僕
僕
僕
僕
僕
僕
ここは真冬の街中
街燈はない
早朝の濃霧のせいで
若い男は宿屋を目指せないでいた
僕
僕
男はぶるっと身震いをしつつ、
なんとか一歩ずつ前に進んでいた
そのとき、
うっすらと、男の目線の先に
人の足元が見えた
僕
僕
それは、黒いフードを被った人物の足だった
僕
僕
黒フードの老人
黒フードの老人
僕
僕
僕
僕
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
僕
僕
男はありがたいとおもいつつも、
そのしゃがれた声を、
完全には信用できないでいた
しかし、何より寒さに耐え切れず
その、老人に従うようにした
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
僕
僕
僕
僕
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
僕
僕
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
僕
老人は、濃霧の中を、
まるで昼間の街を歩くように
若い男を
迷いなく導いていった
僕
僕
僕
僕
僕
僕
若い男はだんだん怖くなってきた
このまま、知らない土地へと
連れていかれる気がしてきたのだ
僕
僕
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
老人はふとその場に
足を止めた
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
僕
暖かいランプの灯がともる、
宿屋のドアが、
止まった男のそばにあった
僕
僕
僕
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人
黒フードの老人