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4 - もういちど、キミと。下

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2021年09月15日

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ユンギ

なあジン!

ユンギ

起きろ…、起きろって!

俺は慌ててジンを起こす。

ジン

ん〜、

幸せそうに寝返りをうつ君。

その愛しい姿に、 俺は思わず口づけをする。

唇が微かに触れたその時。

ジン

ひゃあっ

ユンギ

あ、起きた。

ジンの目が覚めたようだ。

微笑む俺。

唇が触れた頬を抑えるジン。

愛しい君の照れ顔は、 やがて歪んでゆく。

そんな君に、 俺は「おかえり」と言った。

ジン

うう‥ッ。

言った途端に泣き出す君。

ジン

ユンギヤ…、なんで契約結んじゃったの?

ジン

それじゃあユンギヤが…。

そう言ってまた泣き出す。

先程のことを思い出したようだ。

そう、死神との契約は、 1ヶ月が終わったら俺の命を渡すこと、

が交換条件だから。

もちろん、 ジンの命は生き返ったとみなされ、

この世界に残る。

残酷な条件だ。

涙で睫毛を震わす君に、 俺は優しく言う。

ユンギ

ねえジナ、よく聞いて。

ユンギ

俺は、どうしても君に伝えたいことがあった。

息を吸い直して、 一息に言う。

ユンギ

「愛してる」って。

ジン

…えっ…

大きく目を見開いた君。

その瞳からはまた、 涙の粒がこぼれだしたー。

ユンギ

愛してた、だなんて

ユンギ

勝手に過去形にしないで。

ジンの自殺前に送られてきた言葉だ。

愛してたよ、だって?

馬鹿言うな。

過去形なんて使わせないんだから。

それから僕たちは、 大きなワンルームを借りた。

一ヶ月契約、で。

ジン

おはよう、ユンギヤ。

ジン

今日は卵焼きとスープだよ〜

朝起きたら、 大きなキッチンで朝食を作ってる ジンがいて。

それから俺はおはようって言って、 ジンにバックハグをする。

ジン

わ、ちょっとユンギ!笑

ジン

料理できないよ〜

困ったように言う君が可愛くて、 もっと強く抱きしめてしまう。

俺今、すごい幸せ。

ジンも幸せだといいな。

一瞬、本当に一瞬。

もしジンが死ぬ前に告白していたら、 今頃どうなっていただろうか、

極端な死を選ばなかっただろうかって

そういう考えが頭をかすめて、 思わず涙が出そうになるけど。

俺は泣かないって決めていた。

ただただ笑って、 愛し合って。

どうせなら、 悲壮感にまみれた1ヶ月じゃなくて

一生分の幸せを過ごしたいから。

遊園地に行った。

ユンギ

ジン、ソフトクリーム口についてる笑

ジン

え、どこ?

ジン

ユンギが取ってよ。

ユンギ

‥まったく///

水族館にも行った。

ユンギ

わ、でけぇサメだ!

ユンギ

みて、ジン!

ジン

ユンギがはしゃいでる笑

久しぶりにはしゃいだ。

翌日、熱を出した。

ジン

もお〜、あんなにはしゃぐからだよ〜笑

ユンギ

…///

ジン

寒いでしょ。

ジン

特別に抱きついてあげる。

看病してもらった。

一日で治った。

残された時間。 その後も、

服を買って、

映画を見ながら泣いて、

ちょっとおしゃれなバーで 飲んだりもした。

抱えきれない思い出が 嬉しかった。

それでも、 日は無情にも過ぎてゆく。

残された時間が、 ちょうど一週間になった。

ジン

残り…、一週間だね。

涙目でいう君。

ユンギ

まだ一週間もあるよ。

ユンギ

最終日は、一番楽しく終われるようにしよう。

最後まで幸せでいたい。

悲しみに浸るまもなく、 楽しむことに忙しい最期でありたい。

そんな俺達が最後に企画したのはー。

ジン

旅行、行こうよ。

旅行だった。

ジン

わぁ〜、海だぁ〜♡

ユンギ

海だぁ〜!

