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ナック

ただいま、戻りました

ハウレス

ご無事でしたか!主様!

ハウレス

街で天使が出たと聞きましたが…

主様

大丈夫だったよ!

主様

でも…イザナミ達が助けに来てくれる前にアモンがやられちゃって…

アモン

申し訳ありません、主様

アモン

危険な目に合わせてしまって…

アモン

それにイザナミ、傷を治してくれてありがとうっす…

アモン

オレがもっとしっかりしていれば…

主様

アモンは悪くないよ!

イザナミ

主様の言う通りです

イザナミ

それに、あれは不慮な事故としか言えないですよ

ボスキ

おい、アモン帰ったのか

ボスキ

…その様子だとイザナミに治してもらったんだな

アモン

まぁ、はい…そうっすね

ハウレス

とりあえず、万が一を考えてルカスさんのところに行くぞ

アモン

は、はいっす…

イザナミ

ハウレスさん、付き添いますよ

ハウレス

助かる

タッタッタッ(走り去る)

主様

…アモン、大丈夫だといいな

ケリス

アモンさんのことです

ケリス

きっと大丈夫ですよ

ベリアン

おかえりなさいませ、主様

ベリアン

災難に見舞われたようですね

ベリアン

バスティンくんから聞きました…

ベリアン

彼はあまり周囲と関わりませんが、頼りになりますよ

ロノ

性格は根暗でムカつくけどな

ベリアン

ロ、ロノくん…

ケリス

ロノさん、言い過ぎです…

ムー

ん…?くん…くん…

ムー

厨房から何かいい匂いがしますね!

主様

ほんとだね〜!

主様

なんだろう…この匂い…

ロノ

や、やば…!

ロノ

料理の仕込みの途中だった!

ロノ

早く作らねぇと、舞踏会に間に合わねぇ!

ダッダッダッ(走り去る)

ムー

そっか…

ムー

今夜は舞踏会でしたね、すっかり忘れていました

ベリアン

主様…こんなことが起きた直後で、大変申し上げにくいのですが…

ベリアン

ご存知の通り…今夜は、大事な舞踏会が行われます

ベリアン

その舞踏会に、ぜひ主様もご参加いたきたいのですが…

主様

ん〜…わかった!

主様

行くよ!

ベリアン

ありがとうございます、主様

ベリアン

舞踏会が始まるまで、まだお時間がありますので…

ベリアン

少し自室でお休みになられてください

ベリアン

お時間になったら執事がお迎えに上がりますね

主様

わかった!

主様

じゃあ…私は自室に行ってくるね〜

ケリス

ごゆっくりお休み下さいね

主様

ありがとう!

1時間後

自室

コンコン(ノック音)

フルーレ

主様…お目覚めですか?

主様

も、もう朝…?

イザナミ

あ、主様?

イザナミ

寝ぼけていてはダメですよ?

フルーレ

イザナミの言う通りです

フルーレ

そろそろ起きていただかないと…舞踏会が始まってしまいますよ

ムー

ふぇ?もう舞踏会の時間ですか?

フルーレ

ム、ムー?

フルーレ

どうしてキミが主様の部屋で寝ているの?

ムー

は、はい

ムー

なんだか主様の近くの方が安心できて…

イザナミ

ムーちゃん、そういう事ではなくてですね?

イザナミ

フルーレさんが言いたいのは

イザナミ

執事が主様の部屋で寝るのはありえないということですよ?

ムー

でも、主様に以前ちゃんと許可をもらいましたよ

ムー

ね?主様!

主様

確かにそうだったかも…

フルーレ

まぁ、主様が良いなら良いですけど…

フルーレ

って、こんな話をしに来たんじゃなかった

フルーレ

主様…急いでお着替えいたしましょう

フルーレ

今日は舞踏会ですからね

フルーレ

素敵なお召し物をたくさん用意しました

主様

わぁ!どれも綺麗だね!

フルーレ

全部俺達の手作りですからね!

フルーレ

どうぞ好きな物を選んでください、主様

ムー

これが手作りなんですか?すごい!

ムー

どれもすごく素敵ですね〜!

イザナミ

そうですね

イザナミ

フルーレさんは服作りのスペシャリストと言っても
いいくらいですからねw

フルーレ

うーん…

ムー

な、なんですか…

ムー

そんなに僕をジロジロと見て…

フルーレ

ムーはその格好で舞踏会に出る気かい?

ムー

そ、そうですけど…

フルーレ

…ダッサい

ムー

えっ?!

主様

フルーレの毒舌がすごい…w

イザナミ

ま、まぁ…ダサいは言い過ぎだとして

イザナミ

主人に仕える身として

イザナミ

ムーちゃんはもう少し品位のある格好の方がいいですよ

ムー

ひ、品位…ですか…?

フルーレ

…ねぇ、イザナミ

フルーレ

まだ、少し時間はあるよね…

フルーレ

急いで作ればなんとかなるか

イザナミ

それならば、私も手伝いますよ

イザナミ

1人より2人の方が効率が上がります

フルーレ

そうだね

フルーレ

ムー、ちょっと万歳してごらん

ムー

ば、万歳ですか…?

ムー

こ、こうでしょうか…?

フルーレ

ウエスト48㎝?!

フルーレ

ちょっとムー、太りすぎなんじゃない?

イザナミ

まぁ、猫にしてはそうですね…

ムー

た、確かに最近…ロノさんのご飯が美味しくて

ムー

食べ過ぎているかもしれません

イザナミ

あ、でもこのぐらいの布は余っていたはずです

フルーレ

そうだね

フルーレ

主様、申し訳ありません

フルーレ

俺の悪魔を解放していただいてもいいでしょうか?

主様

フルーレの悪魔も天使を倒す系の悪魔じゃないの?

