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2件
2日後。
2人での暮らしにも少しずつ慣れてきた頃。普段通りに過ごしていると、不意にインターホンが鳴った。
太宰
敦
敦
敦
敦君はそう云って、手に持った籠を持ち上げる。其の中には敦君の云う通りの花と物資。
其れから御親切に如雨露等のガーデニング用品が沢山入っていた。
太宰
私は其れを受け取ってから、敦君に報告書を手渡す。敦君はすぐに笑って受け取った。
敦
太宰
私はそう云って、玄関先から去っていく敦君を見送った。そして扉の鍵を閉めて、中也の方へと向かう。
太宰
太宰
太宰
私がそう云うと、中也は嗚呼、と返事をして、其れから立ち上がった。
中也
中也はそう呟いて、庭へと歩いて行く。私も其れを追いかけて庭に降りた。
太宰
中也
太宰
私はそう云って、庭の端に苗とガーデニング用品を置いた。中也は其れを一瞥してから、私の方を振り向く。
中也
太宰
私はそう云ってから、中也の隣にしゃがむ。中也は如雨露に水を溜めてから、花を植える場所へと近付く。
中也
太宰
私はそう云って、如雨露を渡される。如雨露に水を入れて、中也が植えた後の苗に水をたっぷり遣っていく。
暫くして、貰った苗を全て植え終わった。未だ蕾の状態だったけれど、其れは随分綺麗だった。
太宰
私がそう中也に語り掛けると、中也はぽやんとして頷いた。少し眠そうだ。
太宰
中也
太宰
太宰
中也
私は如雨露の中に残った水を捨ててから、中也と一緒に家へ入る。2人でウッドデッキに寝転がる。
太宰
中也
私達はそう云って、2人で日向ぼっこをした。温かい陽射しが私たちを包む。
太宰
中也
太宰
私はそう云って中也の方を見る。其処にはうとうとと瞼を重たくした中也が居た。
太宰
中也
太宰
中也
私がそう云うと、中也はころん、と私にすり寄る。猫みたいだ、と思って少し笑った。
中也
中也
太宰
私は中也に云われるがままに中也の方へ寄る。そうして、中也の掌に自分の掌を重ねる。
其れをぎゅっと握った中也は、安心しきった表情で、すうすうと寝息を立て始めた。
そんな中也を見て、私はまたふふ、と笑った。
太宰
そう呟いて、私もゆっくりと目を瞑った。
目が覚めた。
今は何時だろうか。ゆっくりと躰を起こして時計を見ると、針は14時46分を指していた。
太宰
太宰
中也
私は隣で寝ている中也を軽く揺する。すると中也は不服そうに唸った。其れを見て、私はくすりと笑った。
太宰
中也
中也はそう云って、私の腰に抱き着く。其れを私は引き剥がそうとする。
太宰
中也
太宰
中也
太宰
私はそう云って、中也の躰をゆっくりと起こす。
太宰
中也
太宰
私は思わずそう突っ込んでしまう。それからまたひとつ溜息を吐く。
太宰
中也
太宰
そう云って私は中也に背を向けた。中也は躰を起こしてから、大きく伸びをした。
中也
太宰
中也
太宰
何か云いかけた中也の声は、私のお腹の音と重なった。私も中也も顔を見合わせて少し笑う。
中也
太宰
中也
太宰
中也はそう云ってから、台所へと向かった。私は其れを見届けてから、また寝転んだ。
中也
太宰
中也
太宰
私はそう返事して台所へと向かった。
中也は如何やら生チョコレートらしきものを作っている様だった。
中也
太宰
中也は私の口にそれを一つ入れる。 うん、美味しい。
中也
太宰
中也
太宰
太宰
太宰
私はそう云って少し笑った。中也もはは、と笑った。其れから再びチョコレートづくりに取り掛かる。
平和だ。
屹度此れからも此んな日常が続くのだろう。
2人でごろごろして、花に水遣りをして、偶には日向ぼっこをして。
中也
太宰
私は思わず中也に抱き着いてしまった。
中也は照れ隠しからなのか、チョコレートづくりに集中しているからなのか、少し焦った様な声をあげた。
私はそんな中也に更にぎゅっと抱き着いて、其のまま台所を後にして、居室で本を読み始めた。
ねえ中也。
私ね、今凄く幸せなんだよ。
此れからもずっと、こんな幸せな日々が続くと善いな。
本の頁を捲りながらそう考えた。
中也
台所から、中也の呼ぶ声がした。