ねぇ、もう気づいたんでしょ? なんで何も言わないの? なんで隠すの?
私の事も、あいつのことも……
なんで言わないの……?
お願いだから話してくれよ……
自分の部屋の中、スマホのアラームの音が響き渡った。 なにか夢を見たような気分だった。
竜胆
竜胆
『 貴 方 の 花 が 咲 く 頃 に 。』
この言葉がずっと頭の中に残って、 脳裏をよぎった。
嘘つきになったアイツが、最後に俺に向けて残した言葉。 いつもなら、この季節を過ぎるのをじっとまつが、この1年、 いや、あと少しで、なにかが本当にいなくなるような、 本当に、会えなくなるような気がした。
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
少し憂鬱感がある朝、 俺はいつも通り出社する準備をした。
今年もこない。 君を待つ時間は、本当に憂鬱だ。
もう君は、全てわかっているようだね。 ならもういい。 嘘はつかない。 なんでも私に質問してご覧よ。
三途
蘭
三途
竜胆
いつもながら会社とは思えないほど騒がしい部屋。 だいたい兄貴と三途が言い合ってるってだけだけど。
蘭
三途
竜胆
俺に用があるなら、 兄貴なんて相手にせずにさっさと話してくれればいいのに。 いい大人な2人が言い合いをしているのは、なんとも言えない光景だ。
九井はうざったるそうな顔をしている。
竜胆
竜胆
と、一声かけると、はっとした顔で俺の方へと近ずいてきた。
三途
竜胆
猫の手でも借りたいほど忙しく、資料も溜まっているのに休み?そんなことあるわけないだろ。 という疑問が頭を過った。
三途
遠回しに『ここにいるな』とでも言っているような気がした。 今日はあの日。 珍しく三途が気を使ったらしい。
竜胆
っと、素直に一言残し、俺は部屋を後にしたのだった。 さすがに上司の言うことは、三途だろうと無視できないし。
竜胆
とか言っているが、毎年1年に1回は、ついついこの場所に来てしまう。 あいつが残した最後の言葉。 俺の花が咲く季節。
それはだいたい秋くらいの時期。 今は夏に近い秋だから、蒸し暑さが少し残っている。
竜胆
竜胆
桜が咲いてないあいつと来た場所。 墓にも行かないで何してんだ俺。 なんて思ったこともあったが、 俺があいつを殺したも同然だったから、 今更合わせる顔もなかった。
竜胆
なんて誰もいない場所で1人呟いたのだった。
コメント
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1つあの人に質問ができるようになりました。 答えて欲しい、質問したいことを、この場所に書いてみましょう。 ※あの人はもう、嘘をつく気はないようです。 『何かがつながり、真相がわかった気がした。このお話はきっと___』