フルーレ

はい、なので問題はありませんよ

主様

わかった

フルーレ

俺の契約した悪魔「フルフル」

フルーレ

こいつは芸術やアートの発想力を高めてくれるんですよ

ムー

なんだか、平和な悪魔さんですね

フルーレ

全くどうしてこんな能力なのか意味がわからないよ…

フルーレ

天使狩りには何の役にも立たないのに

イザナミ

でも、フルーレさんは私達悪魔執事達の
燕尾服も作ってくださっていますし

イザナミ

十分役に立っていると思いますよ?

主様

フルーレが皆の衣装作ってるの?!

主様

凄いじゃん!

フルーレ

主様…ありがとうございます

ムー

お2人とも、手先が器用なんですね〜!

ムー

それに、フルーレさんに似合ってる気がします!

フルーレ

ムーもありがとう

フルーレ

それじゃあ、主様

フルーレ

少しだけお待ちください

フルーレ

はい出来た!

フルーレ

ムーの執事衣装、完成だ!

主様

短時間でこんな可愛い衣装作れるの凄すぎない?!

フルーレ

ほら、ムー

フルーレ

袖を通してごらん?

ムー

フルーレさんとイザナミさんすごい腕前です!

ムー

サイズもピッタリです!

フルーレ

当たり前だろう?

フルーレ

俺達は衣装係だからね!

フルーレ

新しい服が欲しくなったらいつでも俺達に言うんだよ?

イザナミ

フルーレさん、時間が迫っています

イザナミ

早くしないと舞踏会が始まってしまいますよ?!

フルーレ

ほ、ほんとだ?!

フルーレ

もし、舞踏会に遅刻でもしたら…ハウレスさんに叱られて…

フルーレ

あ、主様!申し訳ありません!

フルーレ

早くお召し物を選んでもらっていいですか?

主様

け、結構沢山あるね…

イザナミ

本日は、特別な舞踏会ですから

イザナミ

主様にも素敵な衣装を着ていただきたくて…

イザナミ

さ、流石に多過ぎましたかね…?

フルーレ

でも、主様のお召し物を選んでいたら…

フルーレ

俺達も楽しくなってしまって…つい…

主様

ん〜…この白のシンプルなやつにしようかな?

イザナミ

その衣装ですか、とてもお似合いだと思いますよ!

イザナミ

そしたら…ゴソゴソ(持っていた箱を漁る)

フルーレ

うーん…

イザナミ

ん?フルーレさん?

主様

どうしたの?

フルーレ

主様の選んだものにケチをつけるわけではありませんが…

フルーレ

こっちの派手な衣装の方が主様にピッタリだと思います

フルーレ

主様、こっちに致しましょう!

主様

え、選んだ意味がなかった…w

フルーレ

それでは、主様

フルーレ

お着替えのお手伝いを致します

主様

え?!////

主様

えっと…それは…////

フルーレ

何をボーっとしていらっしゃるのですか?

フルーレ

ボタンを外すので、こちらを向いてください

主様

いやいやいや?!

主様

着替えは1人でできるよ?!

主様

子供じゃあるまいし!

イザナミ

い、いえ…主様

イザナミ

彼は執事としてとしてお着替えをお手伝いしようとしていて…

イザナミ

一応これも、執事の仕事の一環なのですよ?

主様

そ、そう…なの…?

フルーレ

とにかく…!

フルーレ

主様に身支度をさせるわけにはいきません

主様

…だとしても恥ずかしいよ////

フルーレ

主様…

フルーレ

もしかして俺に下心があると疑ってるんですか?

主様

そういうわけじゃないけど…////

ムー

わかりました!

ムー

主様は恥ずかしいんですね!

イザナミ

ムーちゃん、主様はそう言ってましたよ?

ムー

そういえば、そうですね…

フルーレ

でも、なんで着替えを手伝われるのが恥ずかしいの?

主様

逆にわからないの?!

主様

感覚大丈夫そ?!

イザナミ

フルーレさん、私達は執事として手伝っていますが

イザナミ

誰しも、着替えを手伝われることは少ないと思いますよ?

イザナミ

子供か、わがままな貴族でない限り…

フルーレ

ま、まぁ…そうだよね

フルーレ

それに、主様が言うんだし…

フルーレ

かしこまりました…

フルーレ

ムー、そういうことだから…

フルーレ

主様を1人にさせてあげよう

ムー

わかりました!

ガチャッ…ガチャン(ドアを開閉する)

主様

みんな〜着替え終わったよ〜!

ガチャッ(ドアが開く)

ムー

わぁ!主様、とっても素敵に見えます!

イザナミ

そうですね!

イザナミ

…やっぱりフルーレさんのセンスには適わないな〜…w

フルーレ

イザナミにも、イザナミなりのセンスがあると思うよ?

イザナミ

ありがとうございます

イザナミ

おっと、こんなこと押している場合ではありませんでした!

イザナミ

主様、これからヘアセットを致しますので

イザナミ

そちらの椅子におかけ頂けませんか?

主様

ヘアセット?!

主様

いやいや、そこまで込んなくていいよ!

主様

普通にポニーテールでいいし…

イザナミ

そうは行きません

イザナミ

ポニーテールのみですと主様の魅力が引き出せません

イザナミ

まぁ…今でも十分素敵なのですが

イザナミ

もうひと手間加えることでもっと素敵になると私は思いますよ

主様

ん〜…じゃあお願いしようかな?

イザナミ

かしこまりました

イザナミ

出来ましたよ!

イザナミ

このような感じなのですがいかがですか?

主様

え?!うそ?!こんな短時間で?!

約1分程で終わりました

主様

しかも丁寧…

主様

…ありがとう、イザナミ!

