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あの人が来たのはいつ頃だったかな
周りより少し頭が良かった自分は あの人が話そうとしていたことが 分かった
いや、兄貴もわかってたかも しれねぇな
「君達のお父さんなんだけど 僕がころ」
あたりで兄貴が言葉を遮った
「アイツがどこで何してようと どうでもいい」
俺もそう思った
昔っから俺らはほったらかし
競馬やらパチンコやら 賭け事ばっかやってた
そんなやつのことなんか どうでもいい
津美紀のことを聞いてた
「そこに行ったら津美紀は 幸せになれるのか」って
あの人は即答した 「それは無い。絶対に」
サングラス越しでもよく見えるような透き通った目をしたあの人は 嘘をついていなかった
14、13辺りになると呪術高専とやらにたまに行くようになった
俺と"アイツ"は術式を持ってた
その術式で呪霊、人の負の感情から生まれるものらしい。それを祓う仕事
俺も最初の数回はやってた
でもその高専に行くと陰口が所々で飛び交ってる
「あやつの兄は相伝だから」
うるせぇ
「兄に縋ることしか出来ぬ 愚かな人間よ」
うるせぇ
「任務1つ1人で出来ぬ臆病者」
うるせぇ!!
こっちだって好きでやってるわけじゃねぇよ!!
術式を持ってるから!!
「任務1つ1人で出来ぬ臆病者」? だったらやらせなければいいじゃねぇか!
「兄に縋ることしか出来ぬ愚かな人間よ」?テメェらはあの人に縋ってんじゃねぇか
「あやつの兄は相伝だから」?だからなんだよ相伝だから、意味わかんねぇよ!!
俺とあいつを比べんじゃねぇ!!
比べるくれぇならやりたかねぇ
そんなアブねぇ仕事するか
そう思って、俺はあの人とアイツの前から姿を消した
奏斗
奏斗
奏斗