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茈 × 百
▸▸▸
学校帰り、俺が毎日通うのはおまえの家。
今日も白系統の服を身にまとって、 俺が買ってやったガ✘ダムの漫画を読んでいる。
学校にはある事情があって行けないらんの為に、 俺は毎日、その日学校であった出来事を話に来る。
こいつの夢は学校に通うこと、そう前に話してくれたっけな。
蘭
俺が来た事を確認して、大好きな漫画を閉じる。
唯真
こいつの部屋には、たくさんの種類の果物が常に置いてある。
俺の日課そのいち、 一番にフルーツを剥いてこいつに食わすこと。
両親がフルーツ好きなんだって、 おれはスイーツの方がいいのにと前にボヤいていた。
蘭
唯真
唯真
蘭
蘭
軽く頭を小突いてやると「あでっ」と、 俺に叩かれた部分を摩りながら笑っている。
ドMだなこいつ。
蘭
蘭
大きな桃色の瞳をキラキラと輝かせ鼻息が荒くなりそうな程、その話題に興味深々ならん。
よく覚えてんな、 今日が球技大会だって話したの結構前のはずだけど。
唯真
蘭
蘭
蘭
唯真
唯真
身を乗り出してまで俺に近づこうとするらんを鎮め、 ちょうど剥き終わった桃をテーブルの上に置いてやる。
唯真
蘭
蘭
俺に、餌だぞって フォークに突き刺した桃をこれ見よがしに見せつけられ、
小さい子のようにあーんされて、 怒りながらもきちんといただきますの挨拶はかかさない。
そういう所がこいつの人格そのものだ。
唯真
蘭
幸せそうに目尻を垂らしてもぐもぐ食べる。
こいつへの餌やりは結構俺のお気に入りだったりする。
なんてったって、こんなに幸せそうに食うんだぜ?
微笑ましいし、日々のストレスも和らぐ気がして進んで俺の日課にしている。
こいつがでっかい赤ちゃんの甘えん坊で良かったとこればかりは常々思うな。
蘭
唯真
その日は、こいつが満足する時間まで徹底的に球技大会の話を掘り出された。
球技大会って告白とかされないのか、と普段あまり恋愛事情について深く聞いてこないらんが何故か珍しく俺にしつこく聞いてきた。
蘭
唯真
帰ろうと荷物をまとめていた時、 突拍子もなく野太い声をあげるらん。
蘭
蘭
らんの首にあるネックレス。
元々は俺のリングだった物。
全くオシャレというものに興味のないらんが、珍しく俺の指に嵌めていたリングを凝視していたことがきっかけ。
俺のお古をらんにやった訳だけど、 やっぱ違和感とか抜かしやがって、 リング本来の役目は果たさずチェーンを通してネックレスにして渡すと喜んでつけていた。
唯真
唯真
ネックレスを外し、 皮膚に炎症でも起きたのかと至近距離で首元を確認する。
蘭
唯真
ほんの一瞬。
瞬きをする間もなく。
そんな束の間、確かに俺の唇に触れた感触。
蘭
自分からしておいて恥ずかしいのか俺から顔を背ける。
唯真
蘭
蘭
は?
唯真
蘭
蘭
唯真
唯真
蘭
何か覚悟を決めたような眼差しで俺を見たあと、 普段通りに俺に笑いかける。
蘭
唯真
蘭
何言ってんだこいつ。
馬鹿じゃね……、
んなもん分かってたまるかよッ…w
蘭
蘭
「もちろんいるまが良ければだけど…」と また俺から顔を背けてしまった。
こんなこと間違ってる、
頭ではそう理解していても、 理屈ではどうにもならないことだってこの世の中生きていればいっぱいある。
それが今。
蘭
蘭
唯真
俺だって欲を言えばもっと早く、おまえの味を知りたかった。
今日になって初めて、キラキラ光って震えるおまえのまつ毛がこんなにも長いことを知った。
それと、
レモンの味だとか、ハチミツの味だとか、
色々聞いた事はあるけど、 現実はそんなものじゃなく、
案外、無味だったこと。
唯真
唯真
蘭
人に指差すなって習わなかったんかなこの子。
おれに指さして待てだなんて、
おれのこと犬か何かだと思ってる?