イザナミ

フフッw喜んで貰えたようで何よりです♪

フルーレ

主様、良くお似合いですよ

ムー

なんかいつもと雰囲気が違ってゴージャスな感じがします

主様

みんな、ありがとう

フルーレ

さぁ、主様…

フルーレ

舞踏会の会場へお送りします

フルーレ

屋敷の前に馬車を準備しておりますのでそれに乗っていきましょう

グロバナー家本邸 舞踏会会場

フルーレ

さぁ、つきました主様

フルーレ

ここが舞踏会の会場でございます

ムー

綺麗な服を着た人ばかり…

ムー

ちょっと緊張します…

フルーレ

俺も正直こういうところは苦手なんだよね

フルーレ

知らない人がたくさんいるし…

フルーレ

それに、ケリスなんか舞踏会に来て大丈夫だったのかな?

主様

え…?

主様

あ、そういうこと?(気づいた)

イザナミ

はい、そういうことです…w

主様

心配だね〜…

イザナミ

まぁ、彼女には一応一緒にいる執事がいますので

イザナミ

きっと大丈夫ですよ

コツコツ(誰かが来る)

ハウレス

主様、いらしたんですね

ハウレス

お召し物、とても良くお似合いです

フェネス

本当に素敵ですよ、主様

主様

ど、どうも…////

ハウレス

それにしても時間ぴったりだったな

ハウレス

主様を連れてきてくれてありがとう、フルーレ、イザナミ

フルーレ

も、もちろんですよ

フルーレ

余裕を持って行動しましたからね

ムー

本当は洋服作りに夢中でギリギリでしたけd

イザナミ

ムーちゃん、シーッ!w

ムー

す、すいません

ハウレス

主様、街での詳しい話、アモンとイザナミから聞きました

ハウレス

俺が買い出しを頼んだことが原因で主様を危ない目に…

ハウレス

大変申し訳ありません…

主様

いいよ、気にしないで!

主様

ちなみに、アモンは舞踏会に来てるの?

フェネス

大事をとって屋敷で安静にしています

ムー

そうなんですね…

ムー

アモンさん、1人で大丈夫ですかね?

フェネス

ボスキが一緒にいるから安心だと思うよ

ムー

そうですか!

ムー

それなら安心ですね

フェネス

あっ!いいこと思いついた!

フェネス

あとでアモンに舞踏会のご馳走をお土産に持って帰ってあげようか?

ハウレス

あぁ…それはいい考えだな

ハウレス

アモンもきっと喜ぶだろう

ザワザワ…(人の話し声)

フェネス

ん?

フェネス

あちらの方に人だかりが出来ているようだけど

イザナミ

なにかトラブルでもあったのでしょうか?

ザワザワ…(人の話し声)

ロノ

うまっ!なんだよこの肉料理!

ロノ

それにこっちのスープも香辛料が効いてて絶品だな!

ロノ

いや〜、舞踏会って最高だな〜!

ロノ

色々な地方の料理が食えるし!

ハウレス

あ、あれは…ロノ…

ハウレス

まだ貴族の方達も誰一人料理に手をつけていないというのに…

フェネス

彼は食べることが大好きだからね

フェネス

それに、屋敷の食事係でもあるし研究熱心なのかな?

イザナミ

フェネスさん、そのフォローは少し無茶では…?

フェネス

うん…

フェネス

自分でも無理なフォローなのは自覚してるよ

イザナミ

…ハウレスさん、私少し行ってきますね

ハウレス

あ、あぁ…頼んだ

カツカツカツ(ロノの方へ向かう)

イザナミ

はぁ…

バシン!(肩を思いっきり叩く)

ロノ

痛っ?!

ロノ

誰だよ?いきなり肩叩いたの!

イザナミ

私です、ロノさん

ロノ

イ、イザナミ…

ロノ

お、お前…俺の後輩の割に思いっきり叩いたな…

イザナミ

この場で先輩後輩がありますか!

イザナミ

私は、ロノさんの行動が恥ずかしいと思います!

イザナミ

大体なんですか!重要な舞踏会だと言うのに!

イザナミ

あなたもわかっているでしょう?!

ロノ

分かってるよ!そんなこと!

ロノ

だけど、いろんな種類の飯を前にしたらつい…

イザナミ

「つい」ではありません!

イザナミ

子供なのですか、あなたは!

ハウレス

そこまでにしておけ、イザナミ

フェネス

そ、そうだよ

フェネス

それにロノ、どうせ舞踏会のあとは残り物がたくさん出るさ

フェネス

そこで思う存分食べればいいんじゃないかな?

ロノ

そりゃあそうだけど…やっぱり出来たての方が…

ハウレス

はぁ…つまみ食いをする執事なんて聞いたことがない

ハウレス

そんな奴、お前しかいないぞ…

ザワザワ…(人の話し声)

フェネス

ん?

フェネス

あそこにも人だかりが…

主様

もしかして、またつまみ食い?

ハウレス

主様…ご冗談よしてください

ハウレス

流石にこんなバカなことをするのはロノくらいしか…

バスティン

この煮込み料理…うまいな…モグモグ…

ハウレス

はぁ…バスティン…あいつもか…

イザナミ

うちの食事係はどうしてこうなんでしょうね…

ハウレス

すまん、少し行ってくる…

コツコツ(バスティンの方へ向かう)

ゴチン!(バスティンの頭を殴る)

バスティン

ん?なんだ…?敵か?

ハウレス

バスティン!ロノ!

ハウレス

お前達は外に出て頭を冷やしておけ!

ロノ

うわっ?!

