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それから先生はぽつぽつと話し始めた

自分の能力のこと、今の状況のこと

そして、リアのことを

リユ

まず、僕の能力は怪鬼術…
リアと同じ、鬼の力を使える

リユ

…でも、僕はこの能力は大嫌いだから
あんまり使わないようにしてる

リユ

この角と目は能力によるものだよ
…鬼だからね

先生は鏡を見ながら自分の角に触れた

悲しそうな顔をして

リユ

本当は2本あったんだけどね…
まぁ、これは関係ないか

リユ

今の状況について
これはただ鬼化が進んでるだけ

式神 榎戸

え、でも鬼って能力によるものなんでしょ?
なら、能力を止めればいいんじゃないの?

リユ

…だよね、そう思うよね

リユ

これがこの能力が嫌いな一番の理由なんだけどさ

リユ

鬼の姿にならなければ関係ないんだけど…

リユ

この力は
使えば使うほど、自我が保てなくなる

修羅魏 聖葵

え…つまり最終的には…

リユ

…うん

リユ

ただの凶暴な人喰い鬼になっちゃうね

式神 榎戸

え…

リユ

…この間能力使っちゃったせいかな

リユ

…普通のものが食べれなくなっちゃった…

田噛 歩香

あぁ、だからお腹空いたって……

リユ

…うん

修羅魏 聖葵

…あの

修羅魏 聖葵

俺を助ける時に
先生が能力を使ってたって聞きました…

修羅魏 聖葵

俺がヘマしなければこんなことには…
すみません……

リユ

……

リユ

大丈夫、聖葵は何も悪くない

リユ

全部…僕のせいだから

修羅魏 聖葵

式神 榎戸

てかさてかさ

式神 榎戸

「普通のものがたべられなくなった」ってどういうこと?

リユ

…そのままの意味だよ

リユ

皆が食べてる
僕が今まで食べてたもの
ピザとか蕎麦とかパンとか…

リユ

とにかく、普通に食事で食べるものはダメかな……

柏葉 依兎

じゃあ…何なら食べられるんですか…?

リユ

人肉

式神 榎戸

えっ

リユ

さっき言ったでしょ
ただの凶暴な人喰い鬼になるって

田噛 歩香

じゃあ…先生はもう
人を殺して食ってかないと生きてけないってこと?

リユ

…いや
死体でもいける

リユ

でも、食べたくないというか…
さっき自分を食べて今は少し落ち着いてるけど

修羅魏 聖葵

あぁ…だから腕……

リユ

うん

リユ

…こんな力でも、僕は人間だ
鬼になっても、人間として幸せになるために生まれたから

リユ

人間を食べるなんて…無理だよ……

式神 榎戸

…ま、そうだよね

柏葉 依兎

でも食べなきゃ生きていけないからね
気持ちは分かるんですけど

田噛 歩香

先生、自分が死ねばなんて考えないでくださいね?

リユ

リユ

うん…

リユ

…さてあとはリアの事だね

リユ

…リアは今聖葵が持ってる写真の
ボブの子

修羅魏 聖葵

あ、これ…

リユ

うん
…6つ違いでさ
そこそこ離れてたけどすごく仲良かった

リユ

でも、リアってさ

リユ

もう何年も前に死んでるんだよね

柏葉 依兎

え…

リユ

だから、聖葵がリアと話したって聞いてびっくりした

修羅魏 聖葵

まぁ…夢ですけどね……

リユ

うん

リユ

でも、きっとただの夢なんかじゃないと思う

リユ

きっと…リアが聖葵を助けるために、夢に出てきてくれたんだよ

リユ

こんなの僕のちょっとした現実逃避かもしれないけど…

リユ

あいつは、優しいから

修羅魏 聖葵

そうですか…

修羅魏 聖葵

俺もそう思います

リユ

…!

リユ

ふふっ…そう思ってくれると
嬉しいな

数日後

リユ

…久しぶりに来たな……

僕はお墓に来ていた

両手にたくさんの花を抱えながら

リユ

確か…こっちの方だっけ……

記憶を頼りに自分の家の墓を探す

ほかの墓から少し外れた、ほかの墓よりも豪華なお墓がそこにはあり そこには自分と同じ苗字が刻まれていた

リユ

あれから結局、僕は普通のものがまた食べられるようになるまで人間の死体を食べるようになった

もちろんすごく嫌だ

でも…

リユ

(仲間…か)

僕は花を添えてお墓に水をかけ、線香を備えた

手を合わせ、目をつぶり 僕はもうこの世にはいない家族たちに話しかけた

リユ

花(はな)…啓太郎(けいたろう)……

リユ

…父様…母様……

リユ

リア…

久しぶりですね、元気にしてましたか?

あれから何年経ったかな こうやって話すのは何年ぶりかな

そっちで元気にやってますか? 啓太郎は、花は、元気ですか?

僕はずっと悩んでました

自分の能力や あの時のこと

誰かを襲ってしまうんじゃないかって、怖くて怖くて仕方なかった

また昔のようになってしまうんじゃないかって

自分の生徒のことも

何度も思ったよ、なんで僕だけまだそっちに行けないのかって

でも、僕には仲間がいるってこの間わかった

だから少し心が楽になりました

リア

君にはたくさん心配かけて沢山お世話になった

君がいたから僕はここまで生きてこれた

もう心配しないで、大丈夫

「もう何も怖くないから」

リユ

…うん

リユ

何も怖くない…僕はもう大丈夫

リユ

…じゃあね、みんな

リユ

またいつか

リユ

…絶対会おうね

もう少し、待っててね

グリム・リーパー 第4章 【昔馴染み】 ~完~

グリム・リーパー

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40

コメント

8

ユーザー

4章完結おめでとう!!! 良かったねリユ先生…

ユーザー

先生可愛いねー!!!!!!!!!!!

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