凸もり
うたちゃん、俺たちこれからどうしよう…
俺たちは、うっかりボスエネミーを倒してしまったことで、存在が他の実況者にバレてしまった。
うたい
とりあえず、この場所に留まり続けるのは危険だよ…
いっそ、別のマップに行く?
いっそ、別のマップに行く?
凸もり
他のマップったって、結局存在は消せないじゃん。
うたい
かと言ってここにいても、これからやってくるであろう敵を迎えうち続けることになる。
凸もり
…それならいっそ、別マップに行って、存在をあやふやにするのも手ってわけか。
うたい
そう。今ならおどろくさんの影響で僕らに神経を注いでる人は少ない。
今が移動のチャンスだよ。
今が移動のチャンスだよ。
凸もり
ところで、他マップへの移動ってどうするんだっけ。
うたい
はぁ…このマップだと、村の門だね。
そこから、他の5つのマップに移動出来る。
そこから、他の5つのマップに移動出来る。
うたい
でね、その行き先なんだけど…
そんなこんなで、俺たちは門の近くまで移動してきた。
凸もり
うたちゃん、どう?
うたい
なんか1人門の近くに隠れてる。
多分こっちから出ていったり、こっちに来たりするプレイヤーを狙ってるんだよ。
多分こっちから出ていったり、こっちに来たりするプレイヤーを狙ってるんだよ。
凸もり
最悪だな…
うたちゃん、あいつどうする?
うたちゃん、あいつどうする?
うたい
無視出来ればいいんだけど、あいつしっかり門の方見てるから、絶対入ってくる前に襲ってくる。
だから逆に言えば後ろには無警戒…
だから逆に言えば後ろには無警戒…
凸もり
オッケー!
能力、「知らないおじさん」!
能力、「知らないおじさん」!
凸もり
(俺の能力は、俺が対象を認識していて、そいつが俺を認識していないとき、俺の実況者力が上昇するって言うもの!つまり、奇襲向けの能力なんだよ!)
凸もり
うおりゃあ!
実況者C
なんだ…ぐはぁ!
凸もりの一撃は、門を見ていた実況者の腹にクリーンヒットした。
実況者C
ぐっ、くそっ!
凸もり
倒しはしねーから、安心しろ。
実況者C
な、なんで…
凸もり
別にお前はどうでもいいから。
うたい
凸さーん、大丈夫?!
凸もり
オッケー、終わったぞ!
うたい
なら、早く行こう!他の人達に気づかれてもいけない!
凸もり
りょーかい!
じゃ、お前、頑張れよ。
じゃ、お前、頑張れよ。
凸もり達は、ゲートをくぐり抜けて行った。
ステージd キラーエスケープマップ
凸もり
到着!
凸もり
(なんだ、この足元の違和感)
うたい
凸さん、早いよ…ちょっと待って、地面が…うわぁー!
凸もり
へ?うわぁー!
凸もり達は、何故か床に開けられた大きな穴に落ちていった。そしてその時、上からもう1人、落ちてくるのが見えた。
凸もり
(なんだ、あいつ…強いことはわかるが…)
うたい
凸さん、逃げて!
凸もり
へ?
見ると、自分の目の前で、顔目掛けてツルハシが振り下ろされていた。
凸もり
うおっと、危ねぇ!
間一髪でかわして、さっきまで自分がいた所に目を向ける。そこには、白髪の少年がいた。
謎の影
さすがですねえ。私のあれを避けるとは。
ニグ
初めまして、正面突破よりも奇襲派、ニグでございます。
そう言ってニグがお辞儀すると、大穴は消え、普通の地面になった。
うたい
に、ニグ…
実況者祭第8回優勝者。
実況者祭第8回優勝者。
凸もり
マジかよ。
ニグ
私の事知ってくださっていて、嬉しいです。
ニグ
まあ、私もあなたがた狙いでこうして穴を掘ったのですが。
凸もり
は?バトルジャンキーかよ。
ニグ
まあ、そうですね。
あなたがたが、村マップのエネミーを倒したのでしょう?
あなたがたが、村マップのエネミーを倒したのでしょう?
凸もり
あ、ああ。
でも、なんでここに来るってわかったんだ?
でも、なんでここに来るってわかったんだ?
ニグ
何しろ、犬ですから、鼻がいいもので。
村マップでいると、すぐに強者がやってくる。通知であなた方の名前をほとんど聞かなかったものですから、きっと身を潜めていたのでしょう。
村マップでいると、すぐに強者がやってくる。通知であなた方の名前をほとんど聞かなかったものですから、きっと身を潜めていたのでしょう。
うたい
そ、そうだけど…
ニグ
となると、追っ手から逃れるいちばん手っ取り早い方法は他のマップに移動すること。となると、どのマップに移動する?
うたい
…
ニグ
@おどろくがいる炭鉱マップは論外。ステージC、おどみん温泉は最も広く、その分人数も多い。敵と遭遇するリスクも高いでしょう。
ニグ
ステージe、みんぴこ闘技場。あそこはエネミーがとてつもない数いる。
ニグ
最後、ステージf、テーブルシティ。あそこは夜になるとエリアが縮小する。隠れるには向いていない。
ニグ
なら、ここ、ステージdのキラーエスケープマップならどうでしょう。全体的に薄暗く、遮蔽物も多い。エネミーの数も少ない。隠れるには理想的な環境だ。
うたい
その通りだよ。全部読まれた。頭脳戦では、僕らの負けだ。
うたい
でも、肉弾戦ならどうかな!
凸もり
凸流拳法、乙。
奇襲成功!相手はこっちを向いて受け止める余裕は無い! 出し惜しみはしない。一撃で仕留める!
凸もり
突貫!
パシッ
ニグが、凸もりの繰り出した拳を後ろ手でいとも容易く受け止める。
ニグ
ふう、危なかったです。あなた、実況者力の操作、壊滅的に下手ですね?
凸もり
くっ…
ニグ
そっちの饅頭さんも、戦闘はできないようですし。
凸もり
まだまだ!
俺は、そう言って拳を伸ばす。届いた、そう思った瞬間、地面が無くなっていた。
凸もり
またかよ。
ニグ
白犬流整地術、11式、縦孔。
うたい
凸さん!
凸もり
大丈夫、同じ手は2度は喰らわねえよ!
凸もりは、穴の縁に手をのばし、ギリギリで耐える。
ニグ
まあ、同じじゃないですしね。
そう言ってニグが手をかざすと、凸もりは一瞬にして地面に埋められた。
ニグ
白犬流整地術、28式「埋干」。
うたい
あ、ああ…
ニグ
では、次はあなたの番です。
うたい
うわあああ!
次回、「白犬対白熊」