「なつ」の奇跡

一言も喋らない、

雨に濡れていたなつは

3年前と変わらない

なにも…

しかし、俺の中には違和感があった

俺は混乱していた

しばらくの沈黙のあとなつは口を開いた

何が何だかわからなかった

でも、なつは嘘をつかないから

だから、

俺はそれしかできないから

なにを…

なにを言ってるんだろうか、、

わからない…

わからないけど、

今はなにが正解か分からないけど

なつが泣いてるから…

なつが苦しんでるから

助けてあげないと…

泣いていい

声にもならないような

悲痛な心からの叫び声

その夜なつは泣き続けた

俺はひたすらなつを抱きしめた

朝

なつは本当にいつもと変わらなかった

変わらなすぎた

3年もの月日が経っているというのに

3年前と全く同じだった

4んでもどってくる…

そんなことが、

そんなことが起きてしまうのか…？

ファンタジーでもなんでもない

この現実世界で…

なぜ3年もたった今俺に会いにきたのか

なにか理由があるのだろうか、、

3年前

未練はない…そういいきれなかった

親友のいるま

いるまだけが気がかりだった

助けて

この一言がいえたらどれだけ楽だったか

この一言をお前に言えたら、どれだけ…