楓
おも……い……だした
月奈
ん
楓
でもまだ……詳細はわからない
楓
とりあえず……君は月奈。俺のせいで死んだんだな……?何百年も昔に……。
月奈
まあね
月奈
けど今日はそのために来たんじゃない
月奈
君は……異能の使い方を私に聞きに来た……でしょ?
楓
…うん……
月奈
簡単だよ。
月奈
ほら、これに触れてご覧
そういうと月奈は手のひらから丸い形をした紫色の物体を出した。
楓
これは……?
月奈
これは異能球(いのうきゅう)。
楓
異能……球
月奈
人によって見た目は色々あるけれど……君は紫色だね
楓
これに触れるとどうなるんだ?
月奈
異能を使える。
楓
……曖昧だな
月奈
へへへ
月奈
まあやったら分かるよ
楓
……りょーかい
そっと楓は異能球に触れる。
月奈
さてと。
月奈
もう時間もないから言うね。
楓
え?
月奈
これを伝えるために来たんだよ私は
楓
……うん。
月奈
また会おう。
月奈
《月の向こうで》
楓
え?
楓
月の向こうって……
月奈
ほらほら、時間だ!
キィィィン!!
甲高い音と共に楓は光に包まれた。
珠
……この子………
珠
いや、まさかね
キィィィン!!
楓
うっ……
珠
や!
珠
お疲れ様!分かったかい?
楓
……はい。これが俺の……異能
異能球 触れると異能の使い方がわかる。 昔から扱い方を知っていて、それを思い出したかのように。
珠
異能の名は?
楓
『燎原ノ月』……です
珠
燎原…………見せてもらえるかな?
楓
いいですよ
楓
ふぅー……
楓が深呼吸する。そして……
楓
『燎原の月』
その瞬間、楓の頭上に赤い、綺麗な月が浮かび上がった。
珠
……。いいね
楓
………………………………
珠
?楓……ちゃん?
楓
………………………………………………
バッ!
珠
……っ!!
楓から飛んでくる凄まじい勢いの蹴りを珠は左腕で防ぐ。
珠
……まずいね
カチッ
ザー……ザー……
珠
こちら翡翠。現在異能審査中の生徒1名暴走を確認。
???
はいはーい
珠
なんだ、螢か
螢
うわひっどい
珠
ちょうど良かったよ。早く来てくれない?ちょっと困ってるんだ
螢
えー……今学校終わったとこなんだけど……
珠
いいからはやく……っと危な
ズドォォン!!
珠
ひー!身体強化かなぁ?
珠
地面ヘコんじゃってるじゃん……
楓
……私が
珠
……ん?
楓
私が終わらせないと……
珠
何を……?
楓
私がぁぁぁ!!
楓の頭上にある月から、赤い稲妻が翡翠へと飛んでゆく。
バチチチ!!!
珠
お……っと!
珠
ちょーっとやばいかもねぇ……
楓
…終わらせる。人妖大戦線を……!
珠
……!!人妖大戦線を知ってるの!?
バチバチ!!
珠
うわぁ!
珠
その雷が邪魔だなぁ……
楓
じゃあね
珠
あっ……やば……
雷が放たれると思われたその時……
赤い月、燎原の月が消える。
そして、楓は気を失った
???
へいへーい
螢
どもどもー。螢でーす!
名前:如月 螢(きさらぎ ほたる) 種族:人間 異能:イノセント
珠
おお……危なかったよ…………
螢
感謝してね……っとこの子が人妖大戦線の子?
珠
うん。
螢
りょーかい。じゃとりあえず運ぶか
珠
だね。