ーガチャッー
玄関のドアが開く音。
濱家
濱家
ビニール袋を持った背の高い男性が入ってきた。 私を見ると、すぐに挨拶してくれた。
濱家
こんばんは笑
濱家
その後ろから次々と男性が顔を覗かせる
山内
山内
面白そうな人だな…
ノブ
ノブ
この人は優しそう…うん、絶対優しい。 みんなこの家の人なのだろうか。
山内
ノブ
ごめんね〜もえちゃん笑
ノブ
よろしくね!
ボケとツッコミのテンポが心地よくて、 思わず笑ってしまう。
大悟
大悟の声がした いつの間にか大悟も外に出ていたようだ
ノブ
何も持ってないやん。まともな奴おらんの?なにここ
そうつっこまれると歯を見せて笑う大悟 こんなに楽しそうな顔もするんだな
もえ
もえ
ノブ
ノブでいいよ!
もえ
もえ
何だろうこの安心感
濱家
濱家さんが腕まくりをしながら尋ねる。
もえ
濱家
大悟
大悟のテンションが明らかにさっきまでと違う。
大悟とノブ、濱家、山内はすごく仲が良さそうに見えた。
もえ
もえ
私も買い出しお手伝いした方が良かったですよね。
あのとき大悟が寝室から急ぎ足で出て行ってしまったのは、 私とこの家の人たち全員で食べる夕食を買いに行くためだったのだ。
大悟
大悟
そう言って私の二の腕を揉む大悟。
ノブ
すかさずツッコミを入れるノブ。
大悟
大悟
じっと私の目を見つめてくる大悟。
もえ
山内
山内
茶化すように笑う山内。
大悟
またそれ。 …でも今回はボケのときのトーンじゃない。私の目から視線を外さないまま、 口角も上げずにハッキリそう言ったのだ
ーガチャッー
玄関のドアが再び開いた そこにはコートを着た川島の姿があった
川島
独断と偏見によりますんで笑
川島
キッチンで向かい合う大悟と私を見て、何かを察したようだ。
もえ
もえ
遅くなっちゃいますよ?
沈黙が怖くなって無理やり話題を変えた
ノブはどうしてこういう大事なときに限ってつっこんでくれないのだ
大悟の口角が少し上がった
川島の視線は大悟にあった
川島
そう言うとコートも脱がないまま、 2階へ上がってしまった。
もえ
ごめんなさい、怒ってますか
慌てて後を追い2階に駆け上がる。
もえ
大悟
もえ
川島さん…
大悟
怒鳴られ、ものすごい力で手を引かれた
川島は振り向くことなく部屋に戻ってしまった。
大悟
もえ
手を離そうとしても離してくれない
ノブ
もえ
大悟
大悟
山内
濱家
ノブ
もえちゃん、後でね
3人はリビングに行ってしまった。
大悟と2人きりの空間。
大悟
もえ
大悟
もえ
大悟
もえ
大悟
もえ
大悟
もえ
大悟
大悟でええよ
大悟
もえ
大悟
大悟
もえ
何これ、馬鹿にされてる?
大悟
大悟
指切りをした。その手はとても温かかった。