バスティン

ま、まだ食いかけなのに…

ガチャン(閉め出す)

ハウレス

ったく…

ハウレス

あいつらは、緊張感のかけらもない…

フェネス

リーダーは大変だね

ハウレス

別に好きでやってるわけじゃないさ

ハウレス

ただ、俺がしっかりしないとあいつらは何をやらかすか分からん…

ハウレス

それに何より…

ハウレス

俺達執事の失態は主様に恥をかかせることになる

ハウレス

それだけは避けなくてはならない

フェネス

それはその通りだね

フェネス

俺もできる限りフォローするよ

イザナミ

私も、できるだけハウレスさんに負担がないように手伝います

ハウレス

あぁ…ありがとな…2人共

ザワザワ…(人の話し声)

ムー

だいぶ人が増えてきましたね

イザナミ

もうそろそろ、貴族の方々が入場してくるはずですよ

グロバナー家当主

紳士淑女の皆様

グロバナー家当主

本日はグロバナー家主催の舞踏会にお越しいただき
ありがとうございます

グロバナー家当主

この舞踏会は4つの絆を確かめるとしても大切な舞踏会でごさまいます

グロバナー家当主

ぜひ、皆様最後までお楽しみください

グロバナー家当主

それでは遠方よりいらした

グロバナー家当主

サルディス家、ウォールデン家、ポートレア家の
貴族様のご入場でございます

グロバナー家当主

…貴族様、ご入場です

ドワーン!(鐘の音)

ムー

あっ!この鐘の音は、街で聞いた音です

グロバナー家当主

最初のご入場は、東の大地を治めるサルディス家様

ザッザッ…

???

ムー

あっ!あの人、街でお見かけした人ですね!

主様

儀式をしてた人だね…

ザッザッ…

サルディス家当主

ベリアン

あの方はサルディス家の当主「サルディス・フブキ」様

ベリアン

策略家であり、冷酷な方だと聞いております

ムー

一見優しそうにも見えますが…

ベリアン

まぁ、あれだけ広い東の大地を統治するには
それぐらいの器がないといけないのかも知れませんね

グロバナー家当主

お次は、西の大地を治めるウォールデン家様…

ウォールデン家当主

ベリアン

ウォールデン家の当主「エルボア」様

ベリアン

自然を愛し、温厚な方だと聞いております

ムー

なんだかとても優しそうな人ですね!

ベリアン

ウォールデン家は自然を愛し、森に住む方々です

ムー

そうなんですね!

イザナミ

あくまで噂ですけど…

イザナミ

森の精霊の力を使うことができるって聞いたことがあります

ムー

精霊…!

ムー

それが本当ならすごいですね…

グロバナー家当主

そして最後に南の大地を治めるポートレア家様…

ザッザッ…

ポートレア家当主

ベリアン

ポートレア家の当主「シャーキル」様

ベリアン

宗教の規律を守ることを何よりも大切にされている方と聞いております

ベリアン

ポートレア家は独自の宗教を崇拝し、その規律を重んじられる家柄

ベリアン

仕事や恋人を決めるとこまで神様のご意志に従うらしいですよ

ムー

なんか、すごい人達ですね

グロバナー家当主

全ての貴族様…

グロバナー家当主

この度はわざわざ、我がグロバナー家までお集まりいただき

グロバナー家当主

誠にありがとうございます

グロバナー家当主

近頃は、人類の厄害ともいえる天使の数が増してきており…

グロバナー家当主

毎日のように、尊い命が失われております

グロバナー家当主

しかし、ご安心ください

グロバナー家当主

我がグロバナー家に仕える、悪魔執事とその主人がいれば…

グロバナー家当主

天使達など恐るるに足りません

グロバナー家当主

彼らが責任を持って…

グロバナー家当主

すべての大地に、必ず平和をもたらしますことをお約束します

グロバナー家当主

それでは皆さん…

グロバナー家当主

こちらが天使達を討伐しております、悪魔執事達でございます

ムー

うわっ!ホールの灯りが消えちゃいました!

ムー

い、一体何が起きているんですか?!

主様

何かの事件…?!

ムー

あっ!主様!中央の舞台を見てください!

ムー

ハウレスさんとフェネスさんが踊っています!

ムー

あっ!ナックさんも出てきましたよ!

ムー

皆さん歌って、踊ってますね!

ムー

ダンスも美しくて、綺麗な歌声です!

主様

悪魔執事って結構多才だね…

ムー

執事さん達すごいですね!

ムー

かっこいいです!

数分後

パチパチパチ(拍手の音)

グロバナー家当主

集まりし貴族の皆様…

グロバナー家当主

執事達による余興はお楽しみ頂けましたか?

グロバナー家当主

これからも、執事達が我々4つの名家を天使から
平等に守るとお約束します

グロバナー家当主

4つの名家が共に発展していく未来を目指しましょう

パチパチ…ザワザワ…(拍手の音と人の話し声)

主様

な、なんか私…すごいとこ来ちゃった…

ベリアン

主様、どうなされたのですか?

ベリアン

ボーッとされているようですが…

主様

皆って歌や踊りもするんだね

主様

少し驚いちゃったw

ベリアン

初めて見たら、それは驚きますよね

ベリアン

私達執事はこのグロバナー家の権力の象徴…

ベリアン

つまりは、まぁ見世物のようなものなのですよ

ベリアン

見世物になるなら、いっそ派手にと思いましてね

ムー

なるほど〜!

ムー

だから歌って踊ったりしてたんですね!

ムー

他の貴族さん達も盛り上がってましたね

ベリアン

フフッ…wそれはどうでしょうか?

ムー

えっ?

ムー

どう見ても皆さん盛り上がってる感じでしたけど…

ベリアン

ここに来ている4つの貴族達は…

ベリアン

表面上は友好的に見えますが、決してそんなことはありません

ベリアン

裏では、お互いつけ入る隙がないかとうかがっています

ベリアン

権力争いとはそういうものですよ

ベリアン

特に権力の象徴である我々悪魔執事や

ベリアン

主様につけ入る隙をうかがっていることでしょう

主様

そ、それは…大丈夫なのかな…?

ベリアン

まぁそこまで身構える必要はございません

ベリアン

主様に何があれば私達執事がお守りします

ベリアン

主様は大船に乗ったつもりでいてください

主様

フフッwありがとう!

