藤澤
はぁ…。
僕ってなんでいつもこうなんだろう。
一生懸命やってるのに、 ミスばっかりで、毎日部長に怒られてばかり。
今日もまた残業…
大森
藤澤先輩、今日もまた残業ですか?
藤澤
え、あ…うん。
僕に話し掛けて来た眼鏡の人は、 後輩の大森くん。
後輩だけど、凄く仕事が出来て、 上司からも期待されてて、 僕とは正反対の人。
若井
部長怒りすぎだよねー。
藤澤
うん…でも、出来ない僕が悪いから。
僕を慰めてくれてるのも、後輩の若井くん。
若井と元貴は中学からの腐れ縁らしくて、 職場まで一緒でウンザリしてるって前に言ってたけど、何やかんや仲は良いと思う。
僕にはそういう友達は居ないから、 少し憧れちゃう。
大森
おい、若井。
お前、後輩なんだから敬語使えよ。
お前、後輩なんだから敬語使えよ。
若井
えぇー。
涼ちゃんはなんか先輩って感じじゃないからなー。
涼ちゃんはなんか先輩って感じじゃないからなー。
大森
馬鹿!ちゃんとしろよ、まじで。
僕を挟んで言い合いが始まってしまった。
藤澤
二人共、もう就業時間終わったから、帰りな?
僕は二人を止めるようにして、話し掛ける。
若井
ほんとだ!
元貴行こうぜっ。
元貴行こうぜっ。
大森
はいはい。
大森
藤澤先輩お疲れ様です。
残業頑張って下さい!
残業頑張って下さい!
若井
涼ちゃんお疲れー!
本当に、仲が良いのか悪いのか…
僕に挨拶をすると二人一緒に帰って行った。
てか、若井くん… いつの間にか僕の事、涼ちゃんって呼んでるし…
まあ、二人に比べてダメダメな僕なんて、 先輩って思われなくても仕方ないよね。