餌とかさあーw
普段より5分帰るのが遅くなったいるま。
それでもなかなか部屋から出ようとしない。
怒られちゃうよそろそろ。
ぜーんぶ、おれのせいなんだけどねーw
蘭
唯真
何か用事かって言いたげな顔と、期待に溢れた瞳で俺を見つめる。
ふっw
おれのこと好きすぎだろこいつw
やれやれ感出して世話してくれるけど内心嬉しいんだろw
なんて……、
自惚れも今日くらいは許して。
蘭
蘭
震えて動かない手の代わりに、この気持ちには嘘偽りないことを伝えるため真っ直ぐな瞳でいるまを見つめる。
唯真
蘭
蘭
声が震える。
早く、……、
唯真
蘭
唯真
震える声を残して扉を閉めたいるま。
ごめん……、
新刊は読めそうにないかも…。
もう、
光も見えないや…w
大好きなんて呪いの言葉遺してごめんな。
唯真
全身黒い服を身にまとったらんの母親から感謝を伝えられる。
太陽よりも眩しい笑顔のらんの写真を見つめ、 静かにハンカチで顔を覆い、俺に呟く。
友達……。
今日は、友達から恋人になるはずだったのにな…、
ガ✘ダムの新刊だって、ほら、買ってきてやったんだぜ?
いつまで目休めてんだよッ……、
早く読みたいんじゃねえのかよ……、
ページが捲れないなら俺がいくらでも捲ってやっからさ……、
唯真
唯真
察しがいい。
よくあいつのこと見てたんだな。
母親だし当たり前か。
俺は最後の最期まで知らないフリをし続けて、
あ互いの恋愛話を避け続けた俺は、
あいつの勇気に気づいた時にはもう全てが手遅れ。
誰か俺の事を嘲笑ってくれよッ…w
こんなにも滑稽な事ってそうないだろ?w
もうあいつはこの世界の何処を探したっていない。
いっそ母親の言う通り、 あいつに固執せず全て忘れ去ってしまおうか。
…………。
こうやって俺は一生、己を騙して自問自答して生きていくんだろう。
最期に見たあいつの長いまつ毛を呪縛として。
閲覧ありがとうございました🫶🏻🍥 茈 × 百 で バドエンストーリーでしたᏊᴗ͈ ̫ᴗ͈Ꮚ バドエンと言っても儚く切ない綺麗な純愛物語にしたつもりです。 基本バドエンは嫌いな主の必死の抗い꒰՞ɞ̴̶̷̥.ɞ̴̶̷̥꒱֯ ▼ 以下、解説?的な何か。 物語上に出てきた言葉の意味の照らし合わせ💡⠜
◾︎おまえの家→病室 ◾︎白系統の服→患者衣 ◾︎ある事情→病気 ◾︎フルーツがたくさんの理由→見舞い品。スイーツは糖分過多、体に良くない為、甘いものはフルーツから摂取する。 ◾︎フルーツも剥けない→指先に力があまり入らない為、ナイフやハサミを使うことは禁止されている。 ◾︎「自分で剥けるようになれよなー」→早く病気治せよ ◾︎「いるまのいじわる」→治らないことは分かっているから。 ◾︎身を乗り出して→興奮すると不整脈を発症し突然死もありえる。 ◾︎あーん→自身でフォークを上手く握れない為介助が必要。 ◾︎満足する時間まで→面会終了時間まで ◾︎かぶれでもしたん?→皮膚が弱いため炎症が起きやすい。 ◾︎早く口洗えよ→体が弱く、感染症にかかりやすい。まわし飲みはおろか、他人と同じコップを使うことすらNG。キスなんて以ての外。 ◾︎震えて動かない手→そろそろ限界のサイン。 感染症を引き起こしやすい、血液や粘液に触れる事は即ち死を意味すること。 それでも茈くんにキスしたのは、自分の寿命を理解していたから。 今日までの命なら、最後に___。
ℯ𝓃𝒹☕︎︎𓂃 𓈒𓏸