ザワザワ…(人の話し声)

イザナミ

(…随分と賑わってきたな)

イザナミ

(まぁ、私達は私達の仕事をするのみだな)

東の大地の貴族

ねぇ!なんでこんなところに小さい子供を置いているの?!

東の大地の貴族

危ないじゃない!

イザナミ

(なんだ?迷子か?)

カツカツカツ…(声のする方へ向かう)

イザナミ

どうなさいました…か…(…そういうことか)

東の大地の貴族

あ、悪魔執事!

東の大地の貴族

この子を保護して親元に連れていきなさい!

東の大地の貴族

危うくこの男どもに連れていかれるとこだったわよ!

中央の大地の貴族

連れていくだなんて失礼な!

中央の大地の貴族

俺達は一緒に飲もうと思って

東の大地の貴族

それが危険なのよ!

東の大地の貴族

栄える大地でもこんな方がいるの?!

東の大地の貴族

信じられない!

イザナミ

…お取り込み中のところ申し訳ございません

イザナミ

彼女は"悪魔執事"でございます

イザナミ

ね?ケリス

ケリス

ッ?!(泣

タッタッタッ(走り寄る)

ギュゥッ(後ろに隠れ服を掴む)

イザナミ

…全くお前は

東の大地の貴族

そう…悪魔執事だったのね

東の大地の貴族

通りで燕尾服を着ているはずだわ

東の大地の貴族

でも、子供だからってお前達を私は特別扱いなんかしない

東の大地の貴族

むしろあいつらと同じ扱いよ

東の大地の貴族

ほら、さっさとこの場からお退きなさい!

ケリス

ビクッ?!

中央の大地の貴族

そうだそうだ!

中央の大地の貴族

可愛がってやろうと思ったのに

中央の大地の貴族

寄りによって悪魔執事かよ

中央の大地の貴族

邪魔もんはどっか行け!

中央の大地の貴族

シッシッ!

イザナミ

…お気分を悪くさせてしまい申し訳ありません

イザナミ

代わりにこちらのブローチでお許しください…

東の大地の貴族

ブローチ…ねぇ…

東の大地の貴族

まぁいいわ

東の大地の貴族

そのブローチの輝きに免じて許しましょう

東の大地の貴族

私、そこにいる貴族様よりは器が小さくないものw

中央の大地の貴族

んだと?!

イザナミ

言い争いはおやめ下さい

イザナミ

双貴族様ともにとても素晴らしい方だと私は思います

イザナミ

どうか、お心をお沈め下さい

中央の大地の貴族

ふん…おい、悪魔執事

中央の大地の貴族

そんなブローチより、ワイン持ってこい

イザナミ

ワインですか?

イザナミ

かしこまりました、直ちにお持ち致しますね

カツカツカツ…

イザナミ

…ケリス、向こうにフルーレさんがいらっしゃるから手伝ってきな

ケリス

コクッ(頷く)

タッタッタッ(走っていく)

イザナミ

…お待たせ致しました

イザナミ

こちらでよろしかったですか?

中央の大地の貴族

ん…ゴクッ…

中央の大地の貴族

チッ…まじいなぁ!

バシャッ(ワインをかけられる)

イザナミ

…も、申し訳ございません

中央の大地の貴族

あ"ぁ"もうどっか行け!

中央の大地の貴族

俺は自分で入れてくる!

ザッザッザッ…(離れていく)

東の大地の貴族

まさかあの貴族、癇癪持ちとわねぇ…

東の大地の貴族

あの方と話さなくて正解だったわ…

イザナミ

貴族様、ご迷惑をお掛けしてしまいました…

イザナミ

申し訳ありません…

東の大地の貴族

もう謝らないでちょうだい

東の大地の貴族

私はもう行くわ

東の大地の貴族

あんな癇癪持ちの近くにいたくないもの

コツコツコツ…(離れていく)

イザナミ

(…あいつがよく口にするワインを持ってきたんだがな)

イザナミ

(…それにしても…あいつわざと白の部分に掛けたな)

イザナミ

(仕方ない…上着で誤魔化すか…)

イザナミ

(…着替えたもののどうするか)

イザナミ

(ん…?主様と貴族がぶつかりそうだn…)

イザナミ

(ってあいつぶつかったな…)

タッタッタッ…(主の元に行く)

ポスッ(受け止める)

イザナミ

主様、大丈夫ですか?

主様

イザナミ?!

主様

えっと…おかえり!(?)

イザナミ

い、いえ…主様…おかえりでは無いのですよ

イザナミ

お怪我はありませんか?

主様

ま、まぁないから、大丈夫だよ

イザナミ

それなら良かったです

ムー

だ、大丈夫でしたか?主様!

貴族の男

チッ…立ち話してるなよ

貴族の男

邪魔だ、どけ…!

主様

す、すみません…

貴族の男

全く…一体どこに目をつけておるんだ

貴族の男

このワシにぶつかるなんて…

貴族の男

確かお前は悪魔執事の屋敷の…

主様

しゅ、主人…です…

貴族の男

忌々しい執事どもの主人とは…なんと穢らわしい

ムー

なんだと!失礼なおじさんですね!

イザナミ

ムーちゃん!それこそ失礼です!

ムー

ご、ごめんなさい!

ルカス

大丈夫ですか?主様!

ルカス

お怪我はありませんか?

主様

うん、イザナミが来なかったら私多分そのまま尻もちついてたかも…

ルカス

そうですか、お怪我がなくて良かったです

貴族の男

ほぉ〜

貴族の男

貴族のワシよりもそいつの心配を優先か?

貴族の男

やはり、悪魔執事にはまともな執事がおらんな…

ルカス イザナミ

ルカス

これはこれは、サルディス家の貴族様

ルカス

大変失礼しました

イザナミ

私も失礼致しました…

イザナミ

お怪我はございませんか?

