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浅野優菜
あ、あの これ落としましたよ…！
浅野優菜
…って行っちゃったし。
“2年A組 鬼塚紘輝”
浅野優菜
(男の子！？こんな可愛いクマさん付いてるのに)
浅野優菜
…どんな人だろう
昼休み
浅野優菜
あの、すいません。
浅野優菜
鬼塚君って人いますか？
鬼塚紘輝
俺だけど
浅野優菜
え！？同姓同名とか…？
鬼塚紘輝
だれ？何の用？
浅野優菜
あ、私 2年B組の浅野と言います
浅野優菜
この度は鬼塚君のハンカチをお持ちいたしました
鬼塚紘輝
あー、サンキュー
鬼塚紘輝
落としてたの気付かなかったわ
鬼塚紘輝
って、何で敬語？
浅野優菜
(何もこうにも、イメージと全然違う男子！)
浅野優菜
(もっとおっとりしてて可愛い男子かと思ったら…！)
浅野優菜
ちゃんと男子…。
鬼塚紘輝
は？俺がオカマかと思った？
浅野優菜
あ、いやその。
浅野優菜
ハンカチにクマさん付いてるので、てっきりもっと
浅野優菜
おっとりしてて可愛い方かと…。
鬼塚紘輝
ふーん、じゃあ何？
鬼塚紘輝
俺がカッコいいって？
浅野優菜
いえいえ、そんな とんでもないです！？
鬼塚紘輝
え、何か全力否定されると悲しくなってくるんだが…？
浅野優菜
し、失礼しました！
鬼塚紘輝
あ、おい！
浅野優菜
(何なんだ、あの顔面偏差値の高さは！)
浅野優菜
(それにドS！？)
浅野優菜
(少女マンガのヒロインか私は…！)
狩野千聖
あの、浅野さんだっけ？
狩野千聖
ちょっといい？
浅野優菜
は、はい？
狩野千聖
さっき鬼塚君と話してたけど、親しい友達かなんか？
浅野優菜
い、いえ！初対面です
狩野千聖
初対面であんなに話すんだー
狩野千聖
凄いね、浅野さんって
狩野千聖
男子を口説くのが上手なのね？
浅野優菜
え…？
狩野千聖
天然ぶって近づいて鬼塚君を取る気？
浅野優菜
いえ、私は…
狩野千聖
そうはさせないから
狩野千聖
明日、鬼塚君と喋ったら覚えておきなさいよ
浅野優菜
(鬼塚君ってそんなにモテるんだ…)
浅野優菜
(そうだよね、私なんかが…)
翌日
鬼塚紘輝
あ、浅野だっけ？
鬼塚紘輝
昨日の恩に今日お昼一緒に食べない？
浅野優菜
もう私に構わないでください
鬼塚紘輝
え？
浅野優菜
そーゆー事、女子みんなに言うんでしょ？
浅野優菜
意地悪だよ、そんなの…
浅野優菜
意地悪くんなんか知らない！
浅野優菜
(これで良いの。)
狩野千聖
浅野さん凄いねー
狩野千聖
あんな突き放し方したら鬼塚君が可哀想でしょ
狩野千聖
でも、そこが少女マンガのヒロインか〜
狩野千聖
最後まで演じるなんて浅野さんの事、尊敬しちゃう！
狩野千聖
あっははは！
浅野優菜
(もう、誰の言葉も聞きたくない！)
浅野優菜
(どこか、遠い…)
浅野優菜
(誰の声も届かない場所…)
“屋上”
浅野優菜
空いてる…？
鬼塚紘輝
あ、やっぱり来ると思った
浅野優菜
お、鬼塚君！？
鬼塚紘輝
何さっきの意地悪君って
浅野優菜
いや、あれは
鬼塚紘輝
ふっ、本当 浅野って面白いな
浅野優菜
え…？
鬼塚紘輝
突然 意地悪君って言ってみたり
鬼塚紘輝
俺のことカッコいいって思ったり
浅野優菜
いや、後者の方は否定しました！
鬼塚紘輝
じゃあ、これっぽっちも思ってくれないんだ？
浅野優菜
そーゆーのです。
鬼塚紘輝
え？
浅野優菜
そーゆーのが意地悪なんです
浅野優菜
本当は私の気持ちにだって勘づいてるくせに
浅野優菜
遊ぶような、試すような事をして
鬼塚紘輝
浅野の気持ち…？
浅野優菜
私は好きなんです！
浅野優菜
鬼塚君のことが！
浅野優菜
でも、好きだからこそ
浅野優菜
その意地悪が傷つくんです！
鬼塚紘輝
…へぇ
鬼塚紘輝
じゃあもっと意地悪しようかなー
浅野優菜
…っ！？
浅野優菜
(キ、キス…！？)
鬼塚紘輝
素直に告白しなかった罰
浅野優菜
そーゆー意地悪なところが…！
鬼塚紘輝
好きでしょ？
浅野優菜
浅野優菜
はい…
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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