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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ねぇ、もう気づいたんでしょ? なんで何も言わないの? なんで隠すの?

私の事も、あいつのことも……

なんで言わないの……?

お願いだから話してくれよ……

自分の部屋の中、スマホのアラームの音が響き渡った。 なにか夢を見たような気分だった。

竜胆

またこの季節。

竜胆

あいつが言ってた季節が来た。

『 貴 方 の 花 が 咲 く 頃 に 。』

この言葉がずっと頭の中に残って、 脳裏をよぎった。

嘘つきになったアイツが、最後に俺に向けて残した言葉。 いつもなら、この季節を過ぎるのをじっとまつが、この1年、 いや、あと少しで、なにかが本当にいなくなるような、 本当に、会えなくなるような気がした。

竜胆

仕事、行かなくちゃなー

竜胆

ヤク中がうっさいし、

竜胆

にい……

竜胆

兄貴も起こさないとだし。

少し憂鬱感がある朝、 俺はいつも通り出社する準備をした。

今年もこない。 君を待つ時間は、本当に憂鬱だ。

もう君は、全てわかっているようだね。 ならもういい。 嘘はつかない。 なんでも私に質問してご覧よ。

三途

おい灰谷

え?俺〜?

三途

ちげぇわクソ谷

竜胆

それ俺も入るやつな

いつもながら会社とは思えないほど騒がしい部屋。 だいたい兄貴と三途が言い合ってるってだけだけど。

灰谷呼びじゃあどっちがどっちかわかんないよ~?

三途

黙れクソ谷

竜胆

はぁ、

俺に用があるなら、 兄貴なんて相手にせずにさっさと話してくれればいいのに。 いい大人な2人が言い合いをしているのは、なんとも言えない光景だ。

九井はうざったるそうな顔をしている。

竜胆

おい三途ー

竜胆

さっさと要件話せー

と、一声かけると、はっとした顔で俺の方へと近ずいてきた。

三途

あ、お前今日休みになったから

竜胆

は?、

猫の手でも借りたいほど忙しく、資料も溜まっているのに休み?そんなことあるわけないだろ。 という疑問が頭を過った。

三途

とにかく、つべこべ言わず今日は休んで外にでも出て来い

遠回しに『ここにいるな』とでも言っているような気がした。 今日はあの日。 珍しく三途が気を使ったらしい。

竜胆

りょうかい。

っと、素直に一言残し、俺は部屋を後にしたのだった。 さすがに上司の言うことは、三途だろうと無視できないし。

竜胆

久々に来たなぁ、ここに。

とか言っているが、毎年1年に1回は、ついついこの場所に来てしまう。 あいつが残した最後の言葉。 俺の花が咲く季節。

それはだいたい秋くらいの時期。 今は夏に近い秋だから、蒸し暑さが少し残っている。

竜胆

なんなら、

竜胆

あいつの命日だし。

桜が咲いてないあいつと来た場所。 墓にも行かないで何してんだ俺。 なんて思ったこともあったが、 俺があいつを殺したも同然だったから、 今更合わせる顔もなかった。

竜胆

てか俺、普通に反社だし、こんなとこいたらダメだろ、笑

なんて誰もいない場所で1人呟いたのだった。

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コメント

1

ユーザー

1つあの人に質問ができるようになりました。 答えて欲しい、質問したいことを、この場所に書いてみましょう。 ※あの人はもう、嘘をつく気はないようです。 『何かがつながり、真相がわかった気がした。このお話はきっと___』

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