コメント
2件
ユウちゃんすごいめちゃ丁寧に指示してる みんな助かって欲しいわ。 主さん続きも頑張ってください!
林田春樹の悲痛な叫びが辺りに響いた。
光の消えた瞳は佐野万次郎を見詰めて ハクハクと口を開閉させている。
『オレ アイツらを ぶ ち殺したい』
次の瞬間にはベンチの上に目の前に居たはずの佐野万次郎は隣で立っている。
そして、彼は、声を張り上げた。
佐野万次郎/マイキー
佐野万次郎/マイキー
チームの皆へ 今の状況を分かりやすく簡潔に伝え 次第に力強く語りかける。
佐野万次郎/マイキー
佐野万次郎/マイキー
佐野万次郎/マイキー
まるでヒットラーの公演だ。 これが稀咲鉄太が求めたカリスマだと 思えば納得した。
「一人一人がみんなの為に命を張れる」 本当にそんなチームなんだ。
佐野万次郎/マイキー
佐野万次郎/マイキー
天を割るような雄叫びと バイクエンジン音が夜の空に轟いた。
直ぐに近くに居た者同士で隊を作る。
『行くぞ!!』 そう、叫び出すはずだった。
ピピピピピピッ
ピピピピピピッ
不自然に響いた着信音。 視線の先には小さな涙を流した 林田春樹が居る。
ピッ
林田春樹/パーちん
林田春樹/パーちん
言われるまでもなく辺りは静かになる。 その先を答えを待つように
林田春樹/パーちん
張り詰めていた空気が和らいだ 何だ、勘違いか…と肩の力を抜いた。
たっく、なんだよ 心配させんな! 良かったね!
ノイズ…
そんな言葉を林田春樹に贈り さぁ、空気を帰るために走るか…など 聞こえてくる。
ノイズ…ノイズ…
ユウ
一斉にこちらを向く 水を差しやがってと言いたげだ。 だが、こちらも引けない。
ユウ
ユウ
目の前の色が鮮やかだ。 此方に向けられたライトの光、 一人一人の眼光が私を射貫くような。
突然現れた赤の他人がこんな真似… 絶対に疑われている。
嘘だと思われたら…仲間だと思われたら…
着いていけないのに
帰る場所もないのに…
佐野万次郎/マイキー
佐野万次郎/マイキー
総長の有無を言わさぬ言葉に 待たされていた集団は今度こそと 改めてエンジンを噴かせて走り出した。
呆然と立って居れば ヘルメットを被せられた。
佐野万次郎/マイキー
ユウ
たすけて、まいきぃ…
彼は、彼であって、彼ではないのだ。
said…三ツ谷隆
小さな街頭に照らされた寂しげな公園。 そこは茶色や緑の絨毯ではなく 紅白のめでたい男たちが敷かれている。
三ツ谷隆が取り出した小さな携帯 開けば名前覧からマ行を選び、選択。 耳に携帯を当てる。
ピピピッ ピピピッ ピッ
三ツ谷隆
ユウ
マイキーのバブが風を裂く エンジン音の傍から聞こえるのは あの不思議な女の声だった。
三ツ谷隆
ユウ
三ツ谷隆
ユウ
三ツ谷隆
言われるままに電話を代わった。 電話越しの女はあの泣いていた少女と 同一人物とは思えない程堂々としてた。
電話を代わって幾つか言葉を交わした。
気が付けばパーの兄弟は泣き出した。
何度も何度も電話越しに頭を下げ、 そして、感謝を繰り返す。
何なんだ…? これ
俺らより一回り歳上がなんでこんなに 泣いてるんだ?
そうして、暫くすれば涙を拭った 男から携帯を返された。
男は、笑っていた。
「もう大丈夫です。 一人で警察を待ちます。 どうか、行ってください」
「私は平気だと伝えて下さい」
三ツ谷隆
通話
07:20
通知は、切れていた。
said…林田春樹
バカだから、今の状況がやべぇって 事しか分かんねぇ…
荒れ切った部屋。 土足の白い特攻服を着た奴が何人も 意識なく倒れている。
おばさんは泣いてて おじさんは何処かに電話してる。
オレもしねぇと…
電話帳からマイキーの電話番号を掛けた
ピピ─ピッ
ユウ
出て来たのは女だった。 あの突然話し掛けてきたパジャマの女。
林田春樹/パーちん
ユウ
林田春樹/パーちん
ユウ
周りを見た。 ボロボロの壁、壊れた花瓶、割れた窓。
ため息を吐いたおじさんが 携帯を耳から離した。
オレは丁度、通話の終わった おじさんに代わった。
言葉を交わせば交わすほど 感情が爆破した様におじさんは 怒鳴り声を上げた。
オレは、 おばさんの隣で手を握りながら ずっと話し続けた。
林田春樹/パーちん
サツの赤いランプが遠くから チラチラと光っていた。