グリム･リーパー

あれから俺と優雅達は、家に帰った

すぐに準備をして、俺は今1人でこの部屋にいる

アスカと優雅は玄関だ

毎回毎回、この時が憂鬱でしかたがない

好きでもないやつの無駄話、自分はこれだけいい奴なんだというよりアピール、いつ結婚するかという相談

なんやかんやでここまで結婚はうまく免れたけど、言い訳が続くのも時間の問題

そろそろ決着をつければ

俺が好きなのは許嫁なんかじゃなくて、鈴だ

多分、俺の鈴へ対する愛は異常だと思う。 鈴が裏切り者の1人って分かっても好きという感情は増えないから

だから俺は、結婚なんてしたくない

部屋の襖を少し開けて、優雅がコソッと話しかけていた

そう言いながら許嫁…杏璃(あんり)さんが部屋に入ってきた

それに続いて、杏璃さんの父親も

俺はそこに座ってください、と促すように座布団に向けて手を動かす

地獄の時間の始まりだ

正直、俺はこの人が苦手だ

なんというか…ぶりっ子でシンプルにウザイ

今まで黙っていた杏璃さんの父親が、口を開いた

そう、この人は俺の事なんてどうでもいい

何となく、俺が好きだっていう演技をしている気がずっとしてた

杏璃さんは自虐的なえみを浮かべながら話し始める

杏璃さん達はそれだけ言うと、帰って行った

そんなことをおもっていると、スマホから着信音が聞こえた