テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
人が一生のうちに出会う人数は、およそ3万人程度。これは、道をすれ違ったりする人数ではなく、ある程度の接点を持つ人の数である。 その中で友人ができる確率0・0004%、その中で運命の人に出会う確率0・00000000001%らしい。 ある程度の人間はこの確率を見れば「そんな低いの?」と思うだろう。僕もそのうちの一人だ。 僕は高校一年生、水瀬直人、親の仕事の都合で中学卒業と同時に福岡から東京へと引っ越すことになった。 引っ越し先は”東京”。東京とは無縁だったわけではなく元々母の実家がありよくお婆ちゃんの家へ遊びに行っていた。 中学を卒業し春休みが長かったので家族みんなで向かう予定だったが、父も母も仕事の整理がつかなく、新居であるマンションの鍵をもらい 一足先に一人で向かうことになった。
チェックインカウンターで手続きを済ませ、当分帰ってこないと思い、最後にと博多ラーメンを食べることにした。店に入り、醤油豚骨ラーメンを頼んだ。 少し経った頃だろうか、店内に制服を身にまとった女子二人入ってきた。おそらく時間的に学校が早く終わっての帰りだろう。 麺をすすっていると、そのうちの一人がこちらへと向かってきた。制服の刺繍に目をやると”篠原中学校”と書いてあった。つい二週間前まで通っていた中学校だ。
後輩
水瀬直人
後輩
水瀬直人
後輩
水瀬直人
後輩
水瀬直人
この場から逃げるように 彼女は去っていった。
俺は中学の頃サッカー部に所属していた。小学校の途中から初めていて、部活に入れば自然と友達ができると思ったから入部した。中二の頃から一応スタメンは勝ち取っていたが特別突出したプレーができるというわけではなかった。そんな僕だが中体連夏季総合体育大会準決勝ので相手選手との接触で右足靭帯を大きく損傷し救急車に運ばれた。試合も終盤だったため続行されたらしい。なんとか決勝に行ったものの決勝戦に出れる体でもないし見に行けるような状態でもなかった。結果は0-4と完敗だったと後から病室で聞いた。でもなぜか”悔しい”という感情が湧かなかった。なぜなら自分が部活に対してあまり熱を注いでないことを知っていたからだ。今は怪我が治っているため高校でも友達作りのために入部しようと思っている。 あぁ後輩に怪我してるところ見られてなんか恥ずかしいな。そんなこと考えていたら飛行機の搭乗案内が始まっていた。
飛行機は春休みの影響か家族連れで溢れてた。機内Wi-Fiを設定しヘッドホンで音楽をかけて席へと着いた。この飛行機は、片側2席網片側3席の構造になっている。 僕が座って少しすると、隣に同年代くらいの女が座ってきた。見た目はお淑やかな感じで、可愛らしい容姿をしている。身長はおそらく160cmないだろう。
???
やばい。すっかり見入ってしまった。
水瀬直人
これでうまく茶を濁せたとは言い難い がこれで良いだろう。
???
水瀬直人
???
水瀬直人
福岡から東京までは一時間ちょっとの旅なので、隣に同年代の女子がいると落ち着いてはいられない。 ヘッドホンで何曲か流れた頃だろうか。隣を見るとどうやら彼女は寝ているらしい。モニターを見ると上空の気温と機内の気温が映し出されていた。 思いのほか北上してるようで気温も下がっていた。ちょうど係員が通ったのでブランケットをお願いし彼女にかけてやった。これでいい俺も眠気が襲ってきたので目を閉じた。
少しったって目的地に着いたという アナウンスで目が覚めた。横を見ると さっきの彼女がこっちを睨んでいた。
???
マジかよ。お礼の一言もねえのかよ 彼女は飛行機の扉が開いてすぐ駆け足で出ていった。
「まったくほんと無礼なやつだな。黙ってりゃ可愛いのにな・・・ってあれ?これって?」 通路に出ようとした時彼女が座っていた席のシートポケットに透明のポーチが挟まっていた。中身が透けて見えたので見てみると、Suicaや航空会社のカード、学生証が入っていた。 一応落とし物を届けようと着いた空港の落とし物カウンターに届けた。