ふっかの呼吸が落ち着いても、照の手は背中から離れなかった。 それは“俺はここにいる”って無言で伝える、強い意思だった。
ふっか
…なんであんな言い方しちゃったんだろ
ふっか
ふっかがぽつりと漏らす。声は小さく、確かに震えていた。
その目はまだ赤くて、後悔と、恥ずかしさが入り混じったまま、視線は床に落ちたまま。
その目はまだ赤くて、後悔と、恥ずかしさが入り混じったまま、視線は床に落ちたまま。
ふっかがぽつりと漏らす。声は小さく、確かに震えていた。 その目はまだ赤くて、後悔と、恥ずかしさが入り混じったまま、視線は床に落ちたまま。 照はゆっくりと言葉を選んだ。
照
俺こそ…ごめん。ふっかのやってること、ちゃんと見えてた。でも…怖かったんだよ。ふっかが、一人で背負ってるの気づいてたのに、俺、なにも出来てなかったから。
静かな声だった。怒鳴ってた時と同じ人間とは思えないほど、優しくてまっすぐな声。
ふっか
……そんなこと、思ってたの?
照
当たり前だろ。ずっと一緒にやってきたの、誰だと思ってんだよ。
ふっか
……照
ふっかの目から、涙がひとしずく落ちた。 今度は苦しさじゃなくて、安心からの涙だった。
照
お前が崩れたら、俺が支える。
ふっか
…うん
照
お前が泣いたら、俺が笑わせる。
ふっか
うん…
照
でも、俺が黙ってる時は、ちゃんと気づけ。
ふっか
…っ、それは照の方じゃん…
ふっと、ふたりの間にやっと笑いが戻る。
照
…怒ってごめん
ふっか
…泣いてごめん
照
過呼吸になるまで我慢してんじゃねぇよ、バカ
ふっか
バカはないだろw
そのやりとりが、今のふたりを全部表してた。 怒って、ぶつかって、でも絶対に見捨てない。 そんな関係。