鳴 海
行儀が悪いぞ、鈴
鈴
....
私は黙って咀嚼した。
その横で鳴海は保科にジト目を向ける。
鳴 海
おい、何も説明してないのか
保 科
ちゃんと言ったで?
保 科
「今日からキミはここで暮らす」って
鳴 海
それだけで分かるかよ
保 科
えぇ、分からへんか?
鳴 海
分からねぇわ!
鳴 海
ちゃんと説明してやれ
保 科
......はぁ、分かったわ
保科は短くため息を吐くと、私に向き直る。
保 科
鈴、
保 科
薄々気が付いてるとは思うんけど
保 科
キミは僕達に監禁されてるんや♡
鈴
......
監禁.....
鳴 海
目的はお前と暮らす事だ
鳴 海
もちろん幸せにな♡
鳴海が機嫌良さそうに付け加える。
鈴
.......
いや二人とも怖すぎるって....
保 科
君が一番知りたいのは
保 科
なんでこんな事するのかって理由やろ?
鈴
!.....
保 科
けど、
保 科
それはまだ詳しく言えない
鈴
ッ......
なんで.....
保 科
でも、あえて言うなら
保 科
僕らが君の事を好きだからや
保 科
だから君は身の安全について心配する必要は無い
保 科
それだけは信じてくれ
私を見据える保科の目は澄んでいて、
嘘を言っている様には見えなかった。
我ながらお人好しだとは思うが、
私はその言葉を信じる事にした。
こうなってしまった以上簡単には逃げ出せそうに無いし、
かと言って男性二人に暴力的な手段に出るほど、
私は激しい気持ちの持ち主では無い。
" この二人が私のことを好き "
と言われた事に対して満更でもない気持ちになってしまったのも事実。
私は、少しだけこの状況に身を預ける事にしようと思う。
鈴
(どうせすぐ飽きると思うけど...)
私はパンケーキを咀嚼し終えると、
観念したかの様に口を開いた。
鈴
......分かったよ
鈴
無駄な抵抗はしない
保 科
!
鳴 海
!
鈴
けどその代わり....
二人 「「その代わり.....?」」
鈴
例えあなた達二人が私の事を好きだとしても
鈴
監禁したとしても
鈴
絶対好意的には持たないから
保 科
!
鳴 海
......なるほど
鈴
それと
二人 「「?」」
鈴
いい加減、私の上からどいてよ!?
保 科
えっ
保 科
あ、ごめんごめ〜ん(笑)
こうして、
奇妙でちょっぴり刺激的な監禁生活が幕を開けたのだった。
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