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ジン

テメェフィジカルもパワーも俺より上、俺に勝ち目はないと言ったな?

シゲル

事実だ

ジン

痛い目、見せてやる

シゲル

威勢だけは褒め称えようか

ジン

正々堂々、正面から勝負してやんよ

カーン!

シゲル

では先ず力比べと行こうか?

ジン

上等だ

シゲル

…ッ!

ジン

ルァッ!!

二人は正面から肩を組合い、互いに力と全体重を掛け合う。

ジン

クッ!!

シゲル

これがお前の全力か

シゲル

知れているな

ジン

(…クッ!!相手が重い上、更に上から体重を掛けてくる。

ジン

(押し切るどころか、抵抗する事も、…クッ!!できない…!!

圧倒的な身長差により、シゲルは上から押し潰すかのように全体重と力を加えてくる。

ジン

クァァッ、、チッックショッ!!

また、アームレスリングにより鍛え続けたシゲルの圧倒的な握力がジンの狭い肩幅を掴む。ジンは砕かれるかのような傷みに苦痛しながらも必死に押されまいと食らいつく。

ジン

……ハァ…!…っはァ

シゲル

さらに力を加えるか

グギッ!!!

グギグギグギギ!

ジン

ッ!ァアアッ!

ジン

ガァァッ!

肩が弾けそうな痛みに、ジンは思わずシゲルの肩から両手を手放す。

グギギ!

ジン

ゥアア!…ぁあッ!

そして、胸を張って海老反り痛みから逃れようとした。

シゲル

フンっ!!

痛みに悶えるジンを一度自身の方へ引くと、その反動を使って今度は押し飛ばす

ジン

…ウッア!

ジン

グァアッ!

ジンは一度横たわり、一息つくと四つん這いにゆっくりと両腕をつかい身体を起こす。

そんな彼の腹部へシゲルは躊躇なく蹴りを入れると、ジンの身体は浮いて激しくリングの端まで転がった。

ジン

ウグッ!!!

ググッ!ズドドド!

ジン

ゲホッ…ッ!

ジン

ゲホッ!!

シゲル

威勢が消えたな

ジン

まだだ……

ジン

まだ…立てる

前に立ち塞がるシゲル、ジンは再び四つん這いに身体を起こすと、顔を見上げた。

膝を立てて、両手でシゲルの脚にしがみつく。

シゲル

根性はあるか

ジン

……絶てぇ、負けねぇ

シゲルはジンの髪を掴むと、 身体を持ち上げた。

その同時に、ジンが右手の拳を構える。シゲルはその事に気がついていたが、ジンに反撃のチャンスをわざと与えた。

ジン

……オルァァ!!!

ガツンっ!

ジン

……っ!

シゲル

何かしたか

ジンの屈指の反撃もシゲルにはビクともしない。シゲルの頬へのジンの拳は彼の鍛え抜かれた首筋に滑るように受け流された。

その反撃の末、シゲルの頭上へと身体を持ち上げられるジン

そして、そのままシゲルの立てられた膝の上に勢いよく腹部を落とされた。

グシュッ!!

ジン

………ッガァッ!!!

あまりにもの衝撃に呻く声も出ない

ジンは両手で腹部を抑えると、背筋を直線に伸ばし背後へと倒れていった。

ジン

……ァァがァっ!

痛みに悶絶し顔を顰めさせる。 腹には力を加えられたままでずっと凹まさせたままだ。

酸素を取り入れようと、口を何度も開かせるも上手く取り込めず、過呼吸になる

ジン

…ァアッ、ァアッ

悶えた末、腹を抱えたまま土下座をするように丸まる事で痛みに耐え抜いたジン

シゲル

まだ意識があるな

シゲル

ルールだ、まだ試合は終わらない

ジン

……ゥウ、ぁはぁはあ

ジンはそのままの姿勢で、シゲルと目を合わせる。決して、まだ勝つことを諦めない目、武闘家としての覚悟がそこにはあった。

シゲル

よく耐えた方だと思う

シゲル

称えてやってもいい

ジン

……ダマレ

再び、ジンを抱え持ち上げるシゲル

同様の技を二度喰らえば、ジンは一溜りもないだろう。

ジン

……絶てぇ…負けねぇ!!!

ジン

(俺が1番強ぇ…

ジン

決まってンだよっ!

シゲル

…!?

股に入れられたシゲルの腕を、 脚でもがき払うジン

更にその脚をシゲルの 首に絡め締め付ける。

シゲルは思わず、ジンの肩を掴んでいた手を離し、首に絡められた脚を解こうとしたがそれが仇となった。

ジン

…ルァッ!!!

ジンは自身の体重を反動に使い、上下逆さまの状態で相手の首を巻き込んで、シゲルをリングのマットへ叩きつけた。

シゲル

グフッ!!

