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第3話、読みました! ひなの、完全にノックアウトされてて可愛いな〜。翔くんの無自覚なズルさよ。「グラウンドからよく分かる」って、普段見てるってバレバレじゃん! でも本人は計算なしだからタチが悪い(笑)。美郷たちの恋もどう動くのか気になるし、複数同時進行なのが上手いなと。このもどかしさがいいですね。次の話、楽しみにしてます!
EKUBO
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ひなの
放課後。夕暮れのグラウンドを見下ろす校舎の窓際で、高橋ひなのは頬杖を突きながら小さくため息をついた。
金髪のショートカットを耳にかけ、イヤーカフをいじる彼女の視線の先には、熱心に練習に励む野球部の姿がある。
その中に一人、ひなのが目で追ってしまう黒髪短髪の男子がいた。
井上翔。
クラスではいつもスポーツバッグを机の横に置き、休み時間は友達と普通に笑って過ごしているけれど、グラウンドに出るとキリッとしていてどこか目を引く存在だ。
ひなの
ひなのはそう心の中で呟きながらも、グラウンドから目が離せない。
実は数日前、ひなのが偶然、部活帰りに自動販売機の前で一人でいた翔を見かけたのが始まりだった。
その時の、少し疲れた様子の爽やかな笑顔と、気さくに話しかけてくれた優しさが、なぜか頭から離れなくなってしまったのだ。
練習が終わり、夕闇が校庭を包み込む頃。
ひなのがカバンを持って昇降口へ向かうと、そこにはユニフォーム姿のまま、首にタオルをかけている翔が自動販売機の前に立っていた。
翔
翔がひなのに気づき、屈託のない笑顔を向ける。
黒髪の短髪が汗で少し濡れていて、スポーツマンらしい爽やかな雰囲気がふわりと漂った。
ひなの
ひなのはわざとツンとした態度で、冷たい紅茶の缶を買う。
いつもなら男子を軽くあしらえるはずのひなのに、翔の真っ直ぐな瞳で見つめられると、どうにも調子が狂ってしまう。
翔
翔はそう言って、スポーツドリンクをごくごくと飲み干した。そして、ふと思いついたようにひなのをじっと見る。
翔
ひなの
翔
ひなの
翔はスポーツドリンクのボトルを片手に、なんの裏の意図もなく、思ったことをそのまま口にしただけだった。
そこには「お世辞で褒めて落とそう」という計算も、チャラチャラした下心も1ミリもない。
ただ、本当に「よく目立つから分かる」と言っただけ。だからこそ、ひなのにとっては不意打ちだった。
ひなの
ひなのの顔が一瞬で耳の先まで真っ赤に染まる。
いつもはクラスの陽キャグループで「高橋ってオシャレだよなー」なんて言われても「ありがとー」と軽く流せるのに、翔の曇りなき眼で言われると、まるで「グラウンドからずっと自分を見られていた」ような気がして、心臓が爆発しそうになる。
ひなの
翔
ひなの
本人は全くの無自覚。
その温度差が、ひなのはたまらなくもどかしい。
完全にキャパオーバーを迎え、カバンで顔を隠すように一歩下がった。
ひなの
翔
翔の後ろからの元気な声を背中に受けながら、ひなのは赤くなった顔を抑えて駅へと猛ダッシュした。
胸の奥が、ありえないくらいバクバクと高鳴っている。
(あいつ絶対、何も考えてない……! なんであんな奴の一言に、こんなに振り回されなきゃいけないわけ……!?)
金髪ギャルのひなのが、爽やかな野球少年の一言に一人で勝手にノックアウトされた放課後。
翌朝、教室の席についたひなのは、前の席の私(美郷)の肩を激しく揺さぶった。
ひなの
美郷
『カーストの隅っこ』で、3つのもどかしい恋がそれぞれ全く違うスピードで、だけど確実に熱を帯びて動き出していた。
(つづく)
EKUBO
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