テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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天使の証明

第2話 - 第1話「天使との出会い」

124

2025年01月13日

#カントリーヒューマンズ

#EU×国連

#曲パロ

쇠약/衰弱👑🍎💛

国連

……君は、誰？

窓を開けて現れた男に、国連は警戒心を露わにした。白い息が冷たい風に溶けていく。目の前の男――青と金の服装に身を包み、端正な顔立ちをしたその姿は、現実感がないほど美しかった。

俺はEU。あなたに会いに来た。

国連

EU....放っておいてくれ。

簡潔で、まるで当然のことのような口調だった。国連は困惑する。知らないはずの男が、自分に会いに来たというのだ。

国連

……何の用？

救いに来たんだよ。

国連

(その一言に眉がぴくりと動く。)

国連

救い……？僕がそんなに助けを必要としてるように見えるの？

国連

ハハ、...

自嘲気味に笑う国連。けれど、その笑いにはどこか棘があった。

EUは気にする素振りも見せず、まっすぐ国連の瞳を見つめる。

そうだな。

あなたは自分が壊れるまで、自分の弱さを認めないタイプだ。

国連

！？

その言葉に、国連はぎょっとした。心の奥に触れられたような感覚に、言葉が詰まる。

国連

……帰って。僕は別に、EUに頼んでない。

頼まれたから来たわけじゃない。

俺が来たかったんだ。

これが、国連さんの毎日か？

書類に埋もれて、誰とも話さず、ひたすら作業をするだけの生活。

EUはまるで当然のことのように言うと、国連のデスクに目をやる。

国連

……それが仕事だ。

そんな生活、もう終わりにしろ。

EUの言葉は力強く、国連の胸を打った。

ヒュ～そよそよ

冷たい風が二人の間を通り過ぎる。国連はそれ以上何も言えなかった。

目の前の男の瞳に映るのは、無機質な灰色の世界ではなかった。それは、温かな光を宿しているように見えた。

あなたはここにいるべきじゃない。

国連

……余計なお世話だ。

突き放そうとする言葉とは裏腹に、国連の胸には小さな何かが芽生え始めていた。それは、彼自身もまだ気づいていない感情

－―希望と呼べるものだったのかもしれない。

余計かどうかは、あなたが決めることじゃない。

EUは微笑みながら一歩踏み出す。その瞬間、国連は胸が締め付けられるような感覚に襲われた。目の前の男の姿は、紛れもなく「天使」に見えたのだ。彼が、ずっと待ち望んでいた存在だったのかもしれない ――そう思った瞬間、国連の中で何かが音を立てて崩れた。

その場に立ち尽くしたまま、言葉を失っていた。窓から吹き込む冷たい風が頬を撫で、彼の心に張り付いた氷をわずかに揺らす。

国連

……なんでだよ。(低く絞り出す声)

なんで、何がだ？

EUは国連の言葉を受け止めるように問い返す。彼の瞳は曇ることなく、ただ国連を見つめていた。その穏やかな視線が、国連の胸を苦しくさせた。

国連

……なんで、そんなに簡単に言えるんだ。僕が、EUに救われるべきだなんて…

国連

僕自身だって、そんなこと思ったことないのに。

国連の声は次第に震え始めた。彼自身、ここまで感情を吐露するのは久しぶりのことだった。

国連

……僕は、失敗ばかりだ。

国連

世界を平和にするどころか、何も変えられない。

国連

誰も救えない。

国連

そんな俺が、誰かに救われる資格なんて――

EUはそれ以上を聞く前に一歩近づき、国連を抱き締めた。その温もりが、氷のように冷えた国連の心にじわりと染み込む。

国連さんが誰を救えなかったかなんて、俺にはどうでもいい。

国連

(その言葉に、国連は顔を上げる)

大事なのは、お前がこれまで何をしてきたかじゃない。

これからどうするかだろう。

国連

……これから、どうするって……僕には何もない。

国連さんにはまだ、夢があるだろう。

国連

(国連の胸が締め付けられた。)

国連

夢……？

(優しく微笑みながら、空を指差す。)

国連

(抱き締めるのをあとにし、空に目をやる)

例えば、もっと優しい世界を作りたいとか。

もっと多くの人を救いたいとか。

国連は言葉を失った。そんなことを考える余裕もなくなっていたはずだった。けれど、確かにかつては―― EUはまた国連を抱き締めた。

もしそれを忘れたのなら、俺が思い出させてやる。

だから、安心してください。

その瞬間、国連の目からぽつりと一粒の涙が落ちた。彼は自分の心の中に閉じ込めていた孤独、失望、そしてわずかな希望を、一瞬で見透かされたような気がしたのだ。

国連

……そんなの、ずるいよ(泣)掠れた声)

国連

ｷﾞｭｯｩ″(強く抱き締める)

ふっ(くすりと笑う)

その言葉に、国連は小さく息を飲んだ。 ――本当に、この人は天使なのかもしれない。窓の外で吹き荒れる風も、二人の間には届かなかった。国連の胸に埋もれていた氷の欠片が、わずかに溶け始める音だけが静かに響いていた。

冷たい風が吹きつける中、国連とEUは視線を交わしていた。その瞬間、国連の胸の奥で微かな音が聞こえた。

カラ……

それは、自分でも気づかなかった氷が割れる音だった。

どうした？まだ怖いですか？

EUの低い声が心の奥まで響く。優しさと力強さが混ざったその声に、国連は思わず目を伏せた。

国連

んぐっ″(唇を噛む)

国連

……怖いに決まってる。

何が怖いですか？

国連

……また、失うのが怖いんだ。

国連の拳が震えているのを見たEUは、そっと彼の頭を撫でた。

サラ、スッ～ナデナデ

失うことを恐れるなら、俺に全部預けてください。

国連

(国連は顔を上げる、驚いたようにEUを見る。)

国連

……預けるって？

あなたが抱えてるもの全部。

悲しみも、怒りも、後悔も、俺が全部背負ってやる

国連

(瞳が大きく揺れる)

だからお前は、もう一度笑えるように前を向け。

あなたが進む道を、俺が作る。

国連

ドクン……

国連

(胸の奥で、大きな音がした。)

それは、国連が長い間忘れていた「希望」の鼓動だった。

国連

……そんなの、ずるいだろ。(小さな声で呟く)

ずるいさ。

けど俺は、ずるいくらい本気だ。

国連

……本気、ね。

目を伏せてそう呟いた国連は、自分の目からまた涙がこぼれていることに気づいた。

ポタ……ポタ……

涙が床に落ちる音が、二人の間に響く。

泣いてもいいんですよ。

無理に強がる必要なんてない。

あなたはもう、一人じゃないんだから。

その言葉が胸に刺さり、国連は抑えきれずに声を上げて泣き出した。

国連

……そんなこと言うなよ！僕は……僕は……！(泣)

EUはそっと国連の肩を抱き寄せた。

国連

……こんな俺を、見捨てなかったのが……EUだけだったんだよ……！

あなたは俺の天使だからな。

俺たちはお互いに天使だ。それでいいですよね？

国連

クスッ……

二人の間に漂っていた重い空気が、少しだけ軽くなった気がした。窓の外では曇っていた空がわずかに晴れ、光が差し込んでいる。

パァ……

それはまるで、新しい一歩を祝福するかのようだった。

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今度これみて思いついたっていうかこれの1シーンを漫画化したイラスト出していいですかー？

なんか…文章がというか…情景描写がすんごく綺麗(語彙力迷子)

쇠약/衰弱👑🍎💛

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