貴族の男

ふん…お前達ごときに心配されるほど、ワシは落ちぶれておらん

ルカス

それは流石でございます

ルカス

屈強で誇り高きサルディス家らしいですね

貴族の男

お前のような軟弱な男に、ワシらサルディス家の凄さなど

貴族の男

理解できないだろう

ルカス

その通りでございます

ルカス

私達はサルディス家の貴族様と違い、薄暗い屋敷に住む執事…

ルカス

まさかサルディス家の貴族様を理解できるはずがありません

イザナミ

そして、サルディス家の貴族様は私達よりもとても高貴であるため

イザナミ

適うはずがございません

貴族の男

チッ…お前達さえいなければ…

貴族の男

グロバナー家に偉い顔をされんで済むものを…

ルカス

…ご気分を悪くさせてしまい申し訳ありません

貴族の男

ふん…

ガシャン!(ナイフの落ちる音)

貴族の男

うわっ!なんだ?!

ラムリ

すいませーん

ラムリ

うっかりステーキ用のナイフを落としてしまいました〜

貴族の男

お、お前!危ないじゃないか!

貴族の男

もう少しでワシの足に刺さるところだったぞ!

ラムリ

本当ですね〜

ラムリ

もう少し右たったら刺さってたのに〜

ラムリ

マジで残念っすね〜

ルカス

ラ、ラムリくん…

イザナミ

ラムリさん、少しやり過ぎです…

ラムリ

イーちゃんはそう言うけどさ〜

ラムリ

おっさん、アンタ何ルカス様に頭下げさせてんすか?

ラムリ

それに、ボクの主様に怪我させようとしてるとか
マジ許せないんだけど…

貴族の男

お前!ワシがサルディス家の人間と知っての無礼な!

ラムリ

はぁ?

ラムリ

アンタになんて1ミリも興味ないんだけど

バシン!(頭を叩く音)

ラムリ

痛っ?!

イザナミ

申し訳ありません、サルディス家の貴族様

イザナミ

先輩がとんだご無礼を…

ハウレス

大変申し訳ありません、サルディス家の貴族様

ハウレス

この執事は、少し精神的に未熟でして…

ラムリ

ハ、ハウさん…?!

ラムリ

てか、ボクが精神的に未熟って言った…?!

イザナミ

ラムリさんは少し黙ってください!

ラムリ

ウッ…イーちゃんの当たりが強い…

貴族の男

はぁ…いくら未熟だろうがこんな無礼許されるはずがないだろう!

ハウレス

それは、貴族様のおっしゃる通りでございます

ハウレス

大変無礼な要望かと思いますが、そのお詫びとしまして…

ハウレス

こちらの最高級のワインをご用意させていただければと思います

ハウレス

どうかお心の広い貴族様

ハウレス

今回はこれで愚かな執事を許してくださいませんか

貴族の男

…ふん…そうだな、ワシは心の広い貴族

貴族の男

愚かなお前達を許してやるとしよう

ハウレス

寛大な心遣い、感謝いたします

ハウレス

どうぞ、こちらがそのワインでございます

貴族の男

次、もし無礼を働いてみろ

貴族の男

ただじゃおかないからな

コツコツ…(去っていく)

ムー

な、なんとか丸く治まりましたね

ルカス

ありがとう…ハウレスくん

ルカス

助かったよ

ハウレス

いえいえ、若い執事の監視も俺の仕事ですから

ルカス

イザナミちゃんも、フォローありがとう

イザナミ

いえ、とんでもないです

ラムリ

てか、イーちゃん

ラムリ

あのバシン!は痛かったよ?

ラムリ

ボクたんこぶ出来ると思ったもん…

イザナミ

そうでもしないとあなたは止まらないでしょう…

主様

イ、イザナミって思ったよりもパワー系だよね

主様

私、初めて会った時「お淑やかな子だな〜」って思ってたら

主様

街の騒動と今回のことでイメージガラッと変えちゃうんだもん…w

イザナミ

ま、まぁ…街での騒動は…少しカッとなってしまい…

主様

でも、守ってくれてる時のイザナミかっこよかったよ!

イザナミ

主様…ありがとうございます

ラムリ

ったくあいつ…

ラムリ

今度、主様とルカス様に暴言を吐いたら、マジでやっちゃおうかな〜

ハウレス

少しは反省しろ、ラムリ

ハウレス

ここでのいざこざはすぐに貴族間の問題になってしまうんだぞ?

ラムリ

それは、そうかもだけど〜

ハウレス

それに、ここで俺達が迷惑をかけると主様にも迷惑がかかる

ハウレス

主様に迷惑をかけるのはお前も嫌だろ?

ラムリ

それは…

ザッザッ…

フェネス

ナイスフォローだったよ、ハウレス

ハウレス

フェネス、良いところに来てくれた

ハウレス

さっきの貴族の方に…

フェネス

わかってる、ちゃんと後でもう一度お詫びをしてくるよ

ハウレス

すまないな

ハウレス

お前が居てくれて助かる

フェネス

ハウレスもお疲れ様

ハウレス

ロノもバスティンもラムリも…

ハウレス

まったく…まともなやつはいないのか?

ハウレス

これでラトまで来たら…

フェネス

大変どころの騒ぎじゃないね

ハウレス

想像するだけで恐ろしい…

イザナミ

で、でもラトさんにはミヤジさんが着いていますし

イザナミ

恐らく大丈夫だと思いますよ

ハウレス

だといいんだがな…

ムー

ラトさん?

ムー

確か地下の部屋所属の執事さんですよね?

イザナミ

うん、ラトさんは強い上に何をしでかすか想像がつかなくて…

イザナミ

前なんか…いや、これは言わない方がいいですね…

主様

え?逆に気になる…

ハウレス

とにかく、主様もラトには近づかないようにお気をつけくださいね

主様

き、気をつけるよ…

フェネス

それにしてもハウレス

フェネス

舞踏会が始まる前からずっと動きっぱなしじゃないの?

