不幸体質の君

(おらふくんのうしろに、熊がいる)

ﾎﾟﾂﾎﾟﾂ⋯ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ⋯⋯ザアーーーーーー･･･！！

こちらに気付いておらず、どこか緊張しているようにも見える

落ち着かせるために、ジェスチャーを送ってみた。

ザクッジャリｨｯ

次に

ポーーンッ･････トスッ

ザリ、ザリ･･･

すると今度は、人影がこちらに走ってきた

おんりーは何も言わずに指に手をあてている

表情から察するに、まだ安全ではないのだろう

僕はおんりーに肩を抱き寄せられ、"何か"のいる向きへ体を向かされた。

そこには、さっきまで枝だったであろう物が

バラバラに散っている。

おらふは相手を熊だと認識した

ザアーーーーー･･････

雨音でクマの視野がはっきりしてないため

下手に動いて刺激するわけにもいかない

体長40−50センチの子グマが、 親熊をよぶか不明だ。

カサッ!!

遠吠えをするような鳴き声は、仲間をよぶときの可能性がある

雨霧が酷く、子グマの雄叫びは雨にかき消された。

その後すぐに鼻先を地につけて臭いを嗅ぎ回る

クマの嗅覚は人間の何倍も優れており、おもにハチミツを好む

鼻先がズボンの裾にあたると牙がひかる

ーーーーー･･･その時

ﾁｭﾄﾞﾝ!!!

ゴロゴロゴロ⋯⋯

(雷が落ちた)

熊はすばやく距離をとる。

熊はこちらをなんども振り返り、母グマを探すように離れていった。