だが、シゲルは投げられた直後にすぐに座った状態に起き上がると、手を使って起き上がろうとした。

ジン

たちあがらせるかよっ!!

助走をつけ、両膝を折り畳むようにジャンプし鋭く突き出した両足の裏でシゲルの頭部を蹴り飛ばす。

シゲル

グッガァッ!!

ジン

(手はとめない!

形成は完全に逆転した。

単純な正面からの力比べでは、自慢のアームレスリングで鍛えぬいた腕力を存分に活かせたシゲルであったが

技を繰り出す準備が整ってしまった環境では総合格闘家のジンが猛威を振るう。

身体は対して大きくないかのように見えるジンだが、平均的な骨格でバランスよく鍛え抜かれた身体は、自身のありとあらゆる筋肉のパフォーマンスを最大限に活かすには持ってこいであった。

ジン

……スッ!!!

ズグッ!

シゲル

ガハァッ!

シゲルの異常に硬い首に上から全体重を肘に乗せて突き刺す。

思わずベロを立てて口を開くシゲル 痛みよりも血が混ざった鉄のような味を感じた。

両手で喉を抑え、 うつ伏せになったシゲル

そんな彼の後頭部を勢いよく踏みつけた

ジン

ハァ…ハァ…

大きく腹式呼吸し、後頭部を踏みつけた状態でシゲルを見下ろすジン

シゲル

見下すな

ジン

…何!?

だが、ジンの意識はまだ完全で力も有り余っている。

両手でリングのマットを押さえつけるとそのまま立ち上がろうとする。

ジンは必死にシゲルの後頭部を踏みつけたままを維持しようとすると、シゲルの腕力は凄まじく、押し上げられてしまった。

両者見合った状態

シゲル

また一から試合を始めようか

ジン

……ッ!!!

ジンの身体は限界を既に超えている。

立っているのも本来はやっとの状態だ、それに反してシゲルはまだ余裕がある。

ジン

(残った体力で一撃で決める

シゲル

さっきはヒヤッとした。

シゲル

やるじゃないか

ジン

…ゴクリッ

シゲル

ーッ!

ジン

ハァッ!

残りの体力で間合いをとって試合を取っても、先に身体の限界を達するのは己の方と判断したジンであったが、

単純な腕力では、流石のアームレスリング選手には到底かなうことは無く、大きく上へと腕を払われ、引き締まりきった身体を完全にホールドされる。

ジン

ガァっ!!…ァァ!!!

シゲル

フンッ!!!

バギバギバギッ!

身体を締め付けられながら、足が浮きジンはシゲルの固く広い肩幅にしがみつきながら顔を顰め歯を食いしばり痛みに唸だれる。

シゲル

フッ!!!

ジン

がぁッ!!!

どんどんジンを締め付ける力が増していく。ジンはそれに抵抗する策もなく、耐え続ける他なかった。

ジン

……かァっ、…ァァ!!

シゲル

さっさと気を失えば済む話

ジン

……ガァっ、ァウ!

ジン

カッ…カッカァ!

シゲル

骨まで微塵におる他なくなるか

ジン

…ァァああ!!!!

ゴギッ!

ジン

…ァア

シゲル

逝ったか?

ジンの抵抗する力は無くなり、腕が抜け殻のように落ちた。

シゲルがジンを解放すると、膝から崩れ落ちうつ伏せに倒れる。

確かに聞こえた骨が砕けるかのような音、ジンがもう起き上がることは無いと確信したはずだった。

ゲームマスター

試合…!

シゲル

完全に格下と見誤った事だけは謝罪しよう

シゲルがゲームマスターの試合終了の合図と共にジンへ言葉を残すと、背を向けた。

その時、ジンの獲物を狙う視線が開くと背後からシゲルの身体を両腕で抱えるように掴む。

シゲル

ナァッ!?

ゲームマスター

ナニー!!?

ジン

格下と見誤った?

ジン

全くその通りだぜッ!

シゲル

ヌァッ!?

ジンはそのまま最後の力を振り絞り、雄叫びを上げながら全身に筋肉という鎧を纏うシゲルを持ち上げ、背後へ後頭部から己の身体ごと倒し叩きつけた。

ゴギギッ!!?

シゲル

ガッ!!……。

ジン

……ハァ、、ハァ、、

シゲルは仰向けの状態で脚を頭の方へ折りたたまれたままうごく気配が感じられなくなった。

ジンも完全に体力を使い切り、仰向けに大の字に倒れたまま停止していた。

しかし、目を見開いた状態で天井を見つめ、静かに腹式呼吸し、勝利を確信したジンは笑みを浮かべていた。

ジン

やっぱ、俺は最強だわ

6回戦 ジンVSシゲル ジン 勝利 シゲル 生死不明

マッスルファイトクラブ

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