ハウレス

まぁ、そうだな…

フェネス

少し休憩してきたらどう?

フェネス

このままだと舞踏会の最後まで持たないよ?

ハウレス

それもそうだな

ハウレス

それじゃあ、主様を頼んだぞ、フェネス

フェネス

あぁ…任せて

ハウレス

では、主様

ハウレス

少し失礼致します

コツコツ…

ルカス

そういえば、イザナミちゃん

ルカス

舞踏会が始まる前まで上着は来ていなかったよね?

ルカス

どうしたんだい?

イザナミ

えっと…少し寒いな〜っと思いまして…

主様

そっか…体調管理には気をつけなよ?

イザナミ

フフッwありがとうございます

主様

…(そういえばロノとバスティン、今どうしてるんだろ…)

イザナミ

…?主様どうされたのですか?

主様

うーん…今ロノとバスティン、どうしてるのかな〜って思ってさ

イザナミ

では、私が確認してきましょうか?

主様

ごめん、お願い

イザナミ

いえいえ、気にしないでくださいね?

イザナミ

それでは…

カツカツカツ…

ケリス視点

ケリス

(は、走ってきたけど…周りが…怖い…泣)

フルーレ

あれ?ケリス?

ケリス

フ、フルー…レ…

フルーレ

向こうで何かあった?

ケリス

ま、まぁ…少し…

フルーレ

た、大変だね…

ケリス

そ、そういう…フルーレは…?

フルーレ

うーん…こっちもこっちで人に声かけらるはなんの…

フルーレ

応答に困ったよ…

ケリス

お疲れ様…

ケリス

はぁ…貴族の相手をするのは本当に…苦手だy…

ガシャン‼️

貴族の男

こいつ!!!いきなり何をする!!

フルーレ

な、なんの騒ぎ?!

ケリス

…?!(あれって…)

ケリス

ねぇ…フルーレ…あそこにいるのってもしかして…

フルーレ

う、うん…もしかしなくても…ラト…だね…

フルーレ

うぅ…心配だな…

フルーレ

ちょっと俺行ってくる!

タッタッタッ…(走っていく)

ケリス

フ、フルーr…(ど、どうしよう…ひ、1人は…い、嫌だし…怖い…)

ケリス

…ぼ、僕も行く…!

タッタッタッ…(追いかける)

フルーレ

ラト!なんでキミがここに?

ケリス

コクコク…(頷く)

ラト

おや?フルーレとケリスも来てたんだね?

ケリス

ね、ねぇ…来ちゃ…ダメって…忠告…されて…た…よね…?(小声)

ケリス

な、なんで…ここにいるの…?(小声)

ラト

ケリスまでそんな悲しいこと言わないでくれよ

ラト

私だけ仲間はずれは寂しいじゃないか

フルーレ

いつも仲間はずれにされるようなことしているからだろ?

ラト

はぁ…フルーレまで…

ラト

せっかく同じ部屋の同居人なのに

ラト

そんな冷たいこと言わなくていいじゃないか

ラト

私をこれ以上傷つけるのはやめてくれ

ラト

こう見えて繊細なんだよ?

フルーレ

はぁ…よく言うよ

フルーレ

人の意見なんて全然気にしてないくせに

貴族の男

お、おい!執事ども!

貴族の男

ワシを無視するでない!

ケリス

ビクッ?!(泣

サッ…(フルーレの後ろに隠れる)

貴族の男

それになんだその子供は!悪魔執事なのであろう?

貴族の男

そんな腰抜けをなぜこんな静粛の場に連れてきているのだ!

ケリス

ッ…(泣

貴族の男

チッ…メソメソしやがって…鬱陶しいわ!

ラト

もぅ…豚さんもしつこいですね

貴族の男

誰が豚だ!

貴族の男

さっきからワシを馬鹿によって!

ラト

馬鹿になどしていませんよ

ラト

私は本当のことを言ったのみです

貴族の男

ええい!この無礼者!

貴族の男

貴族のワシにこんな恥をかかせるとは…

貴族の男

絶対に許さんぞ!

ラト

へぇ〜…許さない?

ラト

もしかして…私に「お仕置き」でもするつもりかな?

ラト

いいね、一体どんなお仕置きをしてくれるのかな?

貴族の男

ぐッ…

ケリス

ラ、ラト…や、やめなy

ケリス

ケホッケホッケホッ…(だ、ダメだ…声が…出ない…)

フルーレ

ケ、ケリス?!大丈夫?!

ケリス

フルフル…(首を振る)

ケリス

(声が…上手く出せないよ…)

ラト

ほぉら!早くしなよ…

貴族の男

ぐぬぬ…こ、この狂人めが…

ラト

あれ〜?

ラト

さっきまであんなに威勢がよかったのに…

ラト

もしかして怖くなっちゃったかな?

ラト

威勢のいい豚さん

コツコツ…(貴族に近づく)

貴族の男

ひ、ひぃ…!

貴族の男

こ、こっちにくるな!

ラト

おい…逃げるなよ…

ケリス

(こ、このままだとラトが…!)

タッタッタッ…(ラトの方に走る)

ギュイッ(ラトを引っ張る)

ラト

おや?ケリス?

ケリス

ダメ…だよ…ラ…ト…(小声で)

ケリス

サ、サルディス家の人に…お、怒られちゃう…よ…(小声で)

ラト

でもさぁ?この豚さんがしたことは変え難い事だよ?

ラト

罰して何が悪いのさ?

ケリス

そ、それでも…ぼ、暴力は…違う…(小声)

ミヤジ

ラトくん、そこら辺にしておきなさい

ミヤジ

サルディス家の方に失礼でしょう?

ケリス

…!(ミヤジ先生だ…!)

ラト

ん?この声は…

ラト

ミヤジ先生じゃないですか!

