兵長
拝啓
時の砂は幾度も零れ落ち、気付けば私はこの名を呼ばれるようになりました。
その名は――コーポラル。
私の身を満たすものは「作る」という行為。無から有を編み出すことは、音もなく巡る星々に微かな灯を点すようなものです。
深夜の電波に揺られ、アニメの声に耳を澄ませ、
四角いリングで繰り広げられる闘争に心を震わせ、
静かな美術館で絵画の沈黙に語りかける。
これらは趣味と呼ぶにはささやかですが、私にとっては「現実を支える幻」なのです。
それらを紡ぎながら、私はここに在ります。
どうか、この名があなたの記憶の片隅に、奇妙な旋律のように残りますように。
敬具
コーポラル
