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1番古い記憶

由希(ゆき)

ま〜〜ま〜〜〜〜!

まま

はーい!どうしたのー?

由希(ゆき)

きょーは、ほんとに『さんたさん』がくるひなんだよね!?

まま

そうよー。今日はサンタさんがプレゼントを持ってきてくれるのよー。

由希(ゆき)

やったぁぁ!!!

わたしは、おもわずぴょんぴょんとじゃんぷする

ななせ ゆき ごさい

あしたは、『くりすます』っていうひらしいんだ

『さんたさん』ってひとが、なんでもくれるんだって!

由希(ゆき)

わたし、おにんぎょうがほしいんだぁ!

まま

よかったわね〜!

ぱぱ

由希はいい子だから、きっと届けてくれるよ

由希(ゆき)

うん!はやくさんたさんこないかなぁ〜!

まま

ふふ.....(* ´ ˘ ` *)

ままは、ほしのかたちのあざがあるみぎてで

わたしのあたまをやさしくなでてくれた

次の日の朝、プレゼントの袋を持って大喜びしたのをよく覚えている

毎年毎年、サンタはプレゼントを届けてくれた

欲しかったおもちゃ、欲しかった洋服

.......流石に子犬は断られたけど

小4にもなると、サンタなんて信じてはいなかったけど

クリスマスイブの夜、毎年2人で遠くのおもちゃ屋までプレゼントを取りに行ってくれてたって知って

すっごく.......嬉しかったんだ

毎年毎年、クリスマスの朝には枕元にプレゼントがあって...

.......だから...さ?

また....プレゼント.......ちょうだいよ.......

由希(ゆき)

ああああああああぁぁぁ..............!

私はひつぎの前で泣き崩れた

お母さん

.......もう寝た?

お父さん

..........あぁ。ぐっすりと。

お母さん

んじゃ、行こっ!

お父さん

はぁー.......買えてよかった.......

お母さん

予約しておいて良かったわね!d(˙꒳​˙* )

お母さん

さっ、早く帰りましょ!由希が起きちゃうかも!

お父さん

それもそうだな...

お母さん

はぁ、疲れた〜...

.......イィ

お父さん

でも、こんなに奮発してよかったのか?

お母さん

いいのよ。年に一度のクリスマスなんだもの。

...イイイ

お父さん

でも、ほんとに真っ暗だなぁ...ほとんど何も見えない.......

キィィィィィ.....

お母さん

.................ねぇ?さっきから...

お母さん

何か音が聞こえな

キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイイ

お母さん

..............え?

ドンッ

あれから毎年、プレゼントは届かない

どんなにいい子にしていても

絶対にプレゼントは届かない

お母さん達は、自分に大量の保険金をかけていたらしい

受取人を.....全て、私にして

今まではよく、遠い親戚が家にやって来てた

私が願えば、その人と一緒に住むことも可能だった

でも.......その人が電話で話してるのを聞いたんだ

『あの子の財産は、いつか私のものにする』

.......

ショックだった

「あの人は、お金が目当てだったんだ...」

私の味方は

もう

どこにもいなかったんだ

学校に行っても友達なんか出来なくて

目立たないように過ごしていたある日

ある噂が耳に入った

同じクラスの男子が友達数人と話していた時だ

〜 とある放課後 〜

誰かに話しかけられる前に帰らないと...

中2男子A

えーーー〜!?すっげー〜〜じゃん!!!!!!

由希(ゆき)

!?

..............びっくりした

中2男子B

ちょっ!お前うるせぇ!

中2男子A

でもさ、なんかそれ、ホントっぽくね!?

中2男子C

んなわけねぇだろバカ

中2男子A

だってさ、もしそれがホントだったら、なんでもプレゼントが貰えるってことだろ!?

..............プレゼント?

中2男子B

...まぁ、そうだけど...........

中2男子C

嘘に決まってるだろバカ

中2男子A

ちょ!バカって言うなっ!少しぐらい夢見てもいいだろ!?

中2男子C

夢じゃなくてお前はもう少し現実を見ろって言ってるんだよバカ

中2男子B

ま、まぁまぁ.....

中2男子A

あーー!もう!!!!絶対プレゼント貰って見返してやるからな!?

中2男子A

んで、どうやったらサンタ来るの!?

.......サンタ?

中2男子B

ハァ.....とりま落ち着けよ.......

中2男子B

まずな、クリスマスイブの夜、自分家のクリスマスツリーあるだろ?

中2男子B

その先端についてる星を枕の下に入れるわけよ。

中2男子A

それでそれで!?!?

中2男子B

.....うん..それだけ。

中2男子A

..............えっ、マジで!?めっちゃ簡単じゃん!

中2男子A

よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!俺絶対それやってや

中2男子B

と、もう1つ!

中2男子B

それって、13歳のクリスマスにやらないと意味ないから!

中2男子A

...........え?

中2男子A

まじかよぉぉぉぉぉぉ!!!!

中2男子C

うっせ

中2男子A

俺もう誕生日来ちゃったよぉぉぉぉぉ!!!

中2男子B

あー....そういえば俺も14だわ.......

中2男子A

あっ!お前なら誕生日まだだろ!?俺の代わりにやってくれよ!

中2男子C

無理。以上。

中2男子A

なんで!??!!

中2男子C

無駄。以上。

中2男子A

う...................................うわぁぁぁぁぁぁ!!

男子が勢いよく教室を飛び出す

中2男子B

ちょっ!待てって!ほら!俺らも行くぞ!

中2男子C

えー...................

中2男子B

ちょっと待てぇぇぇぇぇぇ!

2人も慌てて教室を出ていく

でも、今の私にはそんなことどうでもよかった

サンタ.......?

