『知りたいのは、君の気持ち。』

背伸びをして、一息つく。

そういえば、さとみくんは外行ってるんだっけ？

そう呟いて、Twitterを開く。

すると、莉犬くんが新しくツイートしていた。

『りいぬと映画見てくる。』

『久しぶりのデートだねって言ったら、そうだねって笑顔で返ってきました。』

『さとりーぬは今日も仲良し。』

『きもっ』

『はいはい、もう早く行ってよ。』

『僕忙しいんだって。』

ー数時間後ー

そう言いきった時、何となく泣きそうになった。

だって、僕、ほんとは嫉妬してる。

文句だって言いたいし、対抗ツイートもしようとしてた。

…それって、面倒くさいのかな。

自分の気持ち隠してた方が、上手くいくのかな。

きっと、これじゃダメだったんだ。

嘘だって、演技だってバレないようにしなきゃ。

もっと、完璧になんないと。

そうだ、さとみくんの前で、もう泣かないようにしよう。

弱音も言わずに、いつも笑顔で接するの。

そしたら、戻ってきてくれるかな。

別れようなんて言われないかな。

怒られたり、しないかな。

LINE

さっきのは、ウザかったみたいだし。

そもそも、喧嘩中に我儘言うのって最悪じゃない？

やっぱり僕、無理かも…

適当にカップ麺を取って、お湯をそそぐ。

そのままキッチンでぼーっとしていたら、お腹がなった。

カップ麺を持ち、歩き出す。

その時だった。

盛大につまづいた上に、お湯がこぼれた。

熱いお湯が自分にかかっていて、ヒリヒリする。

体は痛いし、火傷したし、さとみくんに怒られてるし。

もう、嫌だ。

疲れた。

なんでこんな目にあうの？

ドタドタドタ…ッ

肩で息をしながら、僕の心配をしてくれる。

怒ってたはずなのに。

今だって、きっと怒っているのに。

走って来てくれた。

滅多に怒らないさとみくんが、怒鳴ってたくらいだもん。

相当怒ってたんだろうな…

ほんとのほんとに平気だったから、言ったのに…

な、なんだ、この空気…

きまづい…けど…

怪我してるし、心配してもらってるし、甘えるなら今なのか…？

『僕…可愛い？みたいな！！』

『さとみくんは喜ぶと思うなぁ‪w』

い、言うなら…今な気がする。

いや、でも…この言葉は、可愛い子が言うから可愛いのであって…！

僕が思っていたより、僕はさとみくんに愛されてるみたいです。

ーENDー