ラト

先生も来てらしたのですね!

ミヤジ

ラトくん、もうやめるんだ

ラト

えっ?どうしてでしょうか?

ラト

この失礼な豚…壊してもいいかなぁって思ってたところなんですけど

ミヤジ

ラトくん、そんなことしたらダメなのは分かるだろう?

ラト

壊したらダメ?うーん…どうしてでしょうか?

ラト

この豚は醜いくせに、美しいお嬢様達に汚い唾液を
撒き散らしていましたし…

ラト

実際に、お嬢様達も迷惑に感じていたと思います

ラト

それなら、この豚を消してしまった方がよくありませんか?

ミヤジ

キミの言うことも分かるが

ミヤジ

ここで問題を起こすとどんな処分が下されるかわからないよ?

ミヤジ

それこそ、悪魔執事の解体もありえるかもしれない

ミヤジ

そうなると、フルーレくんや私と同じ部屋で暮らすことも

ミヤジ

ケリスちゃん達と話すこともできなくなるがそれでいいのかい?

ラト

うーん…この豚を消すのがダメかどうかは、正直わかりませんが…

ラト

ミヤジ先生やフルーレと一緒に暮らせなくなるのは嫌ですね

ラト

分かりました

ラト

では、この豚さんを消すのはやめることにしましょう

ミヤジ

そうか、言うことを聞いてくれてありがとう

ミヤジ

ほら、向こうに…キミが好きそうなサラダがあるよ

ミヤジ

食べるかい?

ラト

サラダ!いいですね

ラト

パセリもありますか?

ミヤジ

あぁ…食べ切れないほどあるはずだよ

ラト

それはいいですね

ラト

早速いただきましょうか

ハウレス

さすがミヤジさん、ラトの扱いに慣れてるな…

ロノ

結局、人は食欲には勝てねぇってことだな

ハウレス

ロノ…お前、つまみ食いのこと棚に上げようとしてるんじゃないだろうな?

ロノ

別にそういうわけじゃねーよ

ケリス

…あ、あの…ミヤジ…先生

ケリス

ラ、ラトを…追いかけて来てくださって…ありがとう…ございます…

ケリス

恐らく…僕達だと…きっと止めれなかった…ですから…

ミヤジ

とんでもないよ、私はラトくんが心配できただけだからね

ケリス

それだけでも、とてもありがたかったです…

ラト

そうだ!

ラト

フルーレとケリスも一緒に食べましょう!

フルーレ

お、俺…?

フルーレ

俺はいいよ…

フルーレ

あまり野菜は好きじゃないし…

ケリス

ぼ、僕もいいかな…

ケリス

屋敷の方でクッキー食べたし…

ラト

もぅ…フルーレ、好き嫌いしてはダメだろう?

ラト

それに、ケリスはそれだけしか食べないのかい?

ラト

バランスよく栄養を取ったりたくさん食べたりしないと

ラト

おチビさんのままですよ?

ケリス

偏食してるラトには言われたくない…

フルーレ

それに…身長のことラトにだけは言われたくないね

ケリス

僕に至ってはは持病でこうなんだから…仕方ないじゃん…

ラト

ミヤジ先生、聞きましたか?

ラト

どうやら2人は反抗期ですよ

ラト

私はとても悲しいです

フルーレ

年齢が少し上だからって兄貴ヅラするのやめてもらっていい?

ケリス

コクコク…(頷く)

ミヤジ

まぁ、まぁ、フルーレくん、ケリスちゃん

ミヤジ

ここはラトくんの誘いに乗ってくれるかい?

フルーレ

ミヤジ先生の頼みなら…

フルーレ

別にいいですけど…

ケリス

…僕も…です

ケリス

それに…ラトの行動が心配ですし…

ラト

それじゃあ、4人でパセリパーティですね!

フルーレ

パセリパーティって、馬鹿じゃないの?

フルーレ

俺は絶対食べないから

ケリス

ぼ、僕は食べるとしたら少しだけかな…

ラト

えぇ〜どうして?

ラト

あんなに美味しいのに…

ケリス

アッハハ~…

ミヤジ

それでは、みんな申し訳ないが後のことはよろしく頼んだよ

ラト

ほらほら、3人とも行きますよ!

ケリス

ラト…騒ぎすぎないでね…?

舞踏会翌日

タッタッタッ…

イザナミ

ん〜!(体を伸ばす)

イザナミ

(今朝のランニングは終了っと…)

イザナミ

(…少し的当てでもするk)

ハウレス

いい加減にしろ!2人共!

イザナミ

(…ま、またやってる)

イザナミ

(どうせ協力しろって言われて揉めてんだろな…)

イザナミ

(で、解散後フェネスさんがフォローに入ると…)

イザナミ

(なんかもう決まってんだよな…)

イザナミ

(ハウレスさんも大変だな…)

イザナミ

(…もう少し早めにダッシュでこっちに来てたら気づけてたかもな)

タッタッタッ…(誰かが来る)

ケリス

先輩〜、郵便受けに先輩宛のものがありましたよ〜

イザナミ

あ、マジか

イザナミ

サンキューw

ペラッ(封を開ける)

イザナミ

…(また"あいつら"からか…)

イザナミ

…わかった

イザナミ

手紙を読むのはここら辺にして部屋に戻って着替えるか

ケリス

は〜い

ケリス

…先輩って、いつも朝ランニングをしていますよね

ケリス

なんと言うか…継続力があってすごいと思います…!

イザナミ

まぁ、小さい頃からの週間だしな

イザナミ

これやんないと朝が始まんないみたいな感じなんだよw

ケリス

なるほど…

イザナミ

さ、戻るぞ

ケリス

は〜い

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝「墓の依頼」

882タップお疲れ様でした

2人の女悪魔執事

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ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙出たい ‎(ᐡ ̥_ ̫ _ ̥ᐡ)

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