桃
おいおきろ
橙
…
橙
えと寝てた?
桃
ぐっすり
先程といた場所と違う場所にいる
ドアの視界に入らないところ
もしかしてバレないように移動した?
桃
お前もう平気なん?
橙
多分もう平気
桃
そ
橙
ありがとね
桃
ん
あれなんか塩対応
いや元々塩対応と言うか雑に扱われてると言うか
まぁ教師と見られてない態度でしたけど
なんかいきなり変わった?
桃
お前さ
橙
なに?
桃
家族とかいんの?
橙
…
橙
へ?
橙
どゆこと?
桃
まぁ気になっただけ
桃
俺の家族関係は父2人の兄弟なし
橙
お父さんが2人?
桃
まぁ実の父が1人と死んだ母さんの兄だな
桃
2人が今は家族になってる
橙
愛人?
桃
ん〜…
桃
まぁそゆこと
橙
それがどうしたの?
桃
俺が話したんだからお前も話せ
橙
えと…
橙
親とは血が繋がってなくて兄弟はいないよ
橙
引き取られたの
橙
養子だね
桃
どうして親と離れたんだ?
橙
んと
橙
なんでだろうね
桃
わかんねぇの?
橙
えと…
橙
離脱性障がいって知ってる?
桃
自己防衛の為に自己同一性を失うとかだっけ
桃
自分が誰だかわかんなくなったり?
橙
確かにそれもあるよ
橙
けどこれにはまぁまぁ種類があって
橙
離脱性混迷とか離脱性とん走、解離性健忘がある
橙
その中の解離性健忘ってやつなの
桃
それってどう言う?
橙
ストレスを感じ続けると記憶が消えちゃう
橙
軽い事はすぐに思い出せるよ
橙
忘れてすぐに言ってくれても思い出せれるよ
橙
まぁ思い出せれるのは個人差があって俺まだ軽い方
桃
それで離れた理由が分からないと…
橙
そゆこと
橙
今のなんか教師らしくなかった?
桃
いや特にそうは思わなかった
橙
ショック
桃
お〜記憶飛んだか?
橙
いやあるよ
桃
それじゃあ質問
橙
やけに質問されっぱだなぁ…
桃
紫さんと会ってどう思った?
橙
紫さん?
橙
いい人だな〜とか人見知りなのかな〜って
橙
それくらいしかまだ分からないよ
橙
初対面だし
桃
そか
橙
てかそろそろ下校時刻すぎちゃわない?
桃
落ち着けもうとっくに過ぎてるから
橙
えっ帰んなきゃじゃん!
桃
まぁお前といるからセーフ
桃
てか今時下校時刻のある高校は珍しい
桃
残させろ!
橙
ここの生徒は素行が悪いからね…
桃
生徒ショック
橙
まぁ早く帰んなさい
桃
へいへい
桃
まぁ先帰っといて
橙
ダメだよちゃんと見送らないと
橙
それに桃くんの事だし学校に残ってそう
桃
俺の印象悪いな
橙
悪くもないよ
橙
良くもないけど
桃
一言多い
桃
はぁ…
桃
紫ちゃん職員室にスマホ忘れてるから取りにって行ってきて
橙
えとまずなんで知ってるの?
桃
ストーカーだから
橙
え…
桃
嘘だよ
橙
なんだ…
橙
じゃあ持ってくれば良いの?
桃
待ってるぞ〜
橙
はーい
桃
出てくれば?
桃
もう橙はいないぞ
紫
知ってるし
紫は教壇の後ろから出てきた
桃
わぁ凄いツンツンしてる
桃
穏やかな紫ちゃんは何処へ
紫
2人しかいないのに優しくする必要がない
桃
俺一様生徒だけ
紫は桃がいい切る前に首を掴み壁へと押し当てた
押し当てたと同時に桃の苦しそうな声を吐露した
紫
あんまり橙くんについて詮索しないで
紫
あの頭痛はお前らが考えてるより辛いんだぞ
桃
病気だからっ…?
強く首を掴んでいるのか桃の声は掠れている
紫
記憶が無くなるまで頭殴ってみる?
桃
ごめんだから離して…
紫
…
紫は桃を離し距離を取った
桃
あ〜苦しかった…
桃
てかこれ訴えたら勝てるんじゃね?
桃
あ〜これは校長や警察に言うしかない
紫
報告したければすればいい
紫
俺も報告するだけだから
桃
それは困るなぁ
桃
あ〜これだから過保護は嫌いなんだよ
紫
じゃあ嫌えば良いじゃん
桃
なんでだろうね?