあってもおかしくないのは確かだ。

それでも、やまとじゃないことを祈り音の方へ走った。

otb side

衝突音がしたところに着くと、派手に横転したトラック。 その下敷きになっている体の近くには、見覚えのあるぐちゃぐちゃになったサングラスと、スマホが落ちていた

それを見たひゅうがはその場に崩れ落ちた。

hyg side

俺は場所に着いて目の前に拡がった光景が嫌でも目に焼き付いた。 昔から常に一緒で飽きるぐらい隣にいて、大人になって、その関係が恋人になって、毎日が幸せに溢れていたのに。

目の前に見えているのは横転したトラックとその下に挟まれたやまとの下半身。

上半身とムカつくほどかっこいい顔はきっと、車体の下。

俺はその受け入れ難い事実に泪がグッと込み上げその場に崩れ落ち泣いた。

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