なんでも....くれる.......

家には....ツリーもあるし.......

私の歳は..........

別に.......本気で信じてる訳じゃない

だって、私はもう中学生なんだし

そんなのデマに決まってる

でも

もしも

それが

本当だとした...ら.......?

由希(ゆき)

本当だったら.......

私はツリーの星を見つめる

由希(ゆき)

もう、後悔は...

由希(ゆき)

したくない....かな...

私は

枕の下に星を入れると

眠りについた

はずなのに

由希(ゆき)

.......ここは?

いつの間にか私は

どこまでも続く

深い闇の中に立っていた。

ただ

私の体だけが淡い光を放っている

由希(ゆき)

えっ、.....何これ?

由希(ゆき)

光って....る...?

男の子

おい

いきなり耳元で声が聞こえた

由希(ゆき)

?!!?

...私は驚いて飛び上がる

由希(ゆき)

だっ、...だっ、れ......?

男の子

..............

同い年ぐらいの...男の子?

私の顔をじっと見つめてくる

男の子

.......願いは?

由希(ゆき)

...え?

男の子

お前の願いは。なんだ?

由希(ゆき)

ね...がいって....

由希(ゆき)

もっ...しかして...?サン..タ.....?

男の子

.......なんでもいいだろ

男の子

はやく

由希(ゆき)

えっ、あっ、...わたし、は.......

ずっと、ずっと後悔していた

何度も願ったその言葉

由希(ゆき)

『お父さんとお母さんを

由希(ゆき)

生き返らせてください。』

男の子

....?

由希(ゆき)

....どんなものでも

由希(ゆき)

届けてくれるんでしょう?

男の子

男の子

お前の両親って

男の子

死んでんの?

男の子

なんで

なんでって...

だって

それは

私が.......

由希(ゆき)

............私のせいだよ。

由希(ゆき)

お母さん達は......!私のせいで死んだんだ!

由希(ゆき)

私..が.......!

男の子

..............

男の子

......へぇ

男の子

........面白い

由希(ゆき)

は?!!

由希(ゆき)

何が

男の子

あるぜ。生き返らす方法

由希(ゆき)

由希(ゆき)

だってさっき...無理って.....

男の子

ただし。

男の子

お前が死ぬのが条件だけどな!

明るく笑って言う

男の子

生き返らせたいんだったら、お前の命と引き換えにしてやるよ!

まぁ、これで帰るだろう

自分と他人なんて、選ぶまでもな

由希(ゆき)

いいよ

由希(ゆき)

私は死んでもいいから...。生き返らせて。

..............は?

イヤイヤ...なんで?だって死ぬんだよ?死んじゃうんだよ?

由希(ゆき)

.......分かってる

えっ、だっ...て.....

..........怖くねぇの?

由希(ゆき)

.......怖い...よ

由希(ゆき)

でも、それ以上に

由希(ゆき)

お母さん達への気持ちが強いんだ...

由希(ゆき)

私は.....どうなってもいいから..!

由希(ゆき)

お母さん達を.....助けてあげて!

............そっか

そうか

お前は帰れ

由希(ゆき)

帰れって.....なんで

男の子

いいから。

男の子

大丈夫。絶対両親には合わせるから。

男の子

とりあえず帰れ。

そう言われた瞬間、急に眠気が襲ってくる

由希(ゆき)

.....ま..っ...!

そこで意識は途絶えた

今でもあれはなんだったのか分からない

結局あれから男の子は現れてないし

つまらない日常も変わることは無

女の子の赤ちゃん

うぁぁぁぁぁぁ!

男の子の赤ちゃん

ぎゃぁぁぁぁぁん!

そうそう。この子達がいた。

由希(ゆき)

..............ふぅ。

双子の赤ちゃんで...私の子どもではない。

四弐真(しゅうま)

ちょっ!わかったから待て!落ち着くんだ!!

あそこで2人を相手に慌てているのが...

由希(ゆき)

私の夫...なんだよねぇ.....

双子に会ったのは、ついこの間

私の22回目の誕生日だった。

いつかの知り合いが、自分の子供を施設に預けると言ってきた

『なんでですか?』

『この子達がいると、お金がかかるじゃない?』

こんな小さな時から施設にいたら、愛を知らずに育ってしまう。

私は.......里親になることに決めた。

とはいえ、赤ちゃんを触ったこともない私。

諦めそうになった私の前に現れたのが、

『大丈夫。』

中2のみんなと集まった同窓会

あいつは....私の夫は、そう言ったんだ。

中2の時に引っ越してきて、『文字が分からねぇ!』とか、変な事を言っていたのを覚えている。

あいつは...丁度、あの夢を見た次の日に転校してきた

.....そう思うと、ずいぶん珍しい時期に転校してきてたな...

転校してそうそう、私に話かけ

四弐真(しゅうま)

おい!お前も手伝えってぇ!こっちは2人相手に....ちょ、泣き止んでくれぇ!

由希(ゆき)

........分かった分かった〜(* ´ ˘ ` *)

結局あの男の子が言った『両親に会う』ことは叶わなかったけれど、

お母さん達のかわりに、2人を精一杯、育てていこうと思う。

私はそう誓うと、

右手に星のアザがある女の子を抱っこしてあげた。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

5

ユーザー

なるほど!! 「いつか合わせる」 っていうのは、立場が反対になって合わせてくれたんだね(?) お母さん→右手に星のあざ 赤ちゃん→右手に星のあざ ってことだよね!?!? 面白かったお(°∀° )/

ユーザー

一応色々な隠し要素は作ったつもりです。教えて欲しかったら言ってください!(˙◁˙)パパパパァ

ユーザー

マジで意味わかんなくてすみません。(。∀゜)

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