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病院の廊下には、消毒液の匂いが漂っていた。
蛍光灯の白い光が床に反射して、どこまでも続くように見える。 足音が静かに響く中、真堂と花丸先輩はゆっくり歩いていた。
真堂そうた
真堂が小さく呟くと、花丸先輩は手にした案内板を見ながら頷いた。
花丸先輩
花丸先輩
真堂そうた
真堂そうた
花丸先輩
花丸先輩
花丸先輩
真堂そうた
ここまで来るのに何日もかかった。 事情聴取が終わり、ようやく面会の許可が出た時、 真堂は、胸の奥が苦しくなるほど安堵した。
真堂そうた
真堂そうた
真堂は一度、深呼吸をした。
ガラガラガラ…
ガラガラガラ…
桐生たける
桐生たける
ベッドの上に座っていたたけるが驚いたように目を見開いた。
顔色はまだ少し青白いが、目ははっきりしていた。 包帯が手に巻かれ、左頬にはうっすらと痣が残っている。
花丸先輩
花丸先輩が笑いながら近づくと、たけるも小さく笑って「大丈夫です…!」と返した。 真堂はその声を聞くだけで、喉の奥が熱くなるのを感じた。
桐生たける
たけるが、ベッドの上で手を握りしめながら呟く。
桐生たける
花丸先輩は手を振って笑った。
花丸先輩
真堂そうた
真堂そうた
真堂そうた
たけるはゆっくりと首を横に振った。
桐生たける
桐生たける
桐生たける
真堂の目の奥に、少し光が滲む。
そのとき―
ガラガラ
相川こうま
ドアの向こうから、相川が頭をかきながら入ってきた。
手にはコンビニの袋と、ジュースが四本。
相川こうま
そう言ってプリンを差し出すと、花丸先輩が吹き出した。
花丸先輩
相川こうま
相川こうま
久しぶりに笑い声が病室いっぱいに広がった。
それはぎこちなくも、確かに日常の音だった。
夕方。
面会が終わり、三人が部屋を出ようとした時。 たけるが静かに呼び止めた。
桐生たける
その言葉に三人が振り返る。
花丸先輩
相川こうま
真堂そうた
桐生たける
三人とも驚いたように目を見開いたが、 真堂がたけるの言葉に続くように、笑った。
真堂そうた
相川こうま
桐生たける
桐生たける
桐生たける
たけるの目は真っ直ぐだった。 弱さも、痛みも、全部そのまま抱えながら前を見ていた。
花丸先輩がドアの前で笑った。
花丸先輩
花丸先輩
相川こうま
相川こうま
相川が手を上げて、そう叫んだ。
たけるは笑って頷いた。
桐生たける
夜。
病室の窓から、星が輝いていた。
たけるは一人、静かに空を見上げている。
桐生たける
桐生たける
桐生たける
桐生たける
桐生たける
その目には、確かな光が戻っていた。
主
主
主
主