「 その結婚に愛がないのなら 。 」
柏 綴ミ ( かしわ つづみ )
綴ミ
待って竜胆 !!
綴ミ
お願い …… お願いだから 、 行かないで …… ッ
りんどー
は 、 ?
りんどー
大事な用事あるっつってんだろ !!
りんどー
触んなボケ !!
綴ミ
ごめ … ッ 、 ごめんなさい 、
綴ミ
でも今日は … !!
りんどー
お前の誕生日だって ? 笑
りんどー
そんなの前から知ってたわ 。
りんどー
でもいつでも祝えんだろ ?
りんどー
もっと大事な用事があるわけ 。 どいてくんない ?
綴ミ
ぁ … 、
誕生日を祝って欲しいわけじゃなかった 。
ただ 、 私との約束を無かったことにして
竜胆が何をしにいくのかが分かっていたから
行かせたくなかっただけ 。
綴ミ
誰かに … 会いに行くの 、 ?
りんどー
は ? きも 。
りんどー
詮索してくんな 。
りんどー
まじうぜぇ 、 勝手にしてろよ 。
竜胆はそれだけ言い放って家を出て行った 。
確かに 、 結婚した時からずっと
竜胆は私を愛さなかったけど
私は少しでも良いから竜胆に好かれたくて
努力していたつもりだったのに 。
綴ミ
( はぁ … 何買いに行くんだっけ … 忘れちゃった )
らん
……
らん
あれ … 綴ちゃんじゃん 。
らん
久しぶり 、 ( 微笑 )
綴ミ
あ …… 蘭さん ……
らん
いや ーー あんなに人の多い街でたまたま出会えるなんて思わなかったよ 。
らん
らん
ほんと久々だね 。 最近どう ?
綴ミ
最近は …… 色々大変です 。
らん
それは … 何 ? 仕事の話 ?
綴ミ
そうじゃないと言ったら … 何の話だと予想するんですか ?
らん
… そりゃ 、 うちの弟の話しかないでしょ 。
綴ミ
……
らん
その反応 、 なんかあったんだね 。
綴ミ
まあ 、 色々と …
らん
話してくれないの ? 俺は信用ならない ?
らん
まああの竜胆の兄だからそれもそうか …
綴ミ
それは違います … !!
綴ミ
蘭さんのこと 、 ちゃんと信用してるんです … !
らん
じゃ 、 話してよ 。
綴ミ
…… ッ 、
らん
へぇ 、 うちの弟 、 可愛い綴ちゃんにそんなことしてるんだ 。
綴ミ
なんか … もう疲れたんです 。
綴ミ
そもそも 、 私のこと好きでもないのに結婚してくれたこと感謝しなきゃいけない 。
綴ミ
愛なんて望んじゃいけないですね 。
らん
そうかな 。
らん
綴ちゃんは愛されるべきだと思うよ 。
綴ミ
でも 、 最近竜胆は女の子とあってるんです 。
綴ミ
私より可愛くて … 竜胆の好みにぴったりな女の子たちに 。
らん
確かにあいつ 、 最近 毎日違う香水の匂いが染み付いてるよね 。
綴ミ
ほんと私 … どうしたら良いんでしょうか …
らん
俺ならそんなことしないけど 。
綴ミ
え 、 ?
突然 、 蘭さんに触れるだけのキスをされた 。
困惑して言葉を失う 。
らん
あれ 、 顔真っ赤 。
らん
満更でもなさそう 。 笑
綴ミ
ちょっ … 何言って … !!
らん
ま 、 続きしたいならいつでも俺んとこおいでよ 。
らん
待ってるね 。
困惑する私を尻目に 、
蘭さんは颯爽と去っていた 。
綴ミ
全く … 、
綴ミ
あの家系の人はみんなタラシなの 、 ?
story I . end