叫んで、

ジン

ちょっと降りてみる?

なんていうもんだから。

夕方まで海にいた。

これが最後の海。

悲しくなんかない、 最後に見れた海がジンとで良かった。

そう思うことにする。

残る時間はあと少し。

家族にも電話した。 遺書も書いた。

あとは残り限られた時間を、 目一杯過ごすだけだ。

ジン

僕さぁ。

ユンギ

うん。

ジンが喋りだした。

ジン

首を吊ったの。

ユンギ

うん、知ってるよ。

その話題がここで来るとは 思わなかったけれど、

きっとジンは俺が死ぬ前に 話したいんだと思ったから、

あえて止めなかった。

ジン

もういろんなことが辛くてさ。

ジン

色んな人に相談されて、悩みもなんとなく俺が抱えて。

ユンギ

うん。

優しすぎるジンのことだ。

きっとギリギリまで涙は見せずに

いきなり、 ポキンと折れてしまったのだろう。

ジン

生きるって辛いことだけだと思ってきたけど

ジン

そうじゃないみたい。

ジン

でももう、遅すぎたね。

苦しそうに言うジン。

なんて答えればいいのかわからなかった。

その後は、 予約していた部屋に行った。

キャンドルの炎で、 とても幻想的な空間だった。

今だ。

俺はポケットから小さな箱を取り出す。

そう、 俺からジンへの、最後のプレゼント。

ユンギ

ジン。

ユンギ

結婚してください。

心臓はバクバクうるさいし、 顔は火照るように熱い。

不器用な俺は かっこいい言葉なんて かけられなかったけど。

それでもジンは、

ジン

ありがとう、喜んで。

涙を目にためながら でも大きな笑みを浮かべて、 そう言った。

それから俺たちは、 手をつないで抱きしめあった。

残り時間はごくわずか。

俺はジンの匂いを覚えておけるように 思い切りジンに顔をうずめ、

ジンは俺の髪をサラサラと撫でる。

11時58分。

鼓動が早くなる。

息がうまく吸えない。

大きく口を開けているのに、 空気が入ってこない。

11時59分

頭が割れるように痛い。

もう目前まで迫る「死」。 俺は夢中で人の腕を握りしめる。

そして、部屋中に鐘が響き渡った。

プツッという音が、した。

そこには、 一人の青年が大声を上げて 泣く姿があった。

その青年の腕の中には、 微笑みを浮かべる肌の白い青年がいる。

ジン

やだ、ユンギ!

ジン

死なないでったら!

肌の白い青年は、 眠ったままである。

ジン

やだやだやだやだ!

そして泣き叫ぶ青年は、 悲痛な声でこう言った。

自殺なんか、 しなきゃよかったー。

眩しい光。

ああ、 俺はとうとう死んでしまったのか。

ここが天国なのだろうか。

そう思って目を開けると、 隣にはジンがいる。

隣にはジンがいる。

隣にはー。

ユンギ

えっ⁉

慌てて飛び起きる、俺。

昨日のホテル。

横には泣きつかれた顔をした ジンが眠っている。

ベットを飛び降りると、 解き放たれていた窓から 紙ひらが入ってくる。

ユンギ

これはー。

拾い上げる俺。 目を通すと、そこには。

幸せになれ。死神

たどたどしい文字で、 そう綴ってあった。

エピローグ

死神の使者

どうするんですか?
あんなことして。

死神の使者

世界の人数を合わせるのは、死神の仕事でしょう。

死神の使者

心臓を大神様に提出できないじゃないですか。

そこには、 焦った様子の使者がいる。

そう、死神の仕事は人数整理。

月に提出するよう定められている 心臓の数を きっちり合わせるのが仕事である。

死神

そうか。

死神

心臓があればよいのだな?

死神の使者

そうです。

今更何を言っているんですか? とでも言いたげな使者。

すると次の瞬間ー。

死神

提出には俺の心臓を使え。

そう言って、 死神は自身の腹部に剣を差し込んだ。

死神

愛の力にゃあ勝てっこねえよ。

